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今週のクローズアップ 時の人トム・クルーズ発言で振り返る演技、私生活

 今年8月に3人目の妻ケイティ・ホームズと電撃離婚し、話題をさらったハリウッド随一のスター、トム・クルーズ。本業の映画俳優&製作者としてだけでなく、新興宗教サイエントロジーの熱狂的な信者としても知られ、私生活でも何かと騒がせてきた。そんなトムの演技からプライベートまで、新作『ロック・オブ・エイジズ』公開を前に振り返る!
失読症だったトム「読む能力がついたのはサイエントロジーのおかげ」

 サイエントロジーは、人気SF作家ロン・ハバードさんが1954年に創始した宗教で、過去のトラウマなどを克服し、より良い人生を送るための方法論を説いた新興宗教。トムが同宗教と出会ったのは、1987年に結婚した最初の妻ミミ・ロジャースを通じてだといわれており、「カルト的だ」とたびたび非難されてきたが、7歳のときに学習障害の一種である失読症(書かれた文字の理解障害)を医者に宣告され、苦労してきたトムは「大人になって、サイエントロジーの教育本を読んだことで完璧に読解ができるようになったんだ」とスペインの週刊誌・XL Semanalで胸を張って述べている。

 米海軍パイロット訓練所で挫折を乗り越え栄光を手にするエリートパイロット・マーベリックをみずみずしい演技で魅せたトムの出世作『トップガン』。「『トップガン』を撮影していた22歳のときに、夢だったパイロットになろうと思ったんだ。でも、レッスンをいくつか受けて、すぐに投げ出してしまった。人からどうして? と聞かれたときは映画の準備に忙しくて時間がないと答えたけど、実際には操縦の理論を理解することができなかったんだ」とトムは告白しており、その後1994年に無事パイロットのライセンスを取得し、夢をかなえたトムにとって、サイエントロジーは人生に大きな影響をもたらした存在であることがわかる。

 また、1990年に結婚した2人目の妻ニコール・キッドマンと2001年に離婚後、2005年パリ・エッフェル塔でプロポーズし、翌2006年にイタリアの古城で挙式した3人目の妻ケイティとの離婚原因は、サイエントロジーではないかとのウワサもあり、良くも悪くも同宗教とトムは切っても切れない関係にあるようだ。ケイティとトムの話題では、2005年に米人気トーク番組「ザ・オプラ・ウィンフリー・ショー」でソファーに飛び乗って子どものようにはしゃぎ、彼女への愛を告白したトムの姿が視聴者の度肝を抜いたことも記憶に新しい。ちなみにトムは、ニコールとの間に養子2人、ケイティとの間に初めての実子・スーリをもうけている。サイエントロジー信者に名を連ねるハリウッドスターには、トム以外にもジョン・トラヴォルタケリー・プレストン夫妻やジュリエット・ルイスらがいる。

 

『トップガン』より 若さがまぶしい!
Kobal/PARAMOUNT/The Kobal Collection/WireImage.com

まだラブラブだったころ…… ケイティ&トム
Mark Sullivan / WireImage / Getty Images

現在50歳のトム「全人生をエンターテインメントに捧げたい」

 こう発言したのは、日本での興行収入が53億円を超え、2012年上半期洋画トップを獲得した『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』を引っ提げ昨年12月に来日したときのこと。「僕は人々に楽しみを与えることに喜びを感じる。全人生をエンターテインメントに捧げたい。年を取ってもこの思いは変わらないよ」と当時49歳のトムは会見で明かしたが、その言葉通り、50歳になっても精力的な活動は衰えを知らず、9月21日にはミュージカル映画に初挑戦した『ロック・オブ・エイジズ』、来年2月には正義のためなら手段を選ばない危険でワイルドなヒーローを演じる『アウトロー』が日本で封切りされる。

 映画界最高の栄誉である米アカデミー賞に、映画『7月4日に生まれて』『ザ・エージェント』で主演、『マグノリア』で助演男優賞ノミネートを果たしたトムが、社会派から『オースティン・パワーズ ゴールドメンバー』『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』などのコメディー、『アイズ ワイド シャット』など芸術性の高い作品まで幅広いジャンルに対応できる演技派であることは、誰もが認めるところ。2002年の第15回東京国際映画祭オープニング上映作品『マイノリティ・リポート』で来日会見したスティーヴン・スピルバーグが「トムはどんな役でも演じることができて、いつも異なる役柄を演じている。作品ごとに変装し、『トムの映画』というものは存在しない」と褒めたたえていることからもわかる。

 役づくりについてトムは「僕はいつもそうなんだけど、内側から取り組むというプロセスを踏むんだ。リサーチを重ねて、まず人物像を内側から納得していく。その後、そこから外見を作っていくんだ」とスペインの名匠アレハンドロ・アメナーバル監督作『オープン・ユア・アイズ』をリメイクした『バニラ・スカイ』での来日時に明かしており、「すごく早くセット入りして監督とディスカッションを重ねる」ことなど、演技に取り組む姿勢がかなり念入りであることを明かしている。

 そんなトムは「僕はものすごいハードワーカー」と自身を表現しており、世界的大ヒット・スパイアクション『ミッション:インポッシブル』シリーズ第2作『M:I-2』公開時に「普段から体を鍛えているし、体操をして体を柔軟にすることは昔から心掛けていた」と危険なスタントシーンも自らこなしてきたトムだからこそのプロフェッショナルなコメントも。またトムといえば、人気シリーズで主演を張り続け、共演者やスタッフの統率も求められるポジションにいるが「僕はリーダーというものは人を信頼することだと思う。そうすれば相手も同じく信頼してくれる。それから、相手をコントロールしようと思ったりはしない。意見がぶつかったら話し合いで、物事を進めるんだ。だから僕は、チームの中でいきなり怒鳴ったり、怒ったりすることはないよ。だけど、そうするために常に自分には厳しくしているんだ」と理想の上司のような発言をしており、リーダーシップをとることにおいてもプロフェッショナルな人物であることがわかる。

 
夫婦共演が話題を呼んだスタンリー・キューブリック監督の遺作『アイズ ワイド シャット』より
Warner Brothers/Photofest/ゲッティ イメージズ
モテ男トムは、ペネロペとも交際の過去あり!『バニラ・スカイ』
NEAL PRESTON/CRUISE-WAGNER/PARAMOUNT/The Kobal Collection/WireImage.com
兄さん、鍛え方ハンパないっす~!『M:I-2』
Paramount/Photofest/MediaVast Japan
地声で歌も披露するトム「自分の世界にハマッてしまった男」

 1962年7月3日にアメリカ・ニューヨーク州シラキュース市で生を受けたトムは、高校時代にレスリング選手として活躍したがケガで断念。舞台での演技経験から役者になる決意を固め、1981年の『エンドレス・ラブ』でスクリーンデビューを飾った。30年余りのキャリアからすると意外にも思えるが、新作『ロック・オブ・エイジズ』で初めてミュージカル映画に挑戦している。その出演には別れた妻ケイティの後押しがあったようで「ダンス、歌には興味がなかったけど、ケイティのおかげで新しいことにチャレンジできたよ!」とトムは充実の表情を見せている。

 演じるキャラクターは「ロックの神」として絶大な人気を誇りながらも、世間のイメージとのギャップに苦しみ、酒と女に溺れるという絶望のロックスター・ステイシー・ジャックス。トムは「彼はロッカーであり、詩人でもあるヤツ」と役柄を分析し、「だけど今は『自分の世界にハマッてしまった男』なんだ」とステイシーが抱える心の闇を表現しており、周りが見えておらず、強烈な自己世界に陶酔している人物だということがわかる。トムのこの言葉が演技で表わされると、スケジュールも時間も守らないという問題児ながら、お世話になった人との約束は必ず守るという人情味が愛らしさを感じさせるキャラクターになるから不思議だ。

 本作の歌唱シーンのために、1日5時間×週5日×5か月のボイストレーニングをこなしてトムは撮影に臨んでいるのだが、少しハスキーながらスイートな歌声で新たな魅力をさく裂させており、カリスマロックスターの風貌をパワフルなステージパフォーマンスとダンスで完璧に体現。どんな役でも自分のものにし、かつ「トップスター、トム・クルーズ」の存在を感じさせないトムの技術の高さに、改めて気付かされること必至だ。

 同作の主演は『バーレスク』ジュリアン・ハフと、本作で映画デビューを果たしたディエゴ・ボネータで、若い二人が1987年のロサンゼルスで夢をかなえる姿をロマンスと共に描いているのだが、歌声も披露するトムの出演シーンはまだか? と待っていると、思わぬ部分のフィーチャーシーンから入ってくるのでお楽しみに&心の準備を。

映画『ロック・オブ・エイジズ』は9月21日より全国公開

顔、近すぎ?
(C) 2012 WARNER BROS. ENTERTAINENT INC.

トム“ステイシー・ジャックス”!
(C) 2012 WARNER BROS. ENTERTAINENT INC.

ポール・ジアマッティ(右)のマネージャーぶりも必見!
(C) 2012 WARNER BROS. ENTERTAINENT INC.

文・構成:シネマトゥデイ編集部:小松芙未

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