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小林聡美&原田知世
『東京オアシス』
自分は幸運だと思えたら人生は楽しい
『東京オアシス』小林聡美&原田知世 単独インタビュー

取材・文:平野敦子 写真:吉岡希鼓斗

『かもめ食堂』や『プール』を生み出したプロジェクトの最新作『東京オアシス』。大都会東京を舞台に、人生に迷ったり傷ついた人々が織り成すストーリーを三つのエピソードでつづっている。これまでの作品を通して疲れた人々の心に明かりをともしてきた小林聡美と、今回初参加となる原田知世が、初共演の印象や作品にちなんだエピソード、また人生を楽しく生きるコツまで楽しげに語り尽くした。

■愛の逃避行は絶対無理!?

Q:小林さんが演じられた「トウコ」という女性は、発作的に人生から逃げ出してしまいますが、もしご自身が彼女のように逃亡したくなったらどうすると思いますか?

小林聡美(以下、小林):仕事を途中で投げ出していくといろいろな人に迷惑を掛けますからね。それを思うとわたしだったら仕事が一区切りついてからにしますね(笑)。やはり仕事の最中に逃げ出すということはないと思いますし、周囲の人も心配しますしね。

原田知世(以下、原田):逃げた後のことを考えると、どんなに苦しくても頑張ってやり遂げたほうが自分も納得すると思うんです。逃げたことを必ず後悔するし、それを背負っていかなくてはならないということが自分でもわかるので逃げ出す勇気がないですね(笑)。でも、ミュージシャンの方がレコーディングに来ないとかいう話は聞いたことはありますね。

小林:舞台でも本番の期間中に愛の逃避行をしちゃった女優さんとかいますよ(笑)。もちろんその芝居の最中に舞台を降りて逃げちゃったというのではなくて、なぜか舞台開始直前まで現場に現れなかったという……。それはそれですごい勇気ですよね。原田さんは愛の逃避行なんてどうですか?

原田:ない! それは絶対にないなぁ。

Q:劇中の夜のドライブシーンも印象的でしたが、お二人は夜にご自分で運転してドライブを楽しんだりすることはありますか?

小林:夜の時間帯にもよりますね。道がすいている時間帯だったら楽しいかもしれませんね。わたしは夜だからドライブに行こうという感じではなくて、たまたま仕事で帰りが遅くなってしまって、夜運転をするというパターンです。

原田:わたしも自分で運転はしますが、スピードを出したりすることはないですね。

■夜のドライブは無音が心地いい

Q:ドライブ中に聴くお気に入りのBGMはありますか?

小林:気分にもよりますが、何もかけないで無音のときもありますし。逆に疲れているときは無音のほうが心地良かったりしますよね。若いころは音楽のない生活なんて考えられないというぐらい聴いていたのに、最近は無音のほうが好きです。静かでいることのほうが落ち着きますね。

Q:原田さんはご自分の曲を聴きながらドライブしたりはしないんですか?

原田:アルバムが完成したりすると、やはり音をチェックするという意味でも車の中で聴いたりはします。アルバムを買ってくださる方というのは、自宅や車の中で聴いてくださると思うので、自分の曲がどのような音になっているのかというのを判断するために、わざわざ遠回りして聴きながら帰ったり。それがちょうどいい夜のドライブになるんです。

Q:今回の映画の舞台は東京ですが、ベタな観光名所・東京タワーにのぼったことはありますか?

小林:多分2~3回ぐらいはあると思います。子どものころにおぼろげながら家族で行った記憶も何となくありますし、大人になってから仕事のロケで行ったこともありますね。

原田:わたしは人生で初めて東京へ遊びに来たときに、名所として連れて行ってもらったことがあります。あとは実際に住み始めてから数回のぼったことがあるかなぁ……? 撮影の仕事などでのぼったこともありますね。でも、東京タワーはのぼるよりも下から眺める方が好きかもしれないです。実はわたし、高い所があまり得意ではないんです。遠くを見る分には構わないのですが、真下が見えたらイヤですね。網みたいにすき間があったら怖くてもうダメです!

■原田知世はそよ風のよう!?

Q:お二人は今回が初共演ですが、一緒に話しているシーンはとても柔らかくていい雰囲気でしたね。共演前と共演後で印象は変わりましたか?

原田:わたしは、いつも何かに流されることなく自然体でお芝居も気負ったりするところがない小林さんのたたずまいが大好きで、想像していた通りの人だと思いました。ひとりの人間として、もっといろいろ知りたいなと思わせてくれる方です。そういう人柄がお芝居にもにじみ出ている気がしますよね。

小林:わたしが原田さんに抱いていた印象は昔から変わらず、少女のようなみずみずしさを持っていらっしゃって、なんだかそよ風のような……。共演させていただいてもその印象は変わらず、さらにとても芯の強さを持った大人の女性だなということも感じました。

■人生を楽しむコツは幸運だと思うこと

Q:動物園のシーンも楽しそうでした。動物には好かれる方ですか? それとも敬遠される方ですか?

小林:散歩中の犬がこちらに寄って来るのは、きっとそれはこっちが「あら!」とか言うからで、向こうも喜んで寄って来るみたいな部分はありますよね。うちは猫を2匹飼っているんですが、猫と遊ぶのも結構しつこいから大変なんです(笑)。

原田:夫がアトリエでフクロウと犬を一緒に飼っているんですが、とても相性がいいです。犬は自分から寄って来てくれますが、猫はやっぱり気まぐれなんですか?

小林:猫も猫じゃらしとか持って「遊んで!」ってアピールして来ます。それを投げると、夢中になって走って行ったりしてまるで犬みたいですよ。

Q:では、つらいことや悲しいことも多い人生ですが、それを楽しみに変えるコツとは?

小林:自分は幸運だと思えるようにすることでしょうか。自分がどんなにつらいと思っても、もっとつらい思いをしている人がいるんだと思えば「これぐらいまだまだだよ!」と思えるようになる気がします。

原田:とにかく考えても、悩んでも仕方のないことはちょっと置いておこうと。きっと人生には、時が解決してくれるということも中にはあると思うんです。急には消えない悲しみだったり、考えても仕方のないことは少し置いて、自分が楽しいと思えることをするとか。旅もいいだろうし、友達とおいしいものを食べに行くのもいいと思います。わたしの場合は、小学生のおいとめいがいるので顔を見に行って、一緒にアニメを観るとか、そういうことで随分気持ちが変わったりします。

これが初共演だとは思えないほど、ぴったりと息の合った話を繰り出す小林聡美と原田知世。その名コンビぶりからあっという間に二人の世界に引き込まれた。そして、互いに相手を尊重しながら、自分の言葉でしっかりと質問の答えを導き出している姿に、長年プロとして活躍してきた二人ならではのオーラを感じさせたが、あくまでも自然体の彼女たちがスクリーンで起こした奇跡の化学反応を、ぜひともその胸に焼き付けてもらいたい。

(C) 2011オアシス計画

【小林聡美】ヘアメイク:北一騎(aiutare)、スタイリスト:藤谷のりこ
【原田知世】ヘアメイク:木暮モエ(+nine)、スタイリスト:藤谷のりこ

映画『東京オアシス』は10月22日より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開

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