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渡辺麻友
『ねらわれた学園』
ヒロインの揺れる心情に胸が苦しくなった
映画『ねらわれた学園』渡辺麻友 単独インタビュー

取材・文:永野寿彦 写真:吉岡希鼓斗

これまで映画、ドラマと繰り返し映像化されてきた眉村卓のジュブナイルSFの名作が、舞台を現代の中学校に移し、初めて長編アニメーション化された。古都鎌倉の中学校に謎めいた転校生が現れたのをきっかけに巻き起こる不思議な事件の数々、それに巻き込まれていく14歳の少年少女を心の揺らぎを描いた作品の魅力について、ヒロインの声を演じたAKB48・渡辺麻友が語った。

■念願だった声優の仕事

Q:これまで何本かの作品で声優として出演はされていますが、ついに劇場版アニメーションでの主演ですね。プレッシャーは?

正直、不安はありました。アニメは大好きですし、声優さんのお仕事にも憧れてもいたので、自分にできるのかなって。でも、だからこそチャレンジしてみたい、と。声優さんの仕事もずっとやってみたかったことなので、こういう大きな作品に主演させていただけることに驚き、プレッシャーにも感じながら、このチャンスをいただいたことをすごく光栄に思いました。

Q:渡辺さんのアニメに対する愛情は広く知られていますが、渡辺さんにとってアニメの魅力とは?

誰もが一度は子どもの頃に観てきていると思うんですよ、アニメって。すごくワクワクしながら。わたしの場合は、その延長線上でずっと好きなんです。ジャンル関係なく、何でも観ます。わたしにとってアニメは、今でもワクワクする気持ちを忘れないようにさせてくれるもの。小さい頃の気持ちを思い出させてくれる。この作品もまさにそういう作品です。甘酸っぱい恋模様も織り込んだ青春ものとしても楽しめるし、超能力といったSF的なエッセンスもある。いろんな要素が詰まっていて楽しい作品になっていると思います。それとアニメではキャラクターも大事。絵もかわいらしい。ナツキちゃんもすごくかわいいですよね。登場人物それぞれが魅力的であればあるほど、作品に引きつけられますから。

■元気なだけじゃない!ナツキというヒロインの魅力

Q:本作はまさにそういう作品。演じられたナツキという女の子は、活発でいなから、すごく繊細な乙女心を持ったヒロインでした。

普段はどこにでもいるようなすごく元気な女の子なんですけど、物語が進むにつれてさまざまな思いが見えてくる。でも、ちゃんとその思いを伝えるべきときはちゃんと伝えられる強さを持っている。そういうところがカッコイイというか、すごく魅力的で。ちょっとツンデレなところもあったり。周りを明るくしてくれるような存在なので、わたしもこうなれたらいいなって思いました。運動神経が良いところもうらやましかったですね(笑)。

Q:アニメの主人公として、すごく魅力的な存在ですよね。そんなナツキを演じる上で、大事にしたことは何ですか?

ナツキが持っている繊細な部分ですね。ケンジくんという幼なじみのことをひそかに思っているナツキ。友人のカホリとの間で板挟みになって、その恋に揺れるナツキ。謎の転校生である京極くんの謎を知って悩むナツキ。いろんなナツキちゃんをちゃんと見せられるように気を付けました。わたし自身はそういう体験はしたことがないですけど、つらい思いしているんだなって演じていて、すごく胸が苦しくなりましたね。

■ヒロインの心の揺れを、声だけで演じることの難しさ

Q:実際のアフレコは、共演者の方と一緒に?

一人での収録でした。共演の皆さんはもう録(と)り終わっていたので、わたしが最後。ヘッドホンから流れてくる相手の声を聞きながら、それに合わせて。気持ちを合わせるのが難しかったですね。アフレコのときは映像も完成していなかったし。まだ色の付いていない線画ぐらいでしたから。でも、ナツキちゃんになりきって、ケンジくんやカホリ、京極くんと会話をしていることをイメージしました。ナツキちゃんが元気いっぱいキャラなので、時にはマイクに音を拾われないように気を付けながら、実際に体を動かしたりもしましたね(笑)。

Q:ナツキの繊細な心情を声だけで演じるのは難しかったのではないですか?

大変でした。でも、だからこそやりがいもありました。中村(亮介)監督からは、作り込まずに自然体で演じてほしいと言われたんです。だからわたしも自分の感情に素直に演じることを心掛けました。ほんとに喜怒哀楽、怒るシーンもあれば、泣くシーンもある。声だけで演じるということは、改めて大変だなって思いましたね。

■懐かしくて不思議な感覚が味わえる魅力的な物語

Q:今回は主題歌も担当されていますね。

新しい経験でしたね。懐かしい雰囲気の歌謡曲って感じなんですけど、歌詞にケンジくんに片思いしているナツキの気持ちが反映されているようで、結構切ないです。

Q:その曲のイメージ通り、実際の作品でのナツキもすごく感情豊かな女の子になっていたと思います。活発というところも、今までの渡辺さんにはないイメージなので新鮮でした。

そういう意味では今回の作品は新しい経験をさせてもらったと同時に、わたしのいろんな面が見せられたかな、と。ケンジくんとふざけ合ったりする和気あいあいとする普段の学校生活のシーンはほんとに楽しかったし。逆に今までやったことない難しいことにもチャレンジできたし。生徒会に反発するシーンは大変でした。ナツキちゃんが自分の意見を熱く語るんですけど、セリフが長いだけでなく、ちゃんと相手に訴えかけなければいけない。怒っているわけではなく、自分の気持ちをきちんと相手に届けることが大事で。そこはかなり悩みましたね。声だけで表現しなければならないので。でも、物語が魅力的なので楽しんで演じることができました。ごく普通の学園生活の中に謎めいた転校生がやって来る。そこからいろんな事件が起こって。まだアニメの絵ができていないのに、台本を読んでいるだけで引き込まれたぐらいですから。どこか懐かしくて不思議な気持ちを味わえる作品になっていると思うので、ぜひ多くの方に楽しんでほしいですね。

AKB48の中でも正統派アイドルとして知られる渡辺。「中学生の頃に淡い恋の体験は?」と尋ねると、「ないです!」ときっぱり返してくるあたりは、まさにプロのアイドル。なのに「ケンジくんと京極くん、どっちが好き?」と問うと、「京極くん。髪型が好き。ケンジくん、ごめんなさい!(笑)」と、アニメ好きの少女の顔を見せる。そんな渡辺の、アニメへの愛情が込められたこの映画をぜひ劇場で堪能してほしい。

映画『ねらわれた学園』11月10日より全国公開

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