シネマトゥデイ

シネマトゥデイ
小栗旬、森山未来、早乙女太一
『ゲキ×シネ「髑髏城の七人」』
本人たちも知らない表情がいっぱい!
『ゲキ×シネ「髑髏城の七人」』小栗旬、森山未來、早乙女太一 単独インタビュー

取材・文:小島弥央 写真:尾藤能暢

チケット入手が困難な劇団として知られる劇団☆新感線の人気舞台を映像化した「ゲキ×シネ」シリーズ。その第10弾は、キャストを一新して昨年上演された「髑髏城の七人(どくろじょうのしちにん)」。劇団☆新感線の人気を決定づけ、1990年の初演以来、形を変えながら7年ごとに上演されてきた人気の演目に挑んだ、小栗旬、森山未來、早乙女太一が、「ゲキ×シネ」、さらには劇団☆新感線の魅力を存分に語った。

■役者たちも楽しんだ「ゲキ×シネ」!

Q:昨年上演された舞台が「ゲキ×シネ」という形でよみがえりましたが、ご覧になってどう思われましたか?

早乙女太一(以下、早乙女):俺、楽しかったです。自分でやっていながらすごく新鮮に観られて、やっぱり観るのとやるのは全然違うんだなと。僕の後ろでやっていることを映像では観られるので、舞台上では見えていなかった周りのことや、「自分はこういう表情をしていたんだ」ということにいっぱい気付けて、いろいろな楽しみ方ができました。

小栗旬(以下、小栗):俺も楽しかった(笑)。「あ、この舞台、観に来たお客さんは喜んで帰ってくれたんじゃないかな」と思いました。とりわけ「最後に七人で立っているときのシルエットがすごくかっこいい!」という意見は聞いていたので、自分としても「あのシルエットは生で観てみたかったな」と思いましたね。

森山未來(以下、森山):しかも、その後に斬り掛かっていくスローモーションは映像的な演出じゃないですからね(笑)。

小栗:そう、みんな自分たちでスローモーションをやっている。セルフスローモーション(笑)。

森山:それは映像では、気付けないよね(笑)。

■実は……小栗旬、痛恨のミスを収録?!

Q:時間がたっているからこそ、冷静になって観られた部分もあるんでしょうか?

小栗:僕は、改めて冷静に観たときに「あれっ?」と思ったところが一つあって……。長い公演なのでいろいろな変化があるんですけど、高田聖子さん演じる贋鉄斎が斬鎧剣を持ってきて「これはあんたが渡しなさい」って沙霧(仲里依紗)に託す場面があるんです。だけど僕、ずっと沙霧から剣を受け取らずに天魔王と戦っていたんですよ(笑)。あるとき(演出家の)いのうえひでのりさんと「あれって、なんで沙霧からもらわないんでしたっけ?」「あれ? そうだね!」という話になって、最後の10回ぐらいだけ、ちゃんと沙霧から受け取って天魔王と戦う形になったんです。それが「ゲキ×シネ」ではまだ贋鉄斎から受け取っていたので、「このときまだ気付いていなかったんだ……」と(笑)。

Q:公演中に気付かれたんですね!

小栗:そうです。僕もいのうえさんも、はっきり言って見落としていたんです(笑)。

森山:レビューでつつかれそうだね(笑)。

小栗:うん(笑)。やっぱり贋鉄斎からもらうのと、沙霧から受け取るのとでは、背負うものがまったく違うんですよね。それがまだ「ゲキ×シネ」では贋鉄斎からもらっていたので、「やっちまったな」と。そこは「ああ、もうちょい早く気付いてれば……」と思いましたね(笑)。

■「髑髏城の七人」に出演するということ

Q:そもそも「髑髏城の七人」という舞台は、これまで繰り返し上演されてきた劇団☆新感線の代表作ですが、客演という形で参加されていかがでしたか?

森山:もともと、旬の演じた捨之介と、僕が演じた天魔王は 、古田新太さんが一人二役でやっていて、長年演じてきた古田さんにしか出せないけれんは絶対にあるんですけど、僕がそこを狙うのは違うんじゃないかな、という気がしたので、そこは「どう戦えるかな?」と考えましたね。意識しないわけにはいかないので、意識しながらどこまで壊していけるかなと。

早乙女:僕は何も考えられなかったですね。最初はいろいろなことを考えたんですけど、一つも答えが見つからないまま、いろいろな考えが重なってショートして(笑)。「何をやったらいいのかわからないからとにかく頑張ろう」ということしか最後にはなくなって、「とにかくできることを頑張ろう」ということ以外、余計なことは何も考えられなくなりました。

小栗:結構プレッシャーありましたね。すごい人気作なので、「さてどうしよう?」と思いながら稽古場に行ったのを覚えています。

森山:僕は「髑髏城」の前に新感線の作品には2回出させてもらっているし、太一も「蛮幽鬼」をやっているから、劇団員のみんなも理解があるし、関わり方がわかっているんですよね。でも、旬の場合は「はじめまして」で主演になるわけだから、その緊張感ってすごくあったよね。

小栗:それはありましたね。でも、すごく温かい劇団なので、途中からはそんなことも気にならなくなったし、このメンバーみんなで作っていくという感じもあったので、面白くやらせてもらいました。なんだかんだで4か月ぐらいみんなでいたので、いろいろなことがありましたけど、最終的には「いい芝居に出られたな」と思って終われましたね。でも、やっぱり「劇団☆新感線」は「古田新太」というイメージがあるので、欲をいえば、古田さんがいる稽古場を見たかった。彼がいるとどう稽古場が作られていくのか、を。

■劇団☆新感線の魅力は、雑食感の強さ?!

Q:それだけのプレッシャーがありながらも、出演したいと思う劇団☆新感線の魅力はなんですか?

小栗:やっぱり一度はやってみたいことだったりしますよね、新感線がやっていることって。迫力もあるし、立ち回りもあるし。その中で特に「髑髏城」は劇画の世界を胸張ってできるという感じなので、それはやっぱり一回はチャレンジしてみたい。

早乙女:僕はとにかくかっこいいものが好きなんです。初めて観たのは7年前の「髑髏城の七人」だったんですけど、僕にとっては話がどうとかじゃなくて、単純にかっこいいと思えるところがいっぱいあった。で、そういうかっこいい舞台に自分も立ってみたいな、と。

森山:やっぱり舞台上で真ん中に立って大見え切るというのは、やる側も気持ちいいし、そういう舞台ってあんまりないんですよね。あと、しっかりした土台ができているから、「何が来ても大丈夫」という空気が常にある(笑)。そういう稽古場での居心地の良さはすごく大きいと思うんですよね。もともとアクの強い劇団なだけに、「たいていのものは受け入れられるよ」という雑食感がすごく強いというか(笑)。「取りあえず消化できないものはないよ」という懐の深さが、いのうえさんをはじめ、劇団員の皆さん、スタッフの皆さんにあるので、ついていきやすいんですよ。しかも、みんながいのうえさんという中心を信じてやっているから、あまり分散しない。向かう先がすごくはっきりしているし、劇画的な演劇なので、もちろん悩むんですけど、フラストレーションが溜まらないというのは大きいですね。

着流しの裾をひるがえして、さっそうと情に厚い捨之介(すてのすけ)を演じた小栗旬。圧倒的な演技力で、暗い炎を燃やす天魔王(てんまおう)を演じた森山未來。怪しい魅力を漂わせ、闇へと落ちる無界屋蘭兵衛(むかいやらんべえ)を演じた早乙女太一。舞台映えするこの三人がそろうだけで、辺りがパッと華やぐ。そんな三人の熱演を余すところなく収めた『ゲキ×シネ「髑髏城の七人」』は、彼らの言葉通り、舞台を観た人も、観ていない人も楽しめるエンターテインメント。ほとばしる汗と色気をぜひ大きなスクリーンで堪能してほしい。

(C) ヴィレッヂ / 劇団☆新感線

映画『ゲキ×シネ「髑髏城の七人」』は2013年1月12日より全国公開(新宿バルト9のみ1月5日先行公開)

[PR]

この記事を共有する

映画アクセスランキング
  • Loading...
»もっとランキングを見る«
スポンサード リンク
スポンサード リンク