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009 RE:CYBORG

ブルーレイ&DVD 5月22日(水)発売!

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『009 RE:CYBORG』ブルーレイ&DVD発売記念 神山健治×西田征史 新たなヒーローをつくる者たち

今、古典に挑む意味

清水節(以下、清水):
普遍性がある作家という意味では、石ノ森章太郎(※6)先生はもちろん、その先人として手塚治虫先生(※7)がいますが、西田さんは手塚ファンなんですよね。

西田征史(以下、西田):
そうですね。最初に触れた漫画が手塚さんでした。今読むと、かなり当時流行したギャグなんかが入っていたりするんですよね。けれども普遍性があるというのは、やっぱり、人間を描いたときに根底は変わっていないということなのかもしれないですね。

神山健治(以下、神山):
そう思いますね。テーマの部分は古びていないんですよ。実は僕、一時期、手塚先生の作品を読まなくなっていた時期もあったんですが……。

西田:

それはやはり、作品に流行を取り入れようとしたところが?

神山:

ええ。失礼ながら、そこが逆に古く見えたりして。でも歳をとって「ブラック・ジャック」とかを読み返すと、普遍性があり、大きなテーマで人間を描こうとしていたんだとわかる。

清水:

けれども今の時代は、手塚作品がさらに遠存在になりつつある感があります。だから、お二人が石ノ森や手塚作品へのリスペクトを表明する行為は、次世代に向けて際立つと思うのです。

神山:

僕は、日本の文化には漫画に限らず、消費することで先に行くという面があると思っていて、僕としてはそれは豊かなことだとも思うんですよ。どんどん新しい作家や作品が出てきて、それを消費してもまた新しいものが出てくるわけだから。その反面、そろそろ手塚作品などを古典にして、でも神棚に上げるというわけではなく、その題材に新しい作り手がどういうアプローチをできるのか、というふうなことがあってもいいんじゃないかというふうに思ったんですよ。

落語では古典を新しい人がやっているし、ハリウッド映画もそういうことをやっている。だから「009」に向かわせてもらったときは、単なる過去の作品ではなく一つのコンテンツとして、そこに存在するものをもう一度見直してみるということが、日本にも出てきていいんじゃないかなと思っていました。

※6 石ノ森章太郎

漫画家。「仮面ライダー」シリーズの原作者としても知られる。漫画家としての代表作「サイボーグ009」は数あるエピソードの中で「天使編」「神々との闘い編」が未完に終わっており、『009 RE:CYBORG』はその二つのエピソードから着想された。

※7 手塚治虫

漫画家・アニメーター。「ブッダ」「火の鳥」「ブラック・ジャック」など多岐にわたるジャンルの作品を描き、「漫画の神様」とも称される。自身の漫画を原作にした「鉄腕アトム」は日本初のテレビアニメシリーズといわれている。

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作品のテーマが変わるとき

西田:

ぜひとも神山さんに聞きたかったのが、作品のテーマと、それをどこまで作品の中で伝えさせるべきか、ということなんです。そのさじ加減に僕はいつも悩みます。

神山:

ええ。悩みますね。

西田:

善と悪のようにこの世の中では白黒をつけられないものが多いけれど、作品としては、どこかはっきり言わないといけない部分がある。神山さんは「これが言いたい」というテーマから作品作りを始めるんですか?

神山:

「東のエデン」でいえば、団塊の世代が退職していく時期を迎え、彼らが数の論理で自分たちのルールを貫こうとする一方で、若い人たちは団塊の世代が作り上げたルールの中で自分たちが勝者になれないことを知っていて、諦めを前提として座り込んでいるので、その両方にお説教してやろうというのが最初のコンセプトだったんです。

西田:

そうだったんですね!

神山:

ただ脚本を書いているうちに、若い人たちが諦めている理由に共感をしてしまったんですよ。なので、そのままでは若い人たちを応援できない作品になってしまうので、最初のコンセプトからは大きく変えました。何とか彼らが勝者になる方法を作品に提示するすべはないかと。

清水:

「ベム」のとき、制作過程で変容していったものはありましたか?

西田:

劇場版では、当初は、あそこまでハードに戦闘を前面に出すのではなく、最初はベムたちの日常をもうちょっと描いていたんです。テレビシリーズのキャラクターとの交流とか、そういう「平凡な時間の中の幸せ」も見せたかったんですけど、結局そのあたりは時間的な問題でカットになりました。

神山:

テレビシリーズは、そこを積み上げてらっしゃいましたよね。僕もテレビシリーズと映画をやったのでそのあたりはよくわかります。映画は思いのほか描きたいことが入らなくて、積み重ねたい部分が犠牲になるっていうのはありますね。

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サボる主人公の方がいい!?

清水:

今回の対談をきっかけに、社会派かつ冷徹でシリアスな作風の神山さんと、感動譚(たん)で温かみがあってコミカルな作風の西田さんという、対照的ともいえる注目のクリエイターがもしかしたら、コラボレーションする可能性を期待したいところです。

西田:

一緒に作品を作ることができるとなると、神山監督にあって自分にないところを痛感させられてしまうと思うんですが、その分、違う角度で自分なりの感覚を放りこんで、一緒にいい作品を作っていければ幸せです。

清水:

補完し合えるような関係を目指すわけですね。

神山:

そうですね。僕はどうしても、主人公がストイックになりがちなんですよ。同世代よりはちょっと上の、ちばてつや(※8)先生や白土三平(※9)先生の作品から漫画に触れていったので、僕の手癖として、ストイックな主人公像みたいなものがどうしてもベースになる。例えば西田さんと組むことで、そこがもうちょっと広がったりすれば、面白いですよね。

西田:

僕が書いた主人公はすぐサボりますよ。すぐ休もうとして(笑)。

神山:

真面目すぎるよりは、どこか抜けている奴の方がいいんですよ(笑)。

清水:

誰も予期せぬ、驚くべき化学反応を起こすかもしれませんよ!

※8 ちばてつや

漫画家。代表作は「あしたのジョー」「あした天気になあれ」。1950年代に活動を開始し、1960年代から1970年代前半にかけて連載された「あしたのジョー」は爆発的ヒットを記録した。。

※9 白土三平

漫画家。代表作は映画化もされた「カムイ伝」「カムイ外伝」。「カムイ伝」も「あしたのジョー」同様、1960年代から1970年代にかけて第1部が連載された。両作品共に現在に至るまで新作が発表されている。

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『009 RE:CYBORG』

ブルーレイ&DVD 5月22日(水)発売
  • 豪華版 Blu-ray BOX 10,290円(税込み)
  • 通常版:ブルーレイ 6,090円(税込み)
  • 通常版:DVD 5,040円(税込み)
  • 発売元:バップ
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