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阿部力、ケンドーコバヤシ、鈴木亜美
『ゴーストライターホテル』
現場はまるで笑いの我慢大会!?
『ゴーストライターホテル』阿部力、ケンドーコバヤシ、鈴木亜美 単独インタビュー

取材・文:くれい響 写真:佐藤学

明治初期に建てられた幽霊ホテル「本天堂」を舞台に、一冊も小説を書き上げたことのない作家志望の青年と、かつての文豪の幽霊たちとの交流をコミカルに描いた『ゴーストライターホテル』。世界のナベアツ(桂三度)の夏目漱石や、カンニング竹山の江戸川乱歩など、人気のお笑い芸人たちが従来のイメージを打ち崩す文豪を演じた、この“文科系コメディー”で、主人公を演じた阿部力をはじめ、ケンドーコバヤシ、鈴木亜美の三人が登場。異色の経歴を持つ監督の下で繰り広げられた、アドリブ満載の撮影秘話などを語った。

■ケンコバを凹ませたのは「生涯童貞」の文字!?

Q:それぞれが演じた役柄と、その人物を演じるために行ったリサーチがあれば教えてください。

阿部力(以下、阿部):僕が演じたのは作家を夢見ながら、なかなかうまくいかない内海という男。あまりコメディーの経験はないのですが、台本を読んだとき、スゴくかわいらしいコメディーになると思いました。周りのキャラがあまりにも濃いので、僕はなるべく目立たない芝居をした方がいいのかな、と思いました(笑)。

鈴木亜美(以下、鈴木):わたしが演じたのはマジメすぎる性格ゆえにダマされやすく、でも、ひたむきに頑張っている、ゴーストライターのめぐみちゃん。今までの役もメガネ率が高かったのですが、今回もメガネっ子の設定(笑)。周りの方がコメディー慣れしているというか、本職の方ばかりなので、演じるというより、皆さんの流れに身を任せて演じようと思いました。

ケンドーコバヤシ(以下、コバヤシ):僕は宮沢賢治の幽霊を演じたんですが、スタッフからいただいた資料に、「生涯童貞」と書いてあったので役づくりに関してはあきらめました(笑)。また、彼は春画フリークで、Hな本を集めていたそうですが、僕はそういうものに一切興味ないですよ……いや、これはウソです。僕もエロ大好きです(笑)。

Q:伊東寛晃監督は、これまでテレビ朝日の人気番組を手掛けてきたディレクター&プロデューサーですが、ほかの監督との違いみたいなものはありましたか?

鈴木:「ミュージックステーション」や海外ロケの特番で、彼がディレクターさんだったころによくお世話になっていたんです。久しぶりにご一緒させていただいたのですが、当時のわたしはお芝居をしていなかったので、ちょっと照れくさい感じがしましたね。

コバヤシ:「テレビ朝日で見かける、あのおしゃれな人は誰だろう」と思っていたら、それが伊東さんでした。この仕事の後、「ミュージックステーション」に僕が大好きなKARAが出るとき、リハーサルを見せてもらえる、という特権を2度も得ることができました。だから僕にとっては運命的な出会いなんです!

阿部:(笑)。僕は監督と初めてお仕事させていただいたんですが、バラエティー番組を作っている方の演出、という印象は特になかったですね。

■“芸人ならではの自己防衛”がさく裂した現場

Q:ケンコバさんをはじめ、お笑い芸人が集結した作品だけに現場はさぞにぎやかだったでしょうね。

阿部:僕が言うのもなんですけど、皆さん演じているんだけど、ちゃんと自分のキャラというか、味みたいなものを出していらっしゃるんです。だから、どのシーンも笑いをこらえるのが辛かったです(笑)。それがスゴく新鮮で、今までにない感覚を味わえました。

鈴木:わたしは(ベストセラー作家役の)池田(鉄洋)さんとの絡みが多かったんですけど、以前、お仕事でご一緒させていただいたことがあったので、今回もどれだけ笑わせてもらえるのか、すごく楽しみにしていたんです。現場では、いかに面白くやれるか、ということを本番ギリギリまで悩んで、本番で一気に爆発していました。そうやって、コメディーを追求する姿は勉強になりました。

Q:笑いをこらえるのが大変ですよね。そんな現場の楽しげな雰囲気が、映画から十分伝わってきます。

阿部:テストと本番で違うセリフをおっしゃったり、皆さんアドリブをどんどん入れてくるんです。映画を観ていただければわかると思うんですけれど、結構笑っちゃっているシーンがそのまま使われていたりするんですよ。

コバヤシ:でも、そういうふうに毎回セリフが違うのは、ちゃんとセリフを覚えていないのをゴマかすためだと思うな。きっと、芸人ならではの自己防衛なんですよ(笑)。撮影では、(太宰治を演じた、フルーツポンチ)村上のセリフ言えない感じとかスゴく面白かったよね。「おれはいいよ」みたいな大して難しくないセリフなのに、緊張して言えないという(笑)。

■世の中のダメ男くんに勇気を与える映画

Q:会ってみたいあこがれの偉人は……?

阿部:僕はマイケル・ジャクソンかな? やっぱり「キング・オブ・ポップ」の異名を持つ方ですし、自分が物心ついたときから聴いていました。一体どんな方なのか、ゆっくりお話してみたいですね。

鈴木:わたしはマリリン・モンローです。1950年代から60年代のファッションや、ヘアメイクにも興味がありますし、あの時代のアイコンといえば、彼女だと思うんですよ。愛に生きたプライベートも含めて、あそこまでの女優さんはいないと思います。

コバヤシ:僕はジャイアント馬場さんですね。この業界に入ってから、お会いしたことはないんですよ。どのレスラーよりリング映えした方でしたし、彼は水戸黄門マニアだったので「番組終わりましたよ」と言って、「(モノマネで)ウソっ?」と言わせたいですね。

Q:最後に、この映画のおススメの楽しみ方がありましたら教えてください。

鈴木:阿部さんが演じた主人公って、かなりダメ男くんだと思うんですよ。でも、世の中のダメ男くんに勇気を与えるような映画になっています。たくさん笑って、最後のオチで……ズッコケてほしいです(笑)。

コバヤシ:上映直前に、首から上がビデオカメラという奇妙な男がブレイクダンスを踊る映像(映画盗撮防止キャンペーン)が流れると思いますが、決しておびえないでください! 写真に写った宮沢賢治の何げない表情やポーズをマネしようとすると、これが結構大変なんですよ。そもそも骨格が違いますから……。そんな中、僕が相当無理してなり切っているところに注目してください。

阿部:たくさんの芸人さんが出ていらっしゃるので、これから映画を観に行くぞ、と構えなくてもいいと思うんです。フラッと劇場に立ち寄って、大いに笑いながら楽しんでいただけたらうれしいですね。

明らかに、ここに書けない内容のアドリブなど、サービス精神あふれるケンコバ(当日の衣装は、劇中のもの)を中心に、常に笑いが絶えなかった今回の取材。そんなアットホームな雰囲気は、まるで阿部が演じた主人公同様、幽霊ホテルの一室にいるかのよう。あまりコメディーのイメージがない阿部、鈴木のフッ切れた演技も見どころの本作は、セリフなど、国内外の文学作品へのオマージュもたっぷり込められており、それを発見する楽しさも。さらに、まさかのハートウオーミングな展開など、極上のエンターテインメント作品に仕上がっている。

(C) テレビ朝日 / 吉本興業

映画『ゴーストライターホテル』は3月17日より全国公開

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