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あのころキミは輝いていた!僕らの80's青春アイドル男優編

前回の「僕らの80's青春アイドル女優編」に続き、今回は男優を大特集! 1980年代に多くの観客を魅了した青春映画の佳作の数々は、今観ても色あせることのない輝きを放っている。懐かしのブラット・パックからハイスクール映画の巨匠ジョン・ヒューズ作品、そしてイギリス映画の美青年まで胸キュンの青春映画をこよなく愛するライターが私的な思い入れと共に語り尽くします!
(文/山縣みどり)

青春映画に出演した俳優たち:ブラット・パック編

C・トーマス・ハウエルロブ・ロウ

ニューシネマの勢いが消滅し、大学で映画を学んだ監督世代が台頭したのが1980年代。若手役者を起用した青春映画の佳作に映画人生を方向付けられたのはわたしだけではないはず。

1985年のニューヨーク誌が取り上げて話題になった“ブラット・パック”(ハリウッドの青春映画に出演した若手俳優の総称)は、わたし的には『アウトサイダー』(1983)が原点。人気ヤングアダルト小説の映画化を望む全米の高校生がフランシス・コッポラに手紙(メールもツイッターもない時代だからね)を書いて実現した夢の企画で、キャスティング段階から固唾(かたず)を飲んで見守り、完成作品を観たときは涙したもの。毎回、違う友人を誘って映画館に通ったもん。勝手にオルグってたわけ。

『E.T.』(1982)で注目していたC・トーマス・ハウエルが『アウトサイダー』でポニーボーイ・カーティス役に抜てきされ、ナイーブな雰囲気で熱演する姿に胸キュン。兄ソーダポップを演じた美尻で売っていたロブ・ロウと共に切り抜きを集めまくった高校時代だった。二人を追って『若き勇者たち』(1984)や『ヒッチャー』(1985)『栄光のエンブレム』(1986)『セント・エルモス・ファイアー』(1985)『きのうの夜は…』(1986)と次々に熱狂。

当時、ロブ&チャドのロウ兄弟とマリブ近辺でつるんでいた2世スター兄弟がエミリオ・エステヴェスチャーリー・シーン兄弟、ショーンクリスのペン兄弟で、今でいうところのヤングハリウッド的遊びっぷりや恋愛模様も夢中で追い掛けたもの。10代の女子はたいていちょっぴりワルな香りがする男の子に憧れるわけで、品行方正なイメージの強いトム・クルーズはわたし的にはNGだった。あと、病的な悪っぽさが感じられるジャド・ネルソンジェームズ・スペイダーも当時はNGスターだったな。

トム・クルーズロバート・ダウニー・Jrマット・ディロンと今も主演級で活躍したり、エミリオのように監督業に活路を見いだす元ブラット・パッカーがいる中、脇役となった人も少なくない。偏愛したハウエルは一時期“B級映画のキング”で鳴らしたが、最近は「24 TWENTY FOUR」第5シーズンや『アメイジング・スパイダーマン』(2012)にちらりと出演。昔の面影が残っている彼を見掛けるたび、竹内まりやの名曲「駅」が頭に浮かぶのだった。

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ハイスクール映画の巨匠:ジョン・ヒューズ編

マシュー・ブロデリックケヴィン・ベーコン

「あなたの夢は何?」と尋ねられ、平気で「プロムに出ること」と言えるわたしにとってハイスクール映画の巨匠といえば、ジョン・ヒューズ。人気ドラマ「Glee」にも通じる、普通よりもちょっとダメっぽい高校生の日常を切り取った等身大の物語に大いに共感させられた。

ヒューズ作品で目立つのはイケメンというよりナード系。例えば『フェリスはある朝突然に』(1986)のマシュー・ブロデリック頭の回転の速さと達者すぎる口先が魅力。チャーミングなキャラとマシューの芸達者ぶりは、映画史上的にも幸運なマリアージュだった。

同じタイプが『すてきな片想い』(1984)と『ブレックファスト・クラブ』(1985)でアンソニー・マイケル・ホールが演じた「人気者になりたい少年」と、『プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角』(1986)のダッキーことジョン・クライヤーだ。モリー・リングウォルド演じる個性的な少女アンディに恋にしているが彼女の幸せのために身を引くダッキーの繊細さにわたしはイチコロ。アンドリュー・マッカーシーを選んだヒロインのその後が気になるところ。ちなみに『すてきな片想い』でギーク少年を演じたジョン・キューザックは今もわたしのお気に入り。てか、彼がヒューズ組では一番ビッグになった?

さてヒューズ組のイケメンといえば『プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角』のマッカーシーと『恋しくて』(1987)のエリック・ストルツだろう。甘いハンサム顔の前者は学校の人気グループに属するお金持ちのお坊ちゃん役だ。流行に流されないエッジィなファッションを愛するヒロインが好きになるにはイマイチ魅力に欠けるが、最後には悪友の誘いを振り切る気概を見せてくれる。マッカーシーはこの1本で当時の少女のヒーローになったといってもいいだろう。

後者もメアリー・スチュアート・マスターソン演じる少年っぽいヒロインの人気が高く、エリック演じるキースはかすみ気味。でも高校生とは思えない彼の愁いを帯びた美貌はそそられるものがあった。とはいえ個人的にヒューズ組ナンバーワンのイケメンは『大災難P.T.A.』(1987)と『結婚の条件』(1988)のケヴィン・ベーコン! 前者は、作家を目指しながら生活のために広告代理店勤務となりもんもんとする、ヒューズの分身である主人公をユーモアとペーソス(=哀愁)を巧みに組み合わせたケヴィンの演技に笑って泣いた。後者の赤ん坊誕生を待つシーンのライティングのわざとらしさも印象的だったしね。

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女子のやおい心を刺激!:ブリティッシュ美青年編

「アナザー・カントリー HDニューマスター版」「モーリス HDニューマスター版」

BLや腐女子なんて言葉がまだなかった1970年代半ば、竹宮惠子先生の名作漫画「風と木の詩」で耽美的な少年愛に覚醒した女子のやおい心を刺激したのが、イギリス産のイケメン俳優だろう。

先陣を切ったのは『アナザー・カントリー』(1983)。1930年代の名門パブリックスクールを舞台に、同性愛に走ってキャリアも人生も台無しにしてしまった男の回想録だ。ルパート・エヴェレットと彼に溺愛されるケイリー・エルウィズの紅顔の美少年ぶりが初々しくもエロく、やおい女子ではなかったわたしも禁忌を犯すかのような淫靡(いんび)さに萌えた。

特にギリシャ彫刻のような美貌が際立つルパートのまなざしにはリアルな光がともっていて、後にカミングアウトしたときも「やっぱりね」としか思えなかった。ルパートが演じた主人公の親友ジャドを演じたコリン・ファースは当時から大人びた魅力の持ち主で、年を重ねるにつれいぶし銀的魅力が増すだろうと思った通りの俳優になったのがうれしい。

『アナザー・カントリー』よりも舞台設定が20年ほど古い、同性愛が違法行為だった時代が舞台なのが『モーリス』(1987)。こちらで美しきゲイ大学生を演じるのがジェームズ・ウィルビーとヒュー・グラントで、後ろになでつけた前髪がはらりと落ちるたたずまいが少女漫画風ですてき。二人のやりそうでやらない、プラトニックな関係がまたやおい心に火を付ける。そしてモーリスが真剣に愛することになる庭師の息子アレックを演じたルパート・グレイヴスの野性味あふれるナイーブさがまたよし。『アナザー・カントリー』役者と違ってヌードを辞さない度胸のよさが『モーリス』組の魅力でもある。彼らの大半は日本人の女性が好むやせマッチョ系だし、目の保養なり!?

さて同性愛ものではないけど、『モーリス』前年にジェームズ・アイヴォリーが作った『眺めのいい部屋』(1986)もブリティッシュ美青年の宝庫だ。フィレンツェ旅行中に知り合った男性ジョージと家柄の釣り合う男性シシルの間で揺れる女心を描くだけのたわいもない物語なのだが、男性陣を演じるのがジュリアン・サンズダニエル・デイ=ルイスとなれば、いやが応にも心躍る。ブロンドの優男vs.黒髪ワイルド系の勝負は? 劇中で勝利するのはサンズだが、個人的に抱かれたいのはダニエルってことで。

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ブラット・パック編ジョン・ヒューズ編ブリティッシュ美青年編
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