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こはたあつこのうわさの現場潜入ルポ
ハリウッドで活躍する大阪出身のワンちゃん!の巻

取材・文・写真:こはたあつこ

『ハリポタ』シリーズの白フクロウのヘドウィグや、『ミート・ザ・ペアレンツ』シリーズロバート・デ・ニーロがかわいがっていた猫のジンクス。また、『エバン・オールマイティ』でノアの箱舟に参加した動物や、『101』(「101匹わんちゃん」の実写映画版)」のワンちゃんたち。まるで人間と同じように演技をしているように見えます。実はこれ、みな動物トレーナーのおかげなんです。

今回は、ハリウッド映画業界で50年以上の歴史を誇る、動物タレント&動物トレーナーの事務所、Birds and Animals Unlimited(バーズ&アニマルズ・アンリミテッド)に潜入!

すべてのカギの握る女性

ロサンゼルスから1時間半ほど北にあるアクトンという田舎町。ここにバーズ&アニマルズ・アンリミテッドの事務所と牧場があります。この会社、上記の作品はもちろん、たくさんの映画やCMに動物を提供。また、ロサンゼルス以外にも、フロリダ、ニューヨーク、ロンドンに事務所を持ち、全体で100以上の動物を扱っているそうです。アクトンの牧場に、犬、鳥、ハツカネズミ、リス、ペンギンなど、20種類ほどの動物がいるそうです。

山に囲まれた田舎道を歩いていくと、今日のガイド、動物トレーナーのゲアリー・ムイさんが温かく出迎えてくれました。

あっと驚く「ハリウッド」の地名の由来!

そんなゲアリーさんがまず紹介してくれたのは、かわいいワンちゃん、ボルト。いかにもアメリカっぽいルックスなのに、何とボルトは大阪生まれだそうです! 実は、この会社、アメリカと大阪のユニバーサル・スタジオの動物ショーも手掛けていて、その関係でゲアリーさんが大阪に滞在していたときに出会ったそう。ボルトの名前は、日本のトレーナーさんがジャマイカの陸上選手ウサイン・ボルトにちなんで付けたそうです。

「彼ほど動物タレントに向いている犬は見たことがない」とゲアリーさん一押しのワンちゃんです。

トレーニング用の小道具が並ぶ部屋で、ボルトの訓練の内容を説明してくれました。まずは、カメラのフレームに収まるための訓練。立ち位置を指定した床の丸印のところにボルトが来ると、そこでピタっと止まるんです。

また、トローリーカメラ(クレーンカメラ)のダミーもあって、撮影中にカメラが近づいても、それを見ないようにする訓練も。 また、スーパーボウルで注目されたCMでは、ペット用ドアにハマって抜けられない犬のシーンがあるのですが、そのからくりも見せてくれました。ゲアリーさんが号令を掛けると、ボルトはそのドアに頭だけ出して、体を押したり引いたりします。この動作が映像だと、「ハマって抜けられない」と映るんです。うまくできるとゲアリーさんがご褒美のおやつをあげて、トレーニング完了。

ボルトと一緒に写真を撮ろうと隣に並んだら、まるでタレントのようにカメラに集中するんです! 普通のワンちゃんとは違う気迫があって、「仕事しています!」という真剣さが伝わってきます。

「この種類のワンちゃんは『仕事』が好きなんです。ボルトは、遊んでいるだけだと飽きちゃうんですよ」とゲアリーさん。

ワシを抱えたトレーナーのトニーさんに遭遇。このワシはサンドラ・ブロック主演の『あなたは私の婿になる』で、ペットのワンちゃんをつかんでさらっていくというシーンに登場したそうです。でも、その動作をワシが覚えるのに3か月のトレーニングが必要だったそう。というのも、普通、ワシは地上の動物を見つけると、急下降して攻撃し、その場で食べるからだそうです。野生では、獲物が重いため、わしづかみして飛んでいくことはまずないんだそうです。うーん、ワンシーンを撮るのも結構大変なんですね。

お次はリス。ティム・バートン監督の『チャーリーとチョコレート工場』に登場したジョージくんです。劇中では、工場内でクルミをカラカラ鳴らして、良いクルミと悪いクルミを振り分けるシーンに出ていました。20匹ほどのリスにその動作を覚えてもらって、撮影したそう。その後、CGでリスの数を増やしたそうです。普通、リスは攻撃的で、エサをあげるときも注意しないとかまれちゃうんだそうです。「でも、リスのジョージは優しかった」とゲアリーさん。

そしてペンギンのおうちも見せてもらいました。カップル2組がそれぞれの住居で仲むつまじく暮らしています。池もあって、楽しそう! このペンギンたちはジム・キャリー主演の『ポッパーさんとペンギン・ファミリー』のレッドカーペット・プレミアに登場。実際に映画で使われた南極のペンギンは、カリフォルニアの温暖な気候には向かず、レッドカーペットを歩くのは無理ということで、暖かいところに住むタイプのこのペンギンたちが駆り出されたそう。

「ハリウッドサイン」もホイットリー氏の発案だった!

動物トレーナーとしてゲアリーさんが一番苦労したのは、エマ・トンプソン主演の『ナニー・マクフィーと空飛ぶ子ブタ』の子ブタのシーンだったそうです。「馬が引く荷車に子ブタが乗るのですが、僕がブタの下に腹ばいになり、支えていたんです。でも、子ブタというのは、よく居眠りするし、ウンチをするので、大変でした」と苦笑する。

会社の経営をするジェニファーさんにも苦労話が。 「米国動物愛護協会の規制は厳しいので、ゴキブリといえども、撮影のために危害を加えてはいけないんです。ある作品で、200匹のゴキブリの撮影があり、終了後、最後の1匹が見つからなくて、慌てました。結局、カメラのレンズにへばりついているのを見つけたのですが(笑)」。

最後に、ゲアリーさんの夢を聞くと、「今までさまざまな犬をトレーニングしたけど、ボルトほど役者に向いている犬はいない。だからボルトをスターにしてあげたい」と熱く語ってくれました。 そんなボルトはすでに「ハリウッド史上で一番お金を掛けた大作」の撮影を終えたばかりだそう。作品名は極秘ですが、大阪生まれのボルトがハリウッド・スターになる日が近いかもしれませんね!

事務所はこんなところにあります!
床の印のところでピタッと止まるボルト。
ダミーのトローリーカメラ。
ペット用のドアにハマるときの演技。
ワシとトニーさん。
リスのジョージくん。
タキシードを着ているような模様のペンギン。
見てください、この熱々の仲!
日本ではビデオスルーになってしまった『ポッパーさんとペンギン・ファミリー』のポスター。
ハリネズミもいます! でも、臭かったー!
ジェニファーさん。元は動物トレーナー。
事務所にブタがいる!
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