シネマトゥデイ

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アンジェリーナ・ジョリー
『ツーリスト』
女らしい自分をもっと楽しむようになった
『ツーリスト』アンジェリーナ・ジョリー 単独インタビュー

取材・文:こはたあつこ

アンジェリーナ・ジョリーとジョニー・デップ。ハリウッド人気ナンバーワンの女優と俳優の共演が実現した『ツーリスト』。しかも、美しいベニスを舞台に繰り広げられる華麗なサスペンスとくれば興味をそそられないわけがない。そんな本作で、謎の美女を演じたアンジェリーナ・ジョリーに、ロサンゼルスでインタビュー。ベニスロケからジョニー・デップについて、またブラッド・ピットのことや自身の監督業などの話を聞いた。

■ジョニーとの初共演は、笑いが止まらなくて撮影中断!

Q:さすが、きらきら輝いていらっしゃいますね!

そんなふうに言っていただいて、ありがとうございます。

Q:毎日、健康のために何かやっていらっしゃいますか?

やるべきなんですが、今は子どもを学校に送り出すことや仕事をこなすことで精いっぱい。そういう時間がほとんどないんです。

Q:『ツーリスト』でのベニスロケはいかがでしたか?

素晴らしかったです。いつものように家族全員で行ったので、大運河の見えるすてきな家に滞在したんです。子どもたちもすっかり慣れて、よくボートの上で宿題をやっていました。また、家庭教師の先生と一緒に船で運河巡りをしながら宿題をすることもありました。イタリア語の先生にもついていたので、楽しかったです。それに素晴らしい美術館もたくさんあるので、芸術鑑賞もたっぷり楽しめました。

Q:ジョニー・デップとの初共演はどうでしたか?

ジョニーはとにかく面白くて、一緒にいて本当に楽しい人です。だから撮影も十分楽めました。2人ともお互いを驚かせようといたずらばかりして、よく笑いましたね。笑いが止まらなくなってしまって、何回か撮影を中断したぐらいです。でも、そんな雰囲気がこの映画を観た人に伝わってくれたらいいですね。

Q:運河でのボートチェイスシーンにハラハラしましたが、自分で操縦したんですか?

そうなんです。自分で操縦してとっても楽しかったです。自分のために封鎖された水域でボートを走らせることができるなんて、女優としての醍醐味(だいごみ)ですね。思い切りスピードを出したり、好きなだけスピンしたり。また、ジョニーをボートに乗せて走り回るというシーンも最高でした。映画のためだけにこんなに楽しい体験ができるなんて信じられないです。本当にラッキーでした。

■女らしい部分を引き出してくれたドナースマルク監督

Q:映画の中ではエレガントな女性エリーズを演じましたが、自分と比べていかがですか?

エリーズのペースはわたしとかなり違います。彼女はもっとゆったりしていて、優雅で落ち着いているし、人生をサラッと歩いている感じの人です。わたしの場合はもっと攻撃的に走っている感じです。それに毎日おしゃれにかなり時間をかける女らしい女性です。もちろんわたしもおしゃれはしますが、あそこまで時間はかけないですね(笑)。

Q:今回フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督とお仕事されて、いかがでしたか?

たくさんのことを教えていただきました。とてもすてきな方です。特にヨーロッパの男性ですので、アメリカ人のわたしが見掛け倒しではなく、心底ヨーロッパの女性になれるように指導をしてくださり、わたしの中の女らしい部分も引き出してくれました。今の時代の女性は「強くありたい、いろいろな仕事をしたい」という気持ちが強いと思うんですが、今回の仕事のおかげで、自分の中の女らしさを楽しめるようになりました。またその中にある強さに気付くこともでき、他人のためではなく、自分のために女らしくありたいと思うようになりました。

Q:では、撮影後も自分が女らしくあり続けるために、何か始めたことってありますか?

ええ、あります……。

Q:言いたくなかったら言わなくてもいいです(笑)。

フフフ。

■お互いの成長を助け合うブラッド・ピットとの関係

Q:本作でもそうですが、ミステリアスな女性を演じることが多いですよね。でも、アンジェリーナさんご自身は自分のことをどう見ているのでしょうか? 動物に例えるとしたら、どんな動物になりますか? また、ジョニー・デップはどうでしょう?

なんだかセラピーみたいですね(笑)。以前わたしのことを「バッジャー」だと言う人がいたわ。

Q:「バッジャー」って何ですか?

非常に攻撃的な動物なんだそうです。ビーバーのように小さくて毛並みがふさふさしたスカンクのような外見だそうですけど、スカンクとは別の形で攻撃するんだそうです。とにかく、攻撃的な動物だと強調されました。というわけで、わたしはバッジャーかしら(注:Badger とはイタチ科の動物で顔に白と黒のシマがあるアナグマのことを指す)。ジョニーのことはよく知らないので、どの動物が合っているか難しいですね。うーん、彼の奥さんに聞いてみてください(笑)。

Q:では、パートナーのブラッド・ピットさんは?

そうですね。ブラッドは優雅で力強い感じがするので、伝統的なライオンかしら。父親でもあり、ハズバンドでもあるし。

Q:彼のどんなところを尊敬していますか?

お互いの良いところを吸収し合って成長してきたと思います。わたしは彼に似てきたし、彼はわたしに似てきて、お互いの成長を助けているんだと思います。彼はわたしよりも、もっと人生をゆっくり味わうことができる性格ですね。じっくり座って絵を描いたり。わたしは正反対で常に忙しく動き回っているんです。彼は落ち着いていて、わたしはもっと起伏が激しい感じです。

■監督としてのアンジェリーナ・ジョリー

Q:最近監督の仕事も始められたそうですね。監督と役者のどちらかを選ぶとしたら?

(きっぱり)監督です。

Q:本当ですか!? それはどうして?

ほかの役者さんが素晴らしい演技をしているところを見るのが好きだからです。最近非常に才能のある役者さんたちと一緒に仕事をする機会があり、その人たちを世界に紹介することができて、とてもうれしかったんです。実は、わたしはスタッフやチームの一員として仕事をする方が好きで、注目を浴びるのはあまり好きじゃないんです。

Q:そうなんですか! 意外ですね。

ええ、だからカメラの後ろに立っている方が好きです。まだ知られていない才能ある役者さんたちを発掘し、世に送り出したいです。フィルムメーカーとして一番ワクワクするのは、新しい才能を発掘し、その人たちで新しいストーリーを生み出すことだと思います。

Q:ところでUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の親善大使として大きく貢献されていますが、そこから得たものは?

人生を何とか生き延びようとサバイバルしている人たちや、苦しんでいる人たちが周りにいると、自分のやるべきことがはっきりしてくるんです。難民の方たちから、「母親とは」「サバイバルとは」「友情とは」など、本当にたくさんのことを教えられ、人間として成長させてもらった気がします。

Q:最後に、アンジェリーナさんは、20代の女優さんたちのあこがれの存在だということですが、もし20代の自分にアドバイスができるとしたら?

ほとんど何も言わないと思います。結局はいろいろ体験してみないとわからないことがあるし、そういう体験をしていなかったら、今の自分がないと思うんです。なので、20代の自分に何か言うとしたら「そのままで大丈夫。すべてうまくいくから」と言いたいですね。

アメリカの女優の中で今一番輝いているスター。しかも、男女問わず高い人気がある女優であるアンジェリーナ。同時に演技力もあり、また世界の難民救助のために多大な資金を寄付していることでも有名。そんな彼女は地に足の着いた女性だという印象で、受け答えもスターとは思えないほど率直だ。自分の言葉をはっきりと持っており、20代にさまざまな失敗をして、紆余(うよ)曲折を経たからこそ、一人の人間としてしっかりと花を咲かせた。彼女のスターとしての輝きは、人間としての輝きなのだ。

映画『ツーリスト』は3月5日より公開

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