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今週のクローズアップ あのスターの最も美しかった頃をプレイバック!
世紀の美男子名鑑

 アラン・ドロン主演の名作『太陽がいっぱい』のリバイバル上映を記念し、「絶世の美男子」とうたわれた欧米のスター10人をピックアップ。唯一無二の個性や魅力、その美貌が最も輝いていた時代を振り返ります!

FILE01 アラン・ドロン
ヨーロッパを代表する美のカリスマ

 フランスの美男子といえば、アラン・ドロン。ハリウッドでは成功とまではいかなかったものの、ルネ・クレマン監督による不朽の名作『太陽がいっぱい』(1960)やルキノ・ヴィスコンティ監督作『若者のすべて』(1960)、ジャン=ピエール・メルヴィルの『サムライ』(1967)など、多くのヨーロッパの巨匠たちを魅了した美の化身。中でも、彼には『太陽がいっぱい』や『若者のすべて』のような陰鬱な役柄がハマる。

 国際的に脚光を浴びるきっかけとなったサスペンス『太陽がいっぱい』でドロンが演じたのは、富豪の息子フィリップを殺し、彼に成り代わって生きようとする貧しい青年トム。完全犯罪を鮮やかに実行し、洗練された美しいセレブに変身していくさまに高揚感を覚えつつ、誰も立ち入ることのできない心の闇に引き込まれる。何を考えているかわからない、謎めいた陰りを醸し出せるのは、彼の完璧な美貌があってこそではないだろうか。『ハーフ・ア・チャンス』(1998)で引退宣言をするも、その後「アラン・ドロンの刑事物語」などテレビドラマで活躍しているもよう。

 

生年月日:1935年11月8日
出身地:フランス
クレジット:(C) ROBERT ET RAYMOND HAKIM PRO. / Plaza Production International / Comstock Group

FILE02 ロバート・レッドフォード
上品かつ知的な「好青年」の代名詞

 いまや監督、プロデューサーとしての活躍が目立つロバート・レッドフォードだが、ブラッド・ピットがブレイクしたころに「レッドフォードの再来」といわれたように、かつては「好青年」の代名詞的存在だった。『明日に向って撃て!』(1969)でブレイクし、『スティング』(1973)『追憶』(1973)『華麗なるギャツビー』(1974)など1970年代前半の彼は、まばゆいほどの美しさ。

 特に、『追憶』で演じた、リベラルなヒロインと20年にわたって愛を育む温厚な青年像にはウットリ。大学を卒業後、社会人になった二人が再会したときの白い軍服姿は、まるで白馬の王子様といった感! 上品かつ知的なイメージがレッドフォードの個性だ。1978年にインディペンデント映画や若い才能をバックアップするサンダンス映画祭を主催。アカデミー賞では俳優としては無冠ながら、『普通の人々』(1980)で監督賞を獲得。イーストウッドと同様、俳優から監督へのシフトチェンジに成功したレッドフォードは、現在、76歳。ハリウッドで最も幸福な年の取り方をしている映画人の一人だ。

 
生年月日:1936年8月18日
出身地:アメリカ/カリフォルニア州サンタモニカ
次回作:『ランナウェイ/逃亡者』
Columbia Pictures/Photofest/ゲッティイメージズ
FILE03 レオナルド・ディカプリオ
少年の面影を残した永遠の王子様

 『ロミオ&ジュリエット』で少女漫画に出てきそうなコスチュームプレイを披露して以来、「レオ様」の愛称で親しまれてきたレオナルド・ディカプリオマーティン・スコセッシクリント・イーストウッドスティーヴン・スピルバーグら名匠たちとタッグを組み、着実にキャリアを築きながらもアカデミー賞には一歩届かず。しかし、人気に陰りが出ることはなく第一線で活躍し続けているのは、少年の面影を残した鉄板の美貌ゆえ。

 彼の絶頂期は、何といってもあの名作ラブストーリー『タイタニック』。絵描き志望の貧しい青年、お嬢様とのかなわぬ恋、その身を犠牲にして愛する人を助ける崇高な魂……と、現実では絶対にあり得ない王子様のようなキャラクターも、彼の美貌をもってすれば違和感ゼロ。究極の美青年が織り成す純愛ストーリーに世界中の老若男女が心酔し、ときめいたはず。『アビエイター』(2004)や『J・エドガー』(2011)では、役柄のために体重を増やしたのか一気に「おっさん」化し、女子にはすこぶる不評だったが、線の細さはキープしてほしいところだ。


生年月日:1974年11月11日
出身地:アメリカ/カリフォルニア州ハリウッド
上映中:『華麗なるギャツビー』
Paramount Pictures/Photofest/ゲッティイメージズ
FILE04 ジェラール・フィリップ
「貴公子」の名がふさわしい薄命のスター

 「フランス映画の貴公子」と呼ばれるジェラール・フィリップは、1940年代から50年代にかけて活躍し、36歳の若さでこの世を去った薄命のスター。出世作である『肉体の悪魔』(1947)をはじめ、スタンダールの文芸ロマンを映画化した『パルムの僧院』(1947)『赤と黒』(1954)、役名のファンファンが愛称となった『花咲ける騎士道』(1952)といった時代を超えて愛され続ける名作多数。1953年にはフランス映画祭のゲストとして登壇するため来日を果たし、高峰秀子ら大物女優たちをもとりこにした。

 『肉体の悪魔』では、当時25歳だったフィリップが、人妻マルトとの不倫に溺れる17歳の高校生フランソワを好演。最初にひと目ぼれしたのはフランソワだが、次第に彼の無鉄砲で気まぐれな言動にマルトが翻弄(ほんろう)され、立場が逆転していくさまは、「きみはペット」を彷彿(ほうふつ)させて面白い。やがてマルトが子を宿したときの優柔不断ぶりにはやきもきさせられるが、フィリップの彫像のような美貌にウットリしてしまい、ニクめない。女を狂わせる生粋の美男子だ。


生年月日:1922年12月4日
出身地:フランス/カンヌ
Photofest/ゲッティイメージズ
FILE05 ビョルン・アンドレセン
ヴィスコンティに見いだされた絶世の美少年

 ルキノ・ヴィスコンティの代表作『ベニスに死す』(1971)の、主人公の中年作曲家を魅了する少年タジオ役で知られる絶世の美少年。日本での劇場公開作は端役で出演した『スウェーディッシュ・ラブ・ストーリー』(1970)と合わせて2本のみということもあって、伝説として語り継がれているカリスマ子役だ。

 まだ無名だった時代に『ベニスに死す』のタジオ役を求めてヨーロッパ中を探し回っていたヴィスコンティに見いだされたアンドレセンは、ギリシャ彫刻を思わせる浮世離れした美貌の持ち主。同作で、ストーカーのように追い掛けてくる作曲家をチラリと振り返った際に見せる小悪魔的な笑みの美しさといったら……! 少年ながら、自らの美に絶対的な確信を持つ大人びた妖しさに魅了される。同作でのイメージが定着して伸び悩んだのか、その後姿を見なくなってしまった彼だが、母国スウェーデンのテレビドラマなどにたまに出演しているようだ。


生年月日:1955年1月26日
出身地:スウェーデン/ストックホルム
Warner Bros./Photofest/ゲッティイメージズ
FILE06 リヴァー・フェニックス
23歳の若さでこの世を去った青春のシンボル

 わずか23歳の若さでこの世を去った、永遠の美少年リヴァー・フェニックス。不幸な家庭環境に苦悩する少年を演じた『スタンド・バイ・ミー』(1986)、自分を捨てた母親を捜す旅に出る男娼(だんしょう)にふんした『マイ・プライベート・アイダホ』(1991)など、数々の名作青春映画に出演。不安定でもろく繊細な「青春のシンボル」のイメージが定着している。

 特筆すべきは、アカデミー賞助演男優賞にノミネートされた『旅立ちの時』(1988)。リヴァーの役どころは、反戦運動のテロリストとして指名手配される両親と共に逃亡生活を強いられる長男ダニー。新しい転居先で教師にピアノの才能を見いだされ、家族か進学か、という大きな決断を迫られる少年の葛藤が胸に迫る。『スタンド・バイ・ミー』しかり、大人に抑圧される無力なティーンのかなしげな表情が印象的だ。ピアノを弾くシーン、初恋の少女とのぎこちないキスなど、胸キュンの名場面が満載!

生年月日:1970年8月23日
出身地:アメリカ/オレゴン州マドラス
Warner Bros./Photofest/ゲッティイメージズ
FILE07 ジョニー・デップ
「二枚目」のイメージにあらがう映画界きっての反逆児

 先頃新恋人のアンバー・ハード と、子どもたちを伴って来日したジョニー・デップ。奇才ティム・バートンとのコンビ作や『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズでの海賊ジャック・スパロウ役など、エキセントリックな役柄を好み、いわゆる「正統派美男子」の型にはまらないデップ。過去をさかのぼると『ドンファン』(1995)や『リバティーン』2004)などプレイボーイ、モテキャラの役もチラホラあるが、彼の美貌が効果的に生かされている作品の一つに『フレンチなしあわせのみつけ方』(2004)がある。

 監督、俳優のイヴァン・アタルが妻のシャルロット・ゲンズブールをヒロインに迎えて撮った本作で、デップは人妻を一瞬で魅了する美青年を好演し、わずか数分のカメオ出演ながら鮮烈な存在感を発揮している。CDショップで試聴をしていた人妻の横に並び、同じ曲を聴いて「思い」を共有するというロマンチックなシーンで、女性なら誰しも、彼に一目ぼれする人妻の姿に自分を重ねるハズ。さらにクライマックスで偶然再会した二人がエレベーターで甘いキスを交わす幻想シーンには、夢心地に。まさに、女性の理想を具現化したかのような「夢の男」だけに、生活臭が感じられず「生身の男」の感じがしないのはデップならでは。

生年月日:1963年6月9日
出身地:アメリカ/ケンタッキー州オーウェンズボロ
次回作:『ローン・レンジャー』
FilmMagic/getty Images
FILE08 ジュード・ロウ
ゴージャスなルックスで魅了する英国の伊達男

 長いまつ毛と青い目がチャーミング、「ゴージャス」という言葉がピッタリのイギリス人俳優。ヌードを披露した『オスカー・ワイルド』(1997)やプレイボーイを演じた『アルフィー』(2004)など、彼の美貌を生かした役柄に恵まれ、『コールド マウンテン』(2003)ではアカデミー賞助演男優賞にノミネートされた実力の持ち主。サディ・フロストとの離婚を経て、シエナ・ミラーと別れと復縁を繰り返すなど、女性遍歴も華やかな彼の持ち味が最も際立っているのが、『リプリー』(1999)。

 アラン・ドロン主演の『太陽がいっぱい』と同じ原作を、マット・デイモンジュード・ロウのW主演で映画化した本作で、ジュードが演じるのは主人公リプリーを魅了する富豪の息子ディッキー。親の財産で豪遊する絵に描いたようなドラ息子の、美しく傲慢(ごうまん)、裕福さゆえの残酷さをハマり役で体現している。劇中、クラブのバンドで「Tu vuo fa' l'americano」を歌うシーンは必見!

生年月日:1972年12月29日
出身地:イギリス/ロンドン
次回作:『サイド・エフェクト』
Paramount Pictures/Photofest/ゲッティイメージズ
FILE09 キアヌ・リーヴス
欧米、アジア、どちらにもハマる稀有な個性

 カンヌ国際映画祭に来場した際の激太りの姿に、マスコミを騒然とさせたキアヌ・リーヴス。元は黒髪と白い肌が印象的な美男子。『スピード』(1994)『マトリックス』シリーズ(1999~2003)など、ヒーロー役で好評を博したかと思えば『ザ・ウォッチャー』(2000)や『ギフト』(2000)では悪役にふんするなど一定のイメージに甘んじない彼だが、その美貌が最も際立っていたのは1990年代前半。若き熱血FBI捜査官にふんした『ハートブルー』(1991)、リヴァー・フェニックス演じる男娼が思いを寄せる青年にふんした『マイ・プライベート・アイダホ』(1991)、そしてシッダールタ王子という大役に挑んだ『リトル・ブッダ』(1993)。

 映画『リトル・ブッダ』は、巨匠ベルナルド・ベルトルッチ監督が、シッダールタ王子の生きた過去と現代を交差させながら「輪廻(りんね)転生」という壮大なテーマをつづった一大叙事詩。花びらが舞い散るなか、王子の一行が街を行脚するシーンをはじめ、キアヌの引き締まった褐色の体、アイメイクを施したエキゾチックなルックスは絵画を思わせる美しさ。おとぎ話に出てきそうな王子の浮世離れした雰囲気を、違和感なく醸し出しているのはまさに彼の成せる業だ。テーマに宗教を含んでいるだけに、作品の好き嫌いは分かれるかもしれないがこのキアヌの美しさは必見だ。

生年月日:1964年9月2日
出身地:レバノン/ベイルート
次回作:『47RONIN』
Miramax Films/Photofest/ゲッティイメージズ
FILE10 アル・パチーノ
イタリアの血を引く彫りの深い顔立ちで魅了

 目に狂気と哀愁をたたえた名優。イタリアの血を引く彫りの深い顔立ちが印象的なパチーノには、ロマンチックなラブストーリーよりも社会にほえる一匹おおかみがよく似合う。『セルピコ』(1973)『狼たちの午後』(1975)『スカーフェイス』(1983)など、目をギラつかせたアウトローが十八番(おはこ)だ。そんな彼のクールな魅力が最も光るのは、『ゴッドファーザー』(1972)にほかならない。

 同作の制作時、フランシス・フォード・コッポラがマイケル・コルレオーネ役に当時の花形スターだったロバート・レッドフォードを推した映画会社を説得し、無名のアル・パチーノを抜てきしたのは有名な話。ドンである父親から溺愛されたエリートの青年が、家族を救うためにマフィアの血で血を洗う抗争に巻き込まれていく。顔をひきつらせる恋人をよそに、淡々と家族の血なまぐさい歴史を語る冒頭からして貫禄がみなぎり、冷静沈着なマイケルという人物の恐ろしさが伝わってくる。陰影を利かせたショットを多用しているせいもあり、頂点に立つ者の孤独が垣間見える伏し目がちな表情が印象的だ。

生年月日:1940年4月25日
出身地:アメリカ/ニューヨーク市サウス・ブロンクス
Paramount Pictures/Photofest/ゲッティイメージズ
構成・文:シネマトゥデイ編集部・石井百合子

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