シネマトゥデイ

シネマトゥデイ
連載「ピクサー訪問記~『モンスターズ・ユニバーシティ』編」
第3限「ピクサーで遊ぶ?それとも働く?」

 映画『モンスターズ・ユニバーシティ』。これまでに数々の名作を手掛けてきたピクサーの最新作です。

 この連載では、そんなピクサーの社内に潜入!

 第3回となる今回は、ピクサーの会社がどんな環境なのか……?
 それをリポートしちゃいます!

取材・文:編集部 福田麗

写真で紹介!ピクサーのあれこれ!

 6月某日に訪れたピクサーのオフィス。
 このカリフォルニア・エメリービルにあるスタジオには2000年秋に移転。作品でいうと『モンスターズ・インク』以降はここのスタジオで制作されています。

『モンスターズ・ユニバーシティ』

 ここは「ザ・スティーブ・ジョブズ・ビルディング」。ピクサーでのメインビルディングにあたります。

『モンスターズ・ユニバーシティ』

 エントランスにはビリヤード台が!

『モンスターズ・ユニバーシティ』

 社員の交流の場になるような構造になっています。

『モンスターズ・ユニバーシティ』


『モンスターズ・ユニバーシティ』

 こちらはピクサー社内の試写室。ここで完成した作品を観たりするんですね。

『モンスターズ・ユニバーシティ』

 何と、社内にはお土産屋さんもあります! 本当に会社なの? と首を傾げたくなります……。
 さらに、一歩外に出てみると……

『モンスターズ・ユニバーシティ』


『モンスターズ・ユニバーシティ』


『モンスターズ・ユニバーシティ』

 これはもしや……

『モンスターズ・ユニバーシティ』

 プール!
 下手をすれば、都内のスポーツクラブよりも豪華な施設ですね……。
 さらに、こちらに行くと……おや、何か見えてきましたね。

『モンスターズ・ユニバーシティ』


『モンスターズ・ユニバーシティ』

 まさか、サッカー場まであるとは……!
 休憩時間には写真の皆さんで遊んだりすることもあるとか。
 いったい、どれだけ豪華な会社なんでしょうか。

 しかし、そうした環境にももちろん、理由があったのです。

ピクサー社員に直撃インタビュー!
『モンスターズ・ユニバーシティ』

 見れば見るほどピクサーは会社らしくない……というのが正直な印象。室内に卓球台やビリヤード台がある会社は想像できますが、室外にプールやサッカーグラウンドがあるなんて……うらやましい限りです。

 ですが、もちろん、そういう環境になっているのには理由があります。コーリーさんは『モンスターズ・ユニバーシティ』に関わっていた4年半以上、ほぼ会社にこもりっきりだったといいます。そして、映画製作というのは、はたから見る以上にストレスフルな労働なのだとか。

「だからこそ、会社のキャンパスは社員に休憩を取らせるような作りになっていないといけません。リラックスやリフレッシュできるようにね。わたしたちは常にクリエイティブでいる必要があるので、そういう環境が必須なのです。一つの映画に4~5年は関わっているので、マラソンのようなものなんですよ」

 なるほど。そのことをみんながよくわかっているのでしょう。社員も思い思い好きなように自分のオフィスを改造しているようで……中にはこんな猛者も。

『モンスターズ・ユニバーシティ』

 そう、ここは会社にあるバー「Lucky 7」! ちょっとおしゃれな居酒屋やバーのことを“隠れ家風”なんて言うことがありますが、ここのは正真正銘の“隠し部屋”バーなのです。

 とはいえ、会社でこんなことをしてもいいのでしょうか……?

『モンスターズ・ユニバーシティ』
コーリー・レイさん。ピクサーで1993年から働く古株です。

「禁止事項は特にないんですよ。何でもしていいし、事後報告でも構いません。安全面さえ考慮しておけばね。クリエイティブな作業をサポートするためにオフィスがあるわけですから。だから、『仕事はハードに、そして遊びもハードに』というのが社訓としてあるわけです」

 ああ、なんてうらやましいんでしょう!

「そうですね(笑)。実際にここの建物や環境、施設は驚くべきものです。でも、本当のところ、わたしが毎日ここに来て仕事をしよう、ここに来ることを幸せだと思わせてくれるのは、ここにいる人たちです。映画を作り、何と言うか、一つのものに向かって共同作業をする素晴らしい人たちの融合体がここにはあります。ほとんど家族の延長のようなものです。キャンパスを歩いてもらえれば、それを感じてもらえると思います。ここにいることが幸せで、互いを楽しいと思って、一緒に仕事をすることが楽しい。そんなふうにわたしたちは思っているのです」

『モンスターズ・ユニバーシティ』
玄関ではサリー&マイクがお出迎え!

 施設や環境よりも“人”が何よりも会社の資産というわけですね! うーん、これはピクサーという会社の秘密といってもいいかもしれません!

 ちなみにピクサーの敷地内には、関係者の紹介があれば一般の人でも入ることができるそうです。一度自分の目で見てみたいという方は、周りにピクサー関係者を探してみましょう!(って、そう簡単に見つかれば苦労はないですよね……)

こんな仕事をしています!
『モンスターズ・ユニバーシティ』

 そんなコーリーさんは、『バグズ・ライフ』(1998)、『トイ・ストーリー2』(1999)でアニメーション・マネージャーを務めた後、『モンスターズ・インク』『Mr.インクレディブル』ではプロデューサー補佐を歴任。いわば、ピクサー映画の製作の中心にいたスゴイ人なのですが、意外にも本作が初めてのプロデュース作品になります。

プロデューサーが何をやっているのか、というのは意外にわかりにくいかもしれませんが、「何でもやっている」というのが正しい答えでしょう。ピクサーでは、一つの作品の制作チームは12部門から構成されており、ピーク時には約260人のスタッフが働いています。これら一人一人を統括しているのがプロデューサーなのです。

『モンスターズ・ユニバーシティ』
映画『モンスターズ・ユニバーシティ』より

Q:プロデューサーとしての経験はいかがでしたか?

 わたしはCMのプロデューサー経験はあって、ピクサーではプロダクション管理部でアニメ部門の統括をしてきました。これが初のプロデュース作品になるわけですが、確かに仕事としては飛躍的にチャレンジングになりましたね。プロダクションだけでなく、マーケティングや商品プロダクト、キャストへの対応もある……しかも、それら全てのことに自分が最終的な責任を負うわけですからね。

『モンスターズ・ユニバーシティ』

Q:ピクサーは女性監督が少ない反面、プロデューサーには女性が多い印象がありますよね。何か理由があるんでしょうか?

 男性女性ということではないと思います。ジョナス・リヴェラ(男性)は『カールじいさんの空飛ぶ家』のプロデュースをしたし、ジョン・ウォーカーは『Mr.インクレディブル』をプロデュースしています。ここには才能豊かな人がたくさんいますよ。昔のこともよくご存じだと思いますが、キャサリン(・サラフィアン、女性。『メリダとおそろしの森』のプロデューサー)、わたし、ダーラ(・K・アンダーソン。『トイ・ストーリー3』などのプロデューサーで、2008年に「最も商業的に成功した映画プロデューサー」としてギネス認定された)は、ここのプロデューサーとして、この仕事を覚えたわけですが、いわば、みんなピクサーの内部で仕事をたくさん覚えながら上がってきた人間です。ピクサーでは外部からだけでなく、内部から人材を探すということもしているんですよ。

『モンスターズ・ユニバーシティ』
本作の監督に抜てきされたダン・スカンロンさん。

Q:今作のダン・スカンロン監督がまさにそうした人材ですよね。2001年に入社してから、これがピクサーでの長編初監督作です。

 ジョン・ラセターとピート・ドクターが、ダンにこの映画を監督してもらいたいと思っていたんです。ダンがどういう経験をしたかについては、彼自身に話してもらえると思うけど。でも、彼のストーリー作りの経験や、感性、ユーモアのセンスなどを見ていて、彼らはダンが素晴らしい監督になることがわかっていたのでしょう。そして、これだと思える機会を待っていたんです。

Q:コーリーさんが入社したころと今のピクサーでは、何か変化はありますか?

 人が増えましたね。わたしが会社に入った1993年は50人しかいませんでした。今は1,200人いるので、最初のように全員の名前を知っているということはありません。『トイ・ストーリー2』くらいまでは会社で働いている全員が1作に関わっているという感じでしたが、今は人が増えたこともあり、同時並行的に映画が制作され、一つごとにチームができています。ただし、良い映画を作るという目的は変化していません。

『モンスターズ・ユニバーシティ』
映画『モンスターズ・ユニバーシティ』より

Q:ピクサーで最も印象的な出来事は何でしょう?

 ……『トイ・ストーリー』と『バグズ・ライフ』の間、でしょうか。『トイ・ストーリー』がすごい成功を収め、違う映画を作ることになったとき、わたしたちには『トイ・ストーリー』と同じくらい良い映画を作らなければいけないというプレッシャーがありました。でも、その一方で、また新しい映画が作れるという喜びもあったんです。だから、その場に居合わせることができたことは幸せだと思います。わたしたちは、本当に一丸となっていたのです。とても幸せな時間でしたよ。

映画『モンスターズ・ユニバーシティ』は公開中

(C) 2013 Disney / Pixar. All Rights Reserved.

特集「ピクサー訪問記 『モンスターズ・ユニバーシティ』編」バックナンバー

■第1限「ピクサーってこんな会社!」
■第2限「ピクサー社員のオフィスに潜入!」

『モンスターズ・ユニバーシティ』関連記事

『モンスターズ・ユニバーシティ』が首位キープ!サンドラ・ブロック新作も健闘 -7月1日版【全米ボックスオフィス考】
『モンスターズ・ユニバーシティ』トップに君臨!ピクサー14作品連続首位デビュー! -6月24日版【全米ボックスオフィス考】
『モンスターズ・ユニバーシティ』オープニング初公開!ちびマイク、かわいすぎ!あの先生の声は誰?
『モンスターズ・ユニバーシティ』製作陣来日!マイク役の爆笑・田中オファーを待っていた!
田中裕二&石塚英彦がアフレコした『モンスターズ・ユニバーシティ』予告編ついに公開!
ピクサー新作の超リアルな映像が公開!本当にアニメなの?
『ファインディング・ニモ』続編製作決定!今度はドリーが行方不明に!

[PR]

この記事を共有する

映画アクセスランキング
  • Loading...
»もっとランキングを見る«
スポンサード リンク
スポンサード リンク
  1. 記事
  2. 2013年
  3. 7月
  4. 16日
  5. 第3限:ピクサーで働く? それとも遊ぶ?