シネマトゥデイ

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INTERVIEW@big apple

今回は、オーストラリアの巨匠ピーター・ウィアー監督のレトロスペクティブ、次に演技派ポール・ジアマッティの新作『バーニーズ・バージョン(原題) / Barney's Version』、最後は注目の女優2人、ミンカ・ケリーレイトン・ミースターが共演する『ザ・ルームメイト(原題) / The Roommate』を紹介。

1月5日名匠ピーター・ウィアーの2時間に及ぶQ&Aで得した気分(リンカーン・センターにて)

ピーター・ウィアー監督のレトロスペクティブ(回顧展)

ニューヨークにあるリンカーン・センターのウォルターリード・シアターで、『刑事ジョン・ブック/目撃者』『いまを生きる』『トゥルーマン・ショー』などを手掛けたオーストラリアの巨匠ピーター・ウィアー監督のレトロスペクティブが開催され、過去作すべてを振り返る監督のQ&Aが設けられた。

ピーター・ウィアー

少年時代の映画体験を語る名匠ピーター・ウィアー/コリン・ファレル、エド・ハリスら豪華キャストが集結した『ザ・ウェイ・バック(原題) /The Way Back』では、アカデミー賞メイクアップ部門にノミネート!

僕は年末年始で、リンカーン・センターのパブリシストと連絡を取ることを忘れたためチケットを確保できず、結局自腹で購入して取材をすることに。取材開始15分前には現地に着いていたが、ほぼ満席に近く、いつも座っているフロント席を確保できず、ステージから3列目の席に座ることに……。ステージからかなり距離があるため、うまくQ&Aをレコーディングできるか多少不安だったが、これまでに何度もこの会場で記者会見を取材していたので、なんとかなるだろうと思っていた。ところが、隣に座ったおじさんが、バケツ一杯ぐらいのポップコーンと日本のLサイズの2 倍に相当するドリンクを持っていた。案の定、彼の飲食する際の雑音が非常に邪魔だったのだが、取材が目的とはいえ自分も彼と同様、観客の一人なので文句は言えなかった。ただ運良く、肝心のレコーディングはマイクの反響が良かったためか、意外に問題なくできていた。この日、司会を務めたのが、リンカーン・センターのフィルム・ソサエティーが発行するフィルム・コメントという雑誌の編集長を務めるゲヴィン・スミス。彼は、2時間に及ぶQ&Aを、独特の質問と知識でそつなく乗り切ってしまった。

さて本題のピーター・ウィアー監督の話に入ろう。彼は、大学時代はあまり成績が良くなかったらしく(もっとも、彼が通っていたのはシドニー大学という名門大学ではあるが)、2年で中退してしまったそうだ。それと、テレビは12歳になるまでなかったため、代わりに映画館に通っていたという。ただ、映画を観られるのは週末だけで、いつも学校から帰るとものすごく暇だったらしいが、そのつまらない状況が(映画制作に必要な)自分のイマジネーションを発達させる大きな役割を果たしたと述べていた。彼は父親の不動産業にはかかわらず、ヨーロッパへの船旅に出た際に、船上で自らパフォーマンスを披露したのを機に、エンターテインメント業界に入りたいと思ったのだとか。

『刑事ジョン・ブック/目撃者』の後、思ったよりも『モスキート・コースト』が成功せず、悩んでいたときに書いた脚本が、ヒット作『グリーン・カード』だ。その『グリーン・カード』の後に、彼は名作『日の名残り』の監督を依頼されていたが、撮影が難航すると思われた『フィアレス』を、あえて選択した。『刑事ジョン・ブック~』では、アーミッシュ(ドイツ系の移民)の人々を撮影できず、ほとんどが俳優や現地のアーミッシュ以外の人々だったという。そして彼は、観客からの質問にも答えながら2時間のQ&Aを終えた。最後に、彼は司会者ゲヴィン・スミスの知識を褒め、楽しませてもらったと伝えて席を立った。僕にとっては貴重な体験だったが、2時間近くあるQ&Aを記事としてどうまとめるかと考えると頭が痛かった……。

1月10日異常にルールが厳しいラジオ部屋での取材にドギマギ(クロスビー・ストリート・ホテルにて)

映画『バーニーズ・バージョン(原題) / Barney's Version』

酒とタバコ、そして女をこよなく愛するバーニー(ポール・ジアマッティ)は、風変わりな父親(ダスティン・ホフマン)のもと自由気ままに暮らしていた。そんな彼が、イタリアとアメリカをまたに掛けて3度の結婚を経て、ようやく真実の愛に巡り合うというコメディー・ドラマ。

ポール・ジアマッティ、ロザムンド・パイク、スコット・スピードマン、ミニー・ドライヴァー、リチャード・J・ルイス、ロバート・ラントス

陽気なポール・ジアマッティ(左)と、某プロデューサーにまつわる暴露話で記者たちを驚かせたロザムンド・パイク(右)/映画の役柄さながらに真実の愛を模索中(?)のスコット・スピードマン(左)と、仕事に子育てに奮闘中のミニー・ドライヴァー(右)

今回は1作品で6人の取材をすると聞いて、結構時間が取られそうだなぁと気をもんでいたら、取材前日にパブリシストから2人ずつペアを組んでインタビューすることになると聞き、思ったより時間がかからなさそうで安心した。取材会場には、サンドイッチ、ドリンク、デザートが用意され、それらを友人の記者たちと食べながら、ラジオ関係の記者の部屋に誘導されて取材することに。このラジオ専門の部屋は、レコーディングには最適なのだが、俳優の返答に対してわれわれ記者が声を発してはならないという暗黙のルールがあり(レコーディングしたものを、そのままラジオで使用するため)、これが結構僕には厄介だった。

最初に登場したのは、ポール・ジアマッティと色白で美しいロザムンド・パイク。まず「この映画で泣かされたわ」という黒人女性記者に対し、ポールが「おれはどうやって女性を泣かせるのかを知っているからね!」とジョークを飛ばして取材がスタート。そして、その1分後にラジオ番組で働く年配の白人女性記者が、「携帯をオフにしていないと録音する際に雑音が入る可能性がある」と言い出し、部屋の中で唯一携帯をオフにしていなかったポールが慌てて自分の携帯をオフにした。だが、その後問題になったのが、彼の後ろに座っていた女性パブリシストだ。彼女が携帯でE-mail をしていたので、白人女性記者はゼスチャーで(レコーディングしていたためゼスチャーでしか伝えられない)注意したが、パブリシストはずっと下を向いて携帯をいじっていたので、ゼスチャーが目に入っていなかった。そのため、白人女性記者はインタビューの間ずっとゼスチャーをし続ける始末……。僕は「その雑音は、ひょっとして耳鳴りじゃないのかい?」とすら思い、過剰に事を荒立てる白人女性記者の気持ちがよくわからなかった。

さて、肝心なインタビューでは、ロザムンドは以前、とある大物プロデューサーから「愛人にならないか?」と声を掛けられたとビックリ発言! 次に、ある記者がスコット・スピードマンに、「この映画の主題でもあるが、どうしたら真実の愛だとわかるのか?」と尋ねると、いまだに独身のスコットは「おれに聞くなんて間違っているよ!」と返して笑いを誘っていた。ミニー・ドライヴァーは、「わたしは母親だけれどシングルマザーだから、どんどん働かなきゃ!」と言い、オファーされた作品はできる限り出演したいと語っていた。監督のリチャード・J・ルイス、プロデューサーのロバート・ラントスは、この映画を10年以上かけて製作したことを明かしてくれた。そしてインタビューが終わり、家に帰ってレコーディングしたオーディオを聞いてみると、雑音のないきれいな録音ができていた。果たして僕は、あの白人女性記者に感謝すべきなのだろうか……?

2月1日ミンカ・ケリーとレイトン・ミースターの人気に圧倒される!(アップル・ストアにて)

映画『ザ・ルームメイト(原題) / The Roommate』

大学の寮で暮らすことを決めた女子大生サラ(ミンカ・ケリー)は、レベッカ(レイトン・ミースター)とルームメイトとなり、徐々にその友情をはぐくんでいくが、ある日レベッカの自宅を訪れた際に、レベッカには精神的な問題を抱えた過去があることを知った途端、サラの友人たちが危険にさらされていくスリラー作品。

ミンカ・ケリー、レイトン・ミースター

新「チャーリーズ・エンジェル」のヒロインに抜てきされたミンカ・ケリー(左)と、「ゴシップガール」のレイトン・ミースター(右)/映画とテレビドラマでの役づくりの違いについて語るミンカ(左)とレイトン(右)

普段からテレビを観ない僕は、これまでミンカ・ケリーが出演するテレビシリーズ「Friday Night Lights」と、レイトン・ミースターが出演するテレビシリーズ「ゴシップガール」をまったく観たことがなかったのだが、この2人が今後要注目の女優であることは認識していたため、取材に参加することに。当日、2人は30分も遅刻してやって来た。しかし結局2人は遅れてきたことを詫びることもなく、代わりに司会者が謝罪した。さらに、Q&Aの前に行われたフォトセッションでも、ろくにポーズを取ってくれなくてカメラマンたちはかなり不満の声を漏らしていた。この日、プレス用に設けられたフロント席は、ほぼカメラマンたちで埋め尽くされ、会場の後ろには立ち見している人がたくさんいた。彼女たちの人気はそれほどすごかったのだ!

現在ミンカは、あのニューヨーク・ヤンキースの主将を務めるデレク・ジーターと交際中で、新「チャーリーズ・エンジェル」に、エンジェルの1人として出演する予定だ。彼女の声は、割とハスキーでかわいらしく聞こえた。ミンカは、司会者がこの映画をポップコーン・ムービー(エンターテインメント性の強いハリウッド映画)だと紹介したことについて、「そういう表現は、わたしたちの仕事を無視したような感じで嫌だわ」と反感を示したが、司会者が言いたかったのは、あくまでエンターテインメント性の強い作品であることがわかると、その後は苦言することをやめた。ちなみにその司会者はこの作品が、ブリジット・フォンダが出演した映画『ルームメイト』と非常に共通点が多いことにも触れていて、彼女たちの反感を買うような発言を連発していた。2人が戦うシーンを撮影する際には、(暴力的なシーンだったため)レイトンはミンカに謝りながらフィジカルなシーンをこなしていたらしい。ミンカは、これまでにさまざまな映画のオファーを受けていたものの、やりたいと思う作品に出会えず出演を断ってきたが、この映画は旧友であるレイトンが出演することもあって、出演を決めたのだという。

レイトンは「ゴシップガール」の撮影が年間を通して9~10か月もあるらしく、残りの2~3か月で映画に参加することが多いそうだ。そして2人は映画とテレビシリーズの違いについて聞かれると、ミンカは、「テレビの場合は撮影期間が長いため、キャラクターと共に自分が成長する感じがする」と答えた。一方、レイトンは、「映画では自分の中で、演じるキャラクターのバックグラウンドを想像しながら役をつくっていくけれど、テレビではほとんどそれができない」という。なんでも、テレビではあらかじめキャラクターがしっかりと設定されていて、演技の振り幅が制限されてしまうからだとか。やっと Q&Aが終わり、最後に2人は長時間残っていた多くのファンにサインをしたり、一緒に写真を撮ったりしていた。2人には、今をときめくオーラのようなものが感じられた。

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