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古田新太 天海祐希
『ゲキ×シネ「薔薇とサムライ」』
見ようによってはものすごいラブストーリーですよね
『ゲキ×シネ「薔薇とサムライ」』古田新太 天海祐希 単独インタビュー

取材・文:鴇田崇 写真:吉岡希鼓斗

いのうえひでのり率いる人気劇団「劇団☆新感線」のステージを、最新デジタルシネマ技術で映像化した「ゲキ×シネ」シリーズ最新作『ゲキ×シネ「薔薇とサムライ」』。17世紀ヨーロッパの小国を舞台に、女海賊アンヌと用心棒・石川五右衛門が、歌って踊って暴れ回るエンターテインメント作品。石川五右衛門役の古田新太と、華麗なるコスプレ七変化を魅せる女海賊アンヌ役の天海祐希が、「ゲキ×シネ」の魅力や共演の感想など、劇中さながらの掛け合いでトークを繰り広げた。

■舞台裏は超大忙し!?

Q:本作は戦闘シーンが盛りだくさんでしたが、いかがでしたか?

古田:本番はしんどかったですが、演じていて楽しかったですね。

天海:殺陣がどれくらいありましたかね。どのシーンでも戦っているので、数え切れないほどでした(笑)。

古田:短時間で舞台裏を走り回ることがキツかった(笑)。舞台では誰かが戦っていたり、歌っていたりするけれど、画面に映っていないところではものすごくしんどかったんですよ。

天海:裏まで映っていたら面白いでしょうね(笑)。みんな右往左往していたので。

古田:カメラ回しておけば面白かったですね。兵隊役がやられて、着替えて海賊役に変身してまた出て行って。やられてまた兵隊役になって出て行って(笑)。

天海:最後は市民役になってね。もう汗だくでしたよ(笑)。

古田:カット割りとかないですからね、「ゲキ×シネ」で観るとカットがあるように見えますけど。

Q:石川五右衛門と女海賊のアンヌを演じる上で軸としていたものは何ですか?

古田:五右衛門については、基本的にはアンヌとアンヌの手下どもを、どのような形にせよ守ってあげる男ということですね。でも、五右衛門はヨーロッパに1人で来ている設定だから、あまり他人にベッタリしちゃいけねえなっていうところがある。しょせんは異邦人であるという意識を自分の心の中に持っていたと思います。

天海:アンヌは、脚本が彼女の生き方をわかりやすく描いていたので、その道筋通りに一つ一つ誠実に演じることができれば……とは思っていましたね。

■目と目で通じ合う! 気持ちが邪魔されないステキな共演者とは!?

Q:アクションや演技の呼吸など、息もぴったりのコンビでしたね。共演はいかがでしたか?

古田:天海さんのことは前から知っていましたが、非常に楽しかったです。イライラしたり、「このアマ!」みたいなことは全然思わなかったので(笑)。

天海:あるんですね! 普段そういうことが(笑)。

古田:だから掛け合いも楽しかったし、舞台上でふと目がチラッと合ったりしても、自分の気持ちが邪魔されないんです。要は演じやすい女優さんなんですね。

天海:相手のことを意図していない瞬間に、感情が動いてチラッと目が合ったりすると、同じように感情が流れているなあと感じることは確かにありますね。それは演出ではなく、稽古場でも一度も起こらなかった、生の舞台に立って初めて感情を共有できる瞬間なんです。

古田:実は、誤解だったりもするのですが(笑)。これは俳優独自のものですね。監督や演出家にもわからない、舞台に出ている人間だけが感じるものなんです。だからアンヌと絡む五右衛門という役を演じやすかった。僕は日本有数の集中できない俳優ですが、ちゃんと気持ちが作れましたね。

■恋仲というよりは同志!

Q:本作では、お互いにどういった関係を意識しましたか?

古田:芝居のコンセプトとして五右衛門とアンヌの関係は、恋仲よりは同志という方向だったので、それがうまかったと思います。僕ら2人ともかっこよく映っていたし。

天海:見ようによってはものすごいラブストーリーですよね。お互いにいろいろと背負うものがあって、それ以上の関係を許されなかったということもあるけれど、ここまでお互いに認め合って頼りにし合えるということは、大きくいえば愛情ですよね。

古田:人間として信用し合っているという関係だから。

天海:古田さん演じる五右衛門は、「風の向くまま、気の向くまま」という感じだけれど、待っている人を見捨てられないと思うんですよ。そういう人だから、これからまたどこかに行ってしまうだろうし。サムライではないと五右衛門は言いますが、魂はサムライだと思うから。これが全然違うキャラクターなら、もっと違う話になっていますよね。

古田:そうでしょうね。アンヌにしても、五右衛門にしても、みんなに祭り上げられてはいるけれど、何らかの孤独感を持ち合わせている。そういう深い読み方をすれば、人生のはかないお話にも見えるような気がする。まあ、とても派手でにぎやかなので、誰も気が付かないかもしれないですが(笑)。

天海:でも、お互いにどこか自分と似たものを持っているとは思いますよね。環境とかではなく、心の持ちようや生きざま、人種や生まれた国が違っても、こういう人がいたおかげでアンヌは励まされたはずなんです。それで彼女は、一国を背負う決心をするわけですから。

■ 古田新太は“三茶のジャック・スパロウ”!?

Q:「ゲキ×シネ」シリーズも9作目を迎えて、ますますスケールがアップしました。

古田:腐れ劇団ですが、長いことやってきたかいがあったなあと(笑)。

天海:新感線の舞台は、映像にしたいという舞台なんですよね。スピード感、熱気、その瞬間を切り取りたいと思える劇団と作品なんですよ。

古田:作っているスタッフや役者もだんだんわかってきて、「ゲキ×シネ」のかっこいい撮り方、撮られ方まで考えているとは思いますね。

天海:わたしは「ゲキ×シネ」への参加が初めてなのですごくうれしかったです。劇場に来られなかった方たちが観られるようになったこともうれしいですしね。

Q:最終的に「ゲキ×シネ」としてスクリーンで上映されることは、上演中に意識しましたか?

古田:それほど考えてはいませんね。舞台にカメラがあって、「ああ、ゲキ×シネになるんだなあ」っていう。ただ、僕らはずっと舞台に出ているので観ることのできなかった作品が、みんなと一緒に観られるじゃないですか。それは楽しいなと。一人で観るDVDも楽しいですが、これだけにぎやかな映画なので、みんなと一緒に楽しみたい。『パイレーツ・オブ・カリビアン』をDVDで観ても楽しくないでしょ?

天海:日本人なら「薔薇とサムライ」を観てください(笑)! 五右衛門ですよ!

Q:さしずめ古田さんの五右衛門は、“和製ジャック・スパロウ”というところでしょうか(笑)。

古田:三茶(三軒茶屋)ではそう呼ばれていますけど(笑)。登場する女海賊についても、パイレーツとかワンピースとか海賊がはやっているのでちょうどいい。

天海:どうせならジョニーに観てもらってもいいですよね(笑)。

古田:チャキチャキの下町のペネロペ・クルスも出ているぞと(笑)。

天海:薄っぺらいペネロペですけどね(笑)。DVD、送っちゃいましょうか。

古田:まあ、こんなキャラクターが舞台に出てくることは、僕でも天海さんでもまずないことなので、CGよりリアルなアニメだと思って観てください。

天海:「ゲキ×シネ」は生の舞台と映画の中間みたいなものだとわたしは思っていて、映画好きの人にも舞台好きの人にも楽しんでいただけると思います。ただ、これを1回1回生でやっていたということを知ってほしい(笑)。アンコールのシーンで思い出してくれるかな?

古田:あそこで舞台だったことを思い出してくれるはずです。

天海:撮り直しとかなかったですから。百聞は一見にしかずなので、ぜひ!

古田:肩ひじ張らないというか、気楽なスタンスで観てほしいですね。

劇中さながら息もピッタリの古田と天海のツーショット。ハデなアクションにセリフの応酬で魅せる本作は、俳優同士の信頼関係があってこそ成立し得る作品ということを改めて思い知らされる。まるで実写映画を観ているような感覚で楽しめる「ゲキ×シネ」シリーズは第9弾を迎え、ますますパワーアップ! 新しい演劇、映像作品のジャンルとして進化する「ゲキ×シネ」に注目だ。

(C) 2011 劇団☆新感線・ヴィレッヂ

『ゲキ×シネ「薔薇とサムライ」』は公開中

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