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原田知世&大泉洋
『しあわせのパン』
誰かと分け合うことで、幸せが広がっていくといい
『しあわせのパン』原田知世&大泉洋 単独インタビュー

取材・文:平野敦子 写真:尾藤能暢

北海道の季節ごとの自然とおいしそうな料理が話題の映画『しあわせのパン』。洞爺湖畔で「カフェマーニ」を開いた夫婦と、彼らとかかわりを持つことになる、さまざまな事情を抱えた客たちとの結び付きを温かく描いている。デビュー30周年を迎えた今もみずみずしさを失わない原田知世と、セリフが少ないながらも心優しい夫を好演した大泉洋が、北海道のおいしい食べ物や、撮影中のエピソードについて大いに語った。

■料理好きが二人の共通点!

Q:映画には次々とおいしそうなパンや料理が登場しますが、撮影中に体重は増えましたか?

原田知世(以下、原田):体重計に乗っていないのですが、多少顔はふっくらしたと思いますね。

大泉洋(以下、大泉):本来ならば撮影中に俳優が太ったりしてはいけないんでしょうけどね。でも、撮影中はみんな「おいしい、おいしい」と言いながら、たくさん食べていましたよね。

原田:北海道出身の大泉さんがいらっしゃったので、いろいろな人からおいしいものがたくさん届いたんです。どれもとてもおいしかったので、栄養をもらいすぎました(笑)。

Q:お二人は、料理は好きなんですか?

大泉:好きですね。これという得意料理はないんですが、パスタが好きですね。あと、寒い季節は煮込みとかもいいですよね。

原田:わたしもよくパスタは作りますね。あとはスープや煮込みも。基本的に食べることが好きなので、おいしいものを食べると「これはどうやって作っているんだろう?」と思うんです。それで家に帰ったら、少しアレンジしつつ、その料理を作ってみたり。料理番組を見ていても、「あ、これにあれをプラスしてみよう!」とか思い付くのが楽しいんです。

大泉:料理番組って、つい「うわ、うまそう!」と思うと作りたくなりますよね。

原田:先ほども大泉さんが雑誌をぱらぱらとめくっていらっしゃったんですが、最初に開くのが料理のページなんですよ。わたしもまったく同じタイプなので、お互い似た者同士というか(笑)。料理は見るのも作るのも食べるのも好きです。

■落ち込んでも、傷ついてもきっと大丈夫!

Q:心温まる反面、現実の厳しさも描かれた作品だと思うのですが、お二人が困難を乗り切るコツはありますか?

大泉:僕は人生には良いことと悪いことは同じだけあると思っているんです。良いことが起きたときにはそういう考え方はしないんですが、悪いことが起きたときには、「あら、もしかして次は良いことが起きちゃう!?」と思うんですよ。

原田:それいい! とても前向きですね。

大泉:だからコツは、悲しいことがあっても、良いことがあると考えることですかね。

原田:わたしは、今はとても苦しくてつらいけれど、やまない雨はないように、絶対にいつか晴れるときが来るから大丈夫! と思うようにしています。そういう経験が自分をより強くしてくれるだろうし、そのおかげで人にも優しくなれるような気がするんですよね。

大泉:原田さんは、どーんと落ち込んだり、深く傷ついたりすることもあるんですか?

原田:もちろんありますよ! ……でも、いつの間にか普段の自分に戻ってる(笑)。どんなにつらくても元の状態に戻れる強さというものを人間は持っているんだと思います。前を向いて歩いて行くという気持ちさえあればきっと大丈夫です!

Q:この作品で演じるときは、どのような気持ちだったんですか?

原田:わたしが演じたりえさんは、夫の水縞くんが自分のことを見つめてくれているのを十分感じていて、とても幸せだと思っているんだけれど、どこか埋められない何かがあって、心の奥に鍵をかけてしまっている。だけど、月浦という素晴らしい場所に連れて来てもらって、時間をかけて根気よく水縞くんが見つめてくれたことや、ここでの出会いによって少しずつ鍵が開いていく、というか……。

大泉:僕は、男にしてはそういうことを割と敏感に感じてしまうタイプなので、そういうりえさんのことを思う水縞くんの気持ちというのはよくわかったんですよ。だからといって、強引にりえさんのすべての不安を自分の力で取り除いてあげるのではなくて、水縞くんはただ見守り続けてあげるだけ。そういう彼の心情は、演じていても本当に切なかったですね。「あぁ、奥さんにこんな表情されたら不安だわ!」とか(笑)。

■羊との共演に悪戦苦闘!

Q:今回、お二人は普段と比べてせりふが少なかったようですが、そのことはストレスになりませんでしたか?

大泉:「おれにもっとしゃべらせろ、この野郎!」とは思わなかったですよ(笑)。でもやっぱり、しゃべらずに心情を表現して、それを相手にわかってもらう芝居というのはとても難しいですよね。三島(有紀子)監督がそのことをよくわかっていらっしゃったので、とても助かりました。

原田:わたし自身は、あまり大きな表情に出したり、せりふがあるわけでもないんだけれど、日々の出来事の中で微妙に変化していく様子を大切に演じられたらいいのかなと思っていました。

Q:大泉さんは動物が大の苦手だと聞きました。羊との共演は平気でしたか?

原田:もう、本当にがんばっていらっしゃって! 羊の毛を刈るシーンでは、それこそ必死に追いかけていたんですよ。あのシーンは1回だけしか撮影できませんから、大泉さんはきっと死ぬ思いでやっていらっしゃったと思います。

大泉:あの羊はかわいかったので、大丈夫でしたよ! テレビのバラエティー番組で、みんな、僕が動物が苦手だとかいうことを知っていますからね。きっと僕が羊とじゃれていると「がんばってるなぁ!」と思われるんでしょうね(笑)。

■一番ほっとするのは自分の家!

Q:お二人がカフェマーニのように、くつろげる場所はどこですか?

大泉:家ですかね。最近子どもが生まれたばかりなんですが、「大泉ワンマンショー」という公演を一か月もやっちゃったもんですから、ホテル暮らしが続いちゃったんですよ。だから子どもには1週間ぶりに会えるという感じで……。

原田:でも、子どもに会うだけで癒やされるんじゃないですか?

大泉:そうですね。だから、マネージャーは「子どもに会って癒やされるから疲れも吹っ飛んだでしょ?」と言うんですが、疲れは吹っ飛ばないですから(笑)。

原田:(笑)。わたしも、やはり自分の好きなものに囲まれた家に帰るとほっとしますね。映画の水縞夫婦もそうでしたが、「平凡だけれど幸せだな」と何でもない日に思えるというか。愛犬が幸せそうに昼寝をしているのを見ているだけでもハッピーな気分になったりしますしね。

Q:この作品を通して一番伝えたいことは何でしょう?

原田:誰かと一緒にいることで見えてくるものもありますし、いろいろなことを分かち合いながら共に生きていくというのはとても素晴らしいことだと思います。それをまたほかの誰かと分け合うことで、幸せが広がっていくといいなという気持ちが伝わるといいですね。

大泉:僕は自分が出演した作品で明確に何かを伝えたいとかはそんなに思わないんですね。自由にいろいろと受け取ってもらえればと思います。ただ、この映画を見終わったときに、ふっと肩の力が抜けるような、少しだけ疲れがとれるような効果が僕自身はあったので、この作品をご覧になった方々の日々のストレスや、イライラが少しでも軽くなって、気が楽になってもらえたら素晴らしいと思います。

まるで映画の中の夫婦のように、お互いをそっと気遣いながら話をする原田知世と大泉洋。この二人が醸し出す柔らかな空気にふんわりと包まれているのが何とも心地いい。彼らはプロの俳優であると同時に、ほかの人間同様、悩んだり、傷ついたりもする。そんな二人の人生経験や生きざまも見事反映された『しあわせのパン』を通して、少しでもハッピーな気分になってもらいたい。

【原田知世】
スタイリスト:タンナイ ミサ
ヘアメイク:木暮モエ(プラス ナイン)
【大泉洋】
スタイリスト:勝見宜人
ヘアメイク:白石義人

(C) 2011『しあわせのパン』製作委員会

映画『しあわせのパン』は2012年1月21日より北海道先行公開 1月28日より全国公開

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