シネマトゥデイ

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INTERVIEW@big apple

今月は、レイフ・ファインズが初監督を務めた『コリオレイナス(原題)/ Coriolanus』、数々の名作を残してきたジョナサン・デミ監督のイベント、そしてサラ・ジェシカ・パーカーらオールスター・キャストによる『ニューイヤーズ・イブ』を紹介します。

11月3日レイフ・ファインズの前で女性記者の壮絶な質問争いがぼっ発!(リージェンシー・ホテルにて)

『コリオレイナス(原題)/ Coriolanus』

将軍として勲章を受けたコリオレイナス(レイフ・ファインズ)は、母(ヴァネッサ・レッドグレーヴ)の勧めで執政官になる決意するが、市民は権力を振りかざして統治してきたコリオレイナスに不満を抱くようになり、ついには彼を追放してしまう。するとコリオレイナスは、かつての宿敵オフィディアス将軍(ジェラルド・バトラー)に寝返り、自分を裏切った人々への復讐(ふくしゅう)を誓うというドラマ作品。シェイクスピアの悲劇「コリオレイナス」の時代設定を古代から現代にアレンジした意欲作。

レイフ・ファインズ

「ハリポタ」のヴォルデモート卿役でおなじみ、レイフ・ファインズが待望の監督デビュー!/女性記者同士の質問の奪い合いを横目で見ていたレイフは何を思ったのか……? くわばらくわばら

この日、ニューヨークのダウンタウンで1時半から『アナザー・ハッピー・デイ』の主演エレン・バーキンと、エズラ・ミラーにそれぞれ30分ずつの取材をしてから、3時半にイギリスの名優レイフ・ファインズが監督、出演を兼任した『コリオレイナス(原題)/ Coriolanus』を取材する予定だった。ところが1時半開始予定の取材が押して2時05分にスタートし、取材現場を出たのが3時10分。慌てて記者仲間4人とタクシーをつかまえてミッドタウンへ移動することに。ところが渋滞でなかなか進まず、到着したのが3時35分。5分遅刻してしまった……。だが、ラッキーなことに、その前に行われていたテレビ取材が押していたため、インタビューの時間に間に合った。

そして、レイフ・ファインズが登場。この映画で、彼はスキンヘッドでコリオレイナス役を演じているのだが、取材時にはすでに髪の毛は伸びてもとの状態に戻っていた。レイフ・ファインズの隣に座っていた記者がそのことを指摘すると、「髪も伸びたけれど、実はひげもずっと伸ばしていたんだよ」とのこと。なんでも、『ハリーポッターと死の秘宝 Part2』のプレミアが開催された7月から、今回の取材の1週間前までに至る、ほぼ4か月もの間ひげをそっていなかったらしく、iPhoneで髭の伸びきった時期の写真を見せてくれた(写真は全くの別人に見えるくらい髭が伸びていた……)。そんな和やかな雰囲気で取材が開始すると、まず彼は、この作品が大掛かりな企画であるものの、予算が少なかったために、撮影を東ヨーロッパで行ったことを明かし、シェイクスピアの戯曲「コリオレイナス」を現代化した『ラスト サムライ』『クラディエーター』の脚本を手掛けたジョン・ローガンの仕事ぶりに感心していた。そこまではスムーズにインタビューが進行していたのだが、Examiner.comに執筆している黒人女性記者カーラとW.E.N.N(ワールド・エンターテインメント・ニュース・ネットワーク)の白人女性記者ロビンが、質問の奪い合いを始めたものだからサァ大変……!

彼女たちは、この映画の前に取材した『アナザー・ハッピー・デイ(原題)/ Another Happy Day』でも、同じラウンド・テーブル席に座り、その際にもカーラがエレン・バーキンに2問続けて質問したにもかかわらず、さらに3問目の質問しようとしたときに、ロビンが「あんた、2問続けて質問しているんだから、もう質問しなくて良いでしょ!」と激怒したのだが、なんとカーラはロビンを無視して3問目を質問し、気まず~い空気に……。そして、レイフの取材でまたも質問の奪い合いに。そこで常識のあるロビンが、カーラに質問を譲ったのだが、カーラは「どっちでもいいけど」と捨てゼリフをはいた。どっちでもいいなら、譲ってあげてもいいじゃないかと思うのだが……。このカーラという女性の非常識な振る舞いには、僕だけでなく多くの記者が悩まされていた。と、一悶着(もんちゃく)あったのち、レイフは「映画の撮影中、母親を演じたヴァネッサ・レッドグレーヴが素晴らしい演技を披露してくれていたので、彼女の邪魔にならないよう自由に演技をしてもらったんだ」と、監督としての仕事を振り返った。さらに俳優としては、コリオレイナスがジェラルド・バトラー演じるかつての宿敵オフィディアス将軍と派手に戦うシーンのために、肉体を鍛え上げたそうで、「彼(ジェラルド)に負けないくらい立派な動きをしていただろ!」と誇らしげに語っていた。そして僕がレイフに、「これまで共に仕事をしてきた監督から学んだ点は?」と質問すると、レイフは結構長い返答をしてくれた。僕としては、映画『シンドラーのリスト』の演技が強く印象に残っていて、いろいろ主張するタイプの俳優に思えたが、落ち着いた口調で丁寧に質問に答える姿には好感が持てた。

11月4日質問がへたくそな司会者にジョナサン・デミ監督も困惑!(IFCセンターにて)

ジョナサン・デミ作品

トーキング・ヘッズのライブを収めたドキュメンタリー、『ストップ・メイキング・センス』でメガホンを取り、のちに映画『羊たちの沈黙』や『フィラデルフィア』などヒット作を手掛け、巨匠となったジョナサン・デミ監督の1時間にわたるQ&Aセッションが、ニューヨークのIFCセンターで行われた。

ジョナサン・デミ

観客からの質問に丁寧に答える、『羊たちの沈黙』の巨匠ジョナサン・デミ/巨匠に取材できる貴重なチャンスが台無しに!! もっとマシな司会者だったら……と悔やんでも悔やみきれないQ&A

ニューヨークのIFCセンターで開催されていたドキュメンタリー映画の祭典、「DOC NYC」で、新作『アイム・キャロライン・パーカー(原題)/ I'm Carolyn Parker』を出品していたジョナサン・デミ監督は、同作を紹介するだけでなく、1時間に及ぶQ&Aセッションにも参加することになっていた。最初はIFCのパブリシストにこのイベントのチケットを手配してもらおうと思ったのだが、1時間ものQ&Aセッションを記事にするのには相当時間がかかるし、先週までの取材記事もたまっているうえに、パブリシストから執筆記事の報告を要求されるのも面倒だと判断した僕は、あえて自分でチケット購入することに……。ちなみに、『羊たちの沈黙』に影響を受けた僕は、このイベントを楽しみにしていて、当日30分前に会場に着くと、列の一番最初に並ぶことができた。しかし、会場に入ったら、意外にも席は半分くらいしか埋まっていなかった。意外と宣伝をしていなかったのかもしれない……。

このイベントの司会者は、ニューヨーク・マガジン誌のデイビッド・エデルシュタインであった。このデイビッドは、去年の同イベントで、温厚なドイツの巨匠ヴェルナー・ヘルツォーク監督に変な質問をして怒らせてしまい、質問に答えてもらえないというハプニングをやらかしていた。にもかかわらず、なぜ性懲りもなくデイビッドが司会を務めるのかと不審に思っていたら、どうやらこの「DOC NYC」のスポンサーを務めていたのがニューヨーク・マガジン誌だったようだ……。始まってすぐ、デイビッドはデミ監督の新作『アイム・キャロライン・パーカー(原題)/ I'm Carolyn Parker』について質問し始め、続いてドキュメンタリーの制作スタイルや、同じドキュメンタリー映画の『ストップ・メイキング・センス』に話が及んでいった。ここまでは順調で、その先は過去の名作について触れるだろうと思っていたら、再び『アイム・キャロライン・パーカー(原題)/ I'm Carolyn Parker』に話が戻り、「もし自分がドキュメンタリーを制作したら、どのようなアドバイスをくれるか」という個人的な質問までし出した。

その後、結局1時間のうち約40分以上もドキュメンタリー映画の話だけで、誰もが期待していた『羊たちの沈黙』『フィラデルフィア』など数々の名作に関する質問はまったくしなかったのだ……。そしてようやく観客が質問できるようになったころ、記事の内容に危機を感じた僕は、慌てて『羊たちの沈黙』の質問をしたのだった。僕の質問は、『羊たちの沈黙』はこれまで原作者トマス・ハリスが執筆した小説を基にした映画『刑事グラハム/凍りついた欲望』などとはまったく違った連続殺人犯映画のアプローチで手掛けていることについて。その質問にはデミ監督も、喜んで長い返答をしてくれた。だが結局長いQ&Aの中で、デミ監督の長編作品の質問をしたのは僕だけだった。他に映画『フィラデルフィア』や『サムシング・ワイルド』といった作品で相当面白い撮影エピソードが聞けるかもしれないと期待していた僕は、このデイビッドの要領を得ない司会ぶりに失望を通り越して怒りさえ感じた。ちなみに、僕と共にこのイベントを訪れた友人記者も「彼は最悪の司会者だ!」と憤慨していた。そんな中で、どんな質問にも快く答え、イベント終了後もずっと時間をかけて観客に応対していたデミ監督のこまやかな心配りを考えると、この司会は赤点だった。

11月9日サラ・ジェシカ・パーカーに「ファッション関連」はNG!?(ウォルドフ・アストリアにて)

『ニューイヤーズ・イブ』

大みそかのニューヨークを舞台に、さまざまな事情を抱える8組のカップルや親子の関係を描いた、『バレンタインデー』のゲイリー・マーシャル監督ならではの個性が光るアンサンブル映画で、キャサリン・ハイグル、ザック・エフロン、ヒラリー・スワンク、ミシェル・ファイファー、ロバート・デ・ニーロら人気スターが大挙して出演した話題作。

サラ・ジェシカ・パーカー

サラ・ジェシカ・パーカーら豪華キャストが集結したアンサンブル・ドラマ『ニューイヤーズ・イブ』(12月23日公開)/タイトな取材時間を察してか、的確かつスムーズに質問に答えてくれたサラに感謝!

ここのところ、大物俳優の単独取材をしていなかった僕は、日本の映画雑誌「CUT」に執筆されている中村明美さんのコーディネートを通し、ワーナー・ブラザースの配給作品『ニューイヤーズ・イブ』に出演するサラ・ジェシカ・パーカーの単独取材を依頼され、喜んで引き受けた。この単独インタビューは、12月公開に備えた日本のテレビ番組用の取材で、僕を含めたNYやLAの記者たちが参加した。そのため、事前にそれぞれのテレビ番組用に5問の質問が用意された。僕の担当は日本の情報番組「とくダネ!」で、比較的OLなどの視聴者が多いらしく、番組用に送られてきた質問内容は、「セックス・アンド・ザ・シティ」やファッションに関する質問だった。不安だったのは、当初15分程度を予定した取材時間が、わずか10分になってしまい、この短い時間で番組用の5問の質問以外に、僕が執筆しているシネマトゥデイ用の質問もせねばならなかったこと。さらに追い打ちをかけるように、前日に予定されていた試写もフィルム・プリントが間に合わず、結局映画を観られないまま取材することに……。もっとも、映画を観ずに取材したことは過去に何度かあったため、動揺はしなかったのだが。

当日、ウォルドフ・アストリアに着くと、我々のチェックインの予定時間よりも早くサラ・ジェシカ・パーカーが来ていたらしく、テレビ番組の取材のあとに予定されていた雑誌系の取材を先に行っていた。母親としても忙しいサラ・ジェシカ・パーカーは、早めに来て取材を終わらせようとしていたらしく、残り1時間半くらいで日本の7つのテレビ番組をこなすことになった。僕はちゃんとインタビュー時間を与えられるなら、それでも問題ないと思っていたのだが、僕の前にサラに取材した記者たちが「ファッション系の質問はしない方がいい」と言ったため、一気に不安に……。おそらくサラはファッション系の質問に飽きているのかもしれないが、僕のテレビ番組用の質問では必須事項なのだからしないわけにはいかない。そこで「セックス・アンド・ザ・シティ」関連の質問3問とファッション関連の質問1問を、どのように切り出そうか考えていたとき、僕の出番になってしまった……。

部屋に入り、サラに挨拶すると彼女は笑顔で握手してくれた。まず僕は、最初に子育てについて母親としての観点を聞き出し、少しオープンな会話をしてから日本のユニクロがニューヨークに進出してきている話をして、その流れでファッション関係の話に触れていった。すると、サラは快く質問に応じてくれた。しかし、その時点でパブリシストが残り5分のインタビューの合図を出した。「まだ2問しか質問していないのに!!」と、かなり焦ったが、そこからはテレビ用の3問の質問を2問にまとめ、他に自分が用意していた質問を切り出した。サラは僕のペースに合わせて的確に短くまとめながら返答してくれ、結局テレビ用以外に5問も質問できた。さすが、取材慣れしている。これまでに何度も聞かれた質問だったかもしれないが、彼女は終始プロに徹していた。一応、この取材用に食事が用意されていたが、珍しく緊張していたのか小さなケーキしか食べられなかった。サラは、子どもの話になると笑顔で話していたのが印象的だった。

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