シネマトゥデイ

PUFFY
『うさぎドロップ』
映画に合った、かわいい曲ができてハッピーです
映画『うさぎドロップ』PUFFY 単独インタビュー

取材・文:斉藤博昭 写真:尾藤能暢

亡くなった祖父に6歳の隠し子がいたことが発覚。その少女を自分で育てると決意したサラリーマンの奮闘を、絶妙なユーモアと感動で描いた映画『うさぎドロップ』。松山ケンイチと天才子役、芦田愛菜の共演に注目が集まるが、主題歌をPUFFYが担当したことも話題になっている。実写と7月から放映されているアニメ版のために書き下ろされた「SWEET DROPS」はPUFFYらしさ満点の歌声による楽曲で、両作品にハマってる! 原作コミックや今回の主題歌への思いをPUFFYの2人に聞いた。

■ずっと前からファンだった、心をホッコリさせる原作

Q:もともとお二人は原作コミックの大ファンだったそうですね。

吉村由美(以下、由美):そうなんですよ。わたしが先に読んでいまして、とても面白いから亜美ちゃんにも薦めたんです。読んだきっかけは「ジャケ買い」ですね(笑)。絵がかわいいから読んでみたくなって、読み始めたら引き込まれて……。その魅力を一言で表現するのは難しいですが、絵もすてきで、いい意味で気軽に読める作品だったんです。

大貫亜美(以下、亜美):取材か何かの機会に、好きなコミックを聞かれたんですが、そのとき由美ちゃんが「うさぎドロップ」の名前を挙げていたんです。わたしはまったく知らなかったから「何、何?」って興味がわいて、そうしたら由美ちゃんが「ホッコリするよ」って薦めてくれました。わたしも読み始めたらハマっちゃいましたね。

由美:あまりにファンになったので、原作コミックの帯に「(主人公の)ダイキチは理想の男性です!」なんて書かせてもらいました。彼の無骨だけど、優しいところにひかれるんです。

亜美:ダイキチには父性愛を感じちゃうよね。

由美:原作と違って、現実に小さな子どもを受け入れるなんて大変なことだから、父性愛が際立つのかな。

亜美:女性の視点だと、ダイキチの家族と同じように、子どもの将来のことを考え過ぎてしまうんじゃない? 「かわいそうだから家に来る?」って単純には決断できませんから。

Q:そんな原作への愛があったからこそ、今回の主題歌も実現したわけですね。

由美:そうなんです。この話が持ち上がったときは、ぜひやりたいと思いました。以前から、原作者の宇仁田(ゆみ)先生もPUFFYの音楽を聴いてくれていて、わたしたちのライブを観に来てくれていたんですよ。曲のコンセプトとしては、「女性が共感できる」というのをポイントに、女心も乙女心もうまく表現してくれる鈴木祥子さんに作詞作曲を依頼しました。乙女心とはいえ、あくまでも大人の女性に向けた作りで、子どもっぽくならないようにしてもらったんです。

亜美:出来上がった曲に対しては、2人で歌うという前提から、同じイメージを持つことを大事にしています。自分たちと同世代の女性の感覚で、切なくなり過ぎず、かといって明る過ぎないように心掛けた感じですね。

由美:とは言っても、そんなに強い方向性を決めるんじゃなく、案外、淡々と歌う方が伝わるんじゃないかな、ってのもあります。アレンジも、かわいくなりすぎず、中間くらいを狙ってみました。

■主題歌だけど「PUFFYの作品」という強い意識も

Q:映画の主題歌というのは、普段の曲と意識やプロセスが違うのですか? どんなふうにとらえているのでしょう。

由美:映画のエンドロールって、(途中で)席を立っちゃう人もいますよね? でも自分たちが主題歌を担当することで、その部分の役割の重要性を感じました。映画を見終わったときってそれぞれ感慨があるわけで、その気持ちに何か華を添えられたらいいと思うんです。主題歌って、あまり映画に寄り過ぎてもよくないし、でも映画の世界観も壊してはいけない。けっこう悩ましいですね。

亜美:その曲を聴いたら、映画の気に入ったシーンが頭をかけ巡る。そういうお手伝いができたらいいなと思って、取り組みました。でも曲自体は自分たちの作品として残るわけで、映画と曲のうまい寄り添い方ができればいいですよね。

由美:声をかけていただいた時点で、PUFFYらしさが求められているわけで、そこは自信をもったうえで、みんなで方向性を考えていく。そんなプロセスでした。

Q:主題歌と共に映画も完成したわけですが、ご覧になった印象を聞かせてください。

由美:芦田愛菜ちゃんがバツグンにかわいい(笑)! ダイキチとのコンビを観てたら妙に心がホッとしました。好きなアニメが実写になったら、違和感を抱く人もいるかもしれませんが、この映画版はまったく気にならなかったですね。

亜美:原作を読んでいるときのりんのイメージが、愛菜ちゃんとぴったり重なったんです。逆に香里奈さんが演じるヒロインはちょっと原作から変化が加えられていて、そのギャップも映画らしかったですね。

由美:映画版では、ダイキチがいろんな人の協力を得ているところに心打たれました。

亜美:原作では想像を巡らせていた部分も、映像になっているとわかりやすい。映画ならではですね。

Q:アニメ版はいかがでしたか?

由美:背景の描き方が斬新でかわいかったです。人物は原作のタッチに近いのに、背景は繊細な感じだったり…。

亜美:原作のイメージに合った、淡い色使いがよかったです。

好きな映画にも2人の個性が!?

Q:ところでお二人はどんな映画が好きなのですか?

亜美:何回も観ても飽きないのは『ウェインズ・ワールド』ですね。好きなバンドの曲がいっぱい出てくるうえに、面白くて楽しめる。違う友達が家に来るたびに見直しているから、もう何回観たことか(笑)。でもダークな作品も好きかな。

由美:わたしはジャンルにこだわらず、そのときの気分で観るタイプ。最近は邦画が多いですね。まだ観てないんですけど、『告白』を早く観たくて! でも観るなら夜だと思い、仕事が遅くなったりして延び延びになってます(笑)。

亜美:わたしも楽しみ! 原作が面白いから、早く観たいね。

Q:では最後に、「SWEET DROPS」の魅力をお二人の言葉で語ってください。

由美:自分の中では『うさぎドロップ』という作品に、すごく合った曲になったと思ってます。PUFFYとしても、かわいい作品が完成したと思うし、新しい風が吹かせられたかも。あとは映画を観た人、曲を聴いた人に素直に受け取ってもらいたいですね。

亜美:わたしが書いたわけじゃないですが、非常によくできた曲です(笑)。映画やアニメを観て、あるいは原作を読んだうえで、歌詞の思いを感じながら聴いてもらうと、本当に『うさぎドロップ』のための曲だとわかりますから。自分なりに感動する曲になったという自信がありますね。

「SWEET DROPS」は一度耳にしただけで、歌詞やメロディーが頭から離れない楽曲になっている。それは、映画・アニメの主題歌であると同時に、しっかりとPUFFYの世界観が表現されているからだろう。デビュー15周年ということで、今回の主題歌をきっかけにアーティストとしてさらなる進化を予感させる彼女たち。そしてインタビューでは、15年間「変わらない」2人の仲の良さを感じさせた。何げないやりとりに、お互いへの信頼感やきずなが伝わってくる。2人の間に漂う、この優しい空気感こそ、まさに『うさぎドロップ』の世界にぴったりだと再認識させられる。

主題歌「SWEET DROPS」は8月17日発売(初回生産限定盤は税込み:1,300円 / 通常盤は税込み:1,020円)

映画『うさぎドロップ』は8月20日より全国公開

[PR]

この記事を共有する

映画アクセスランキング
  • Loading...
»もっとランキングを見る«
スポンサード リンク
スポンサード リンク