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レオ主演の『J・エドガー』がノミネートされなかった理由!?

初めてこの映画を観たとき、レオナルド・ディカプリオの演技はもちろんのこと、共演のアーミー・ハマーナオミ・ワッツ、そして名優ジュディ・デンチらの演技も称賛に値すると感じました。でも、どうしても感情移入をスムーズにできないバリアがこの映画にある気がしました。

その理由は特殊メークの不自然さではないかと思いました。

これはもちろん個人的意見ですが、秀作であるにもかかわらず、レオの主演男優賞、クリント(・イーストウッド)さんの監督賞も含め、『J・エドガー』がアカデミー賞ノミネーションをことごとく逃した理由について、考えてみたくもなります。皆さんはどう思われますか?

主演男優賞は、渋オトコ参戦で三つどもえ!?

今年のアカデミー賞は予想しやすい、というのが一般的見解だったはずですが、フタを開けてみたら意外なチョイスが入っていて、授賞式を目前に面白いレース展開になってきていますね!

特にゲイリー・オールドマンの主演男優賞ノミネーション! これはファンにとっては非常にうれしいサプライズでした。1986年『シド・アンド・ナンシー』で注目を集めて以来、たくさんの作品に出演し主役でも脇役でもキレのある演技でいつもファンを魅了してくれました。優秀なアクターなのにクセのある役柄が多かったせいか、今の今までアカデミー賞にはとんと無縁。それだけに今回のノミネーションは最高にワクワクです。出演したスパイ・ドラマ『裏切りのサーカス』でゲイリーが醸し出す静かで重厚な演技は高い評価を得ています。

前回のハリコンで、主演男優賞バトルは、ジョージ・クルーニーVS.ジャン・デュジャルダンの二人と書きましたが、ここにゲイリーを加えさせていただきます!

いぶし銀バトル! 助演男優賞はコノ二人のどちらか!?

主演男優賞候補に「渋オトコ」の力で(?)ゲイリーがくい込んでいますが、こちらも負けてはいません。助演男優賞候補にノミネートされた5人の中で50歳以下はなんとジョナ・ヒルただ一人。ケネス・ブラナー51歳ニック・ノルティ71歳クリストファー・プラマーマックス・フォン・シドーに至っては82歳と、助演男優賞争いは「いぶし銀」の戦いとなっています。

実はわたし、マックス・フォン・シドーの大ファンなんです。皆さんはスティーヴン・キング原作の同名映画化作品『ニードフル・シングス』を観たことありますか? マックスが悪魔役で出ていて(『エクソシスト』では悪魔払いする神父役だったのが皮肉!)、彼の「これぞ渋さの神髄」という演技に、一発でほれ込んでしまったのです。

意外なことに、長い俳優生活でマックスは一度もオスカー像を獲得していません。高齢なこともあるのでぜひ受賞してほしいんですが、それを言ったら同い年のクリストファー・プラマーとて同じこと。アカデミー賞候補になったのは今回で2度目、いずれも受賞経験なしという、甲乙つけ難い両者です。

ところが、ゴールデン・グローブ賞、そして1月末に発表されたSAGアワード(全米映画俳優組合賞)立て続けにクリストファーに軍配が上がっており、マックスのファンとしては彼の肩を持ちたいのですが、この流れからすると『人生はビギナーズ』で笑わせ泣かせてくれたクリストファーが優勢かな、と……。

アカデミー賞を総合予想すると……

前述のSAGアワードは、アカデミー賞予想に欠かせないといわれる映画賞の一つで、作品に対してではなく演技に対して贈られる賞です。アカデミー賞候補ノミネーションもサプライズずくめでしたが、このSAGアワードでも番狂わせがありました! 2011年最高のヒットとなった作品の1本、『ヘルプ ~心がつなぐストーリー~』が主演女優賞、助演女優賞、そしてSAGの最高賞といわれるキャスト賞(=俳優たちの演技を総合的に評価して贈られるグループ賞)を受賞するなど、SAGアワードの主役的存在となりました。授賞式から一夜明けると、いかに『ヘルプ ~心がつなぐストーリー~』アカデミー賞で目玉になるかを誰もがうわさすることに。

ただアカデミーの最高賞といえる作品賞となると、『ヘルプ ~心がつなぐストーリー~』は果たしてどうだろうかというのが正直なところです。 マーティン・スコセッシ監督初の3Dファンタジー作品『ヒューゴの不思議な発明』最多11部門にノミネートされたことは全米で大きな話題になりました。それまで作品賞を含めアカデミー賞の最有力候補だった『アーティスト』ジョージ・クルーニー主演『ファミリー・ツリー』の受賞に多少影がさしたように感じられます。

アカデミー会員たちはすべてが映画を愛する人たち。映画への心からのオマージュになっている『ヒューゴの不思議な発明』は、映画を愛する人間であれば感銘を受けずにはいられない作品です。『アーティスト』も古き良き映画へ敬意と愛情を表し会員たちに訴える要素は十分ですが、フランス映画であることと白黒サイレント作品ということが最終的に吉と出るか凶と出るか……

いずれにせよ、アカデミー会員たちの年齢や傾向を考えると作品賞争いは今やこの2作品のデッドヒートになるのではないか思われます。今年のオスカー争いは最後の最後まで目が離せない状況です。

現地時間2月26日(日)の授賞式にこうご期待!
(取材・文 神津明美 / Addie・Akemi・Tosto)

About Addie

高校留学以来ロサンゼルスに在住し、CMやハリウッド映画の製作助手を経て現在に至る。アカデミー賞のレポートや全米ボックスオフィス考など、Yahoo! Japan、シネマトゥデイなどの媒体で執筆中。全米映画協会(MPAA)公認のフォト・ジャーナリスト。
日本語ツイッター始めました!→@akemi_k_tosto

今年もアカデミー賞ノミネーション発表に「およばれ」で行ってきました! 何度行ってもあのサミュエル・ゴールドウィン劇場はすてき。一昔前ですが、わたしの作った短編映画、実はあそこで上映されたことがあります!(*^^*)v

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