シネマトゥデイ

藤原竜也×松田龍平×水原希子
『I’M FLASH!』
演技プラン否定され、監督に挑戦状!「上等だよ、やってやるよ」
『I’M FLASH!』藤原竜也×松田龍平×水原希子 単独インタビュー

取材・文:轟夕起夫 写真:奥山智明

魅惑の組み合わせ! 藤原竜也、松田龍平、水原希子が初共演を果たした『I'M FLASH!』。生と死のはざまで、それぞれの役柄の「運命の歯車」が動き、絡み合っていく。監督は近年、『蘇りの血』や『モンスターズクラブ』で人間の生と死を独自の視点で描き出してきた豊田利晃。この鬼才にどのように触発され、映画『I’M FLASH!』は魅力あふれる作品に仕上がっていったのか、三人が語り合った。

■「人生の葛藤」を背負った男は監督の分身

Q:今回の『I'M FLASH!』で、藤原さんは新興宗教のカリスマ教祖ルイ、水原さんはそのルイの前に現れた謎の美女・流美、そして松田さんはルイを守るボディーガードの新野を演じられましたが、ご自身の役柄をどのようにとらえていらっしゃいましたか?

藤原竜也(以下、藤原):最初に台本を読んだとき、僕の中で感じたのは、監督の豊田利晃さんの人生そのものを、ルイという男に投影させているんじゃないかなあと。映画からは、宗教的な思想や深遠なる死生観も感じられますが、もっとパーソナルな思いが込められているというか。「人生の葛藤」を背負った男だなあって。

水原希子(以下、水原):流美は、喜怒哀楽が激しいけれど、何を考えているのかわからない部分もある。そんなキャラクターでした。現場では、とにかく監督に言われたことを、自分なりに解釈し、イメージを膨らませながら流美に挑んでいた感じでした。

松田龍平(以下、松田):僕は新野のことは、いろいろとがんじがらめになっているルイとは対照的に自由な男なんじゃないかなと。そんなふうにとらえていました。

Q:松田さんはこれで、3本目の豊田作品になりますが、藤原さん、水原さんは初めてですね。

藤原:僕は前々から、豊田監督と「ぜひ組みたい」と切望していまして、実際、残念ながら流れてしまった企画も過去にあったんです。ようやく実現しました。

水原:わたしはオファーをいただく1週間ほど前に偶然、豊田監督の『青い春』を観ていて、「この監督の作品に出てみたい!」と思っていたら、声を掛けていただいたのでびっくり! とてもうれしかったです。

藤原:『青い春』は龍平が、豊田監督と最初に組んだ映画だよね。

松田:そうだね。当時俺はまだ17歳だったね。

藤原:あれから約10年、『I'M FLASH!』は豊田監督の人生、10年分が詰まっている映画になっている気がするな。

■現実を超えたパワーを与えてくれた沖縄ロケ

Q:撮影現場での、藤原さんへの豊田監督の演出の厳しさはすでにいろいろなところで報じられていますが、水原さんと松田さんはどう感じましたか?

水原:豊田監督、わたしには優しかったんですけどねえ。

松田:それだけ、藤原くんに全てを預けていたんじゃないかと思いますね。

藤原:何て言うのかな? うまいんだよね、いら立たせ方が。僕なりに事前に用意した演技プランは全て削ぎ落とされ、何も考えずに行ったらそれはそれで否定され、一筋縄ではいかない。撮影中は、監督への憎しみしかなかったけど、ルイという男の葛藤(かっとう)を引き出すにはそういう方法しかなかったんだと思う。でも現場では本当にキツかったな。

松田:撮影後、一緒に飲みに行ったら「上等だよ、やってやるよ」ってほえていたよね(笑)。

藤原:それは沖縄の泡盛のせいです(笑)。

Q:本作は沖縄ロケも魅力の一つですね。藤原さんは映画の中で潜水シーンも実際にやられていましたが。

藤原:あれは特訓したんですよ! 海もそうですし、この映画は沖縄の自然が、僕たちに現実を超えたパワーを与えてくれました。

松田:希子ちゃんはオフのとき、海に入ったの

水原:あっ、入りました。

藤原:結構深いところまで?

水原:いえ、「深いところまで入ったらダメ」と言われていたので、撮影している近くの比較的浅い場所でダイビングをしました。一応撮影に呼ばれていたんですけど、そのシーンがなくなって、せっかく沖縄に来たんだからって。魚がたくさんいて楽しかったなあ。

藤原:素潜りで「16メートルの潜水を目指せ!」と言われて、限界ギリギリまで追い込まれた僕とは大違いだ(笑)。

■意外性? イタズラ? 豊田監督の演出方法

Q:松田さんにお聞きします。これまでと豊田監督の演出で変わったところはありましたか?

松田:大きな違いは特に感じませんでしたね。ただ、現場でセリフを突如増やして、それを教える人と教えない人に分けるときがあるんです。今まで僕は教えられず、本番でびっくりする側だったんですけど、今回、浜辺で藤原くんと(永山)絢斗と三人で魚を食べるシーンで、こっそり呼ばれてセリフを増やされて。うれしかったですね(笑)。

水原:藤原さんは、そのセリフが足されたことを知らないんですね。

松田:そう。それで本番、横にいた絢斗も違うセリフをもらっていて、いきなりしゃべり出して。俺も、知らなかったから、結局びっくりして(笑)。

藤原&水原:(笑)。

松田:でも、それを全部受ける藤原くんが一番大変なんだけどね。

Q:藤原さんはそのシーン、いかがだったんですか。

藤原:そうですねえ、そこはまあ、現場の空気を感じるまま、対応したというか……。

水原:そういえば、わたしは、バーでのルイとの出会いのシーンで、監督に突然「すごく変な顔して」って言われました。

松田:それって完成した作品には使われているの?

水原:使われていないです。ルイのリアクションを撮るシーンで。

松田:豊田さん流のイタズラだね。

藤原:でも、希子ちゃんがいくらやっても、変な顔にはならなかったけどね。

松田:ほほ笑ましい顔になるよね?

藤原:そうそう、ほほ笑ましい顔。やっぱり現場に女性が一人入っただけで一挙に全てが明るくなりますから。希子ちゃんの存在には、それはそれは救われたよ。

松田:俺も救われたかったよ(笑)。希子ちゃんとのシーンはほとんどなかったんで。

■『I’M FLASH!』=「豊田監督と闘った成果」

Q:完成作をご覧になっての感想を教えてください。

松田:豊田さんの映画は、ラストで一気に今まで描かれていたものがスピードを上げて収束するイメージがあって、今回もルイと流美の過去の車でのシーンや、新野とルイとの対決が組み合わさっていき、それらがはじけて、沈黙が流れる瞬間が気持ちよくて、すごく爽快感がありましたね。

水原:そうですね、実際につながったものを観たら、台本を読んだときとは違って、「豊田監督の世界って、こういうのなんだ」って驚きがありました。どのシークエンスもぜんぜん先が読めないんですよね。

藤原:沖縄の自然と、登場人物たち一人一人の心情、感情の流れをクロスさせるカットつなぎが素晴らしかった。やっぱり、いいセンスをしている監督だなと思いました。

Q:最後に組み合わさるパズルの一つ、流美とルイの車中でのシーンでは何か覚えているエピソードはありますか?

水原:実は、自分の芝居のことで精いっぱいで、あんまり覚えていないんです。

藤原:あのシーンは、朝まで撮影していたよね?

水原:朝の4時とか5時まで。あのときはあまりしゃべらなかったですよね?

藤原:そうだったねえ。

松田:車のシーンで二人っきりだったのにね(笑)。

藤原:俺はねえ、ひたすら豊田監督と闘っていたんだよ!

松田:ああそっか(笑)。

藤原:この映画では、僕が「豊田監督と闘った成果」をぜひ観てもらいたいですね。

この映画の製作のきっかけに、鮎川誠による同名タイトル曲がある。本作の主題歌もそれで、豪華メンバーで結成された「I'M FLASH! BAND」(チバユウスケ、中村達也、ヤマジカズヒデ、kenken)が手掛け、音楽監督zAkの作り出した劇中ナンバーと共に作品に疾走感を投入している。まるでFLASH=閃光(せんこう)のような映画。藤原竜也、松田龍平、水原希子の三人は口をそろえて「音楽の格好よさ」を語り、「一瞬の光」として物語の上に存在した体験を回想してくれた。考えるな、感じろ!『I'M FLASH!』とは、そういう映画だ。

(C) 2012「I'M FLASH!」製作委員会

映画『I’M FLASH!』は9月1日より全国公開

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