シネマトゥデイ

瀧本美織
『貞子3D2』
一刻も早く帰りたくなったホラーの世界
『貞子3D2』瀧本美織 単独インタビュー

取材・文:永野寿彦 写真:本房哲治

「呪いのビデオ」で日本中を恐怖のどん底に陥れた貞子が、ネット上の「呪いの動画」としてよみがえり、3Dという体感型の怖さまでプラスして復活を遂げた『貞子3D』の続編が登場。前作の事件から5年後、網膜から感染するリングウイルスによって再び引き起こされる連続怪死事件の恐怖を、スマートフォン連動型上映「スマ4D」という新たな方式を駆使して描く作品の魅力を、事件の渦中に立たされることになるヒロインを演じた瀧本美織が語った。

■苦手だけどなぜか縁がある? ホラー作品で映画初主演!

Q:本作が映画初主演となりますが、プレッシャーはありましたか?

正直なところ、特別な意識はしていませんでしたね。後からそうなのかって思ったくらいで。作品はみんなで作るものだと思っていましたし。ただ、わたしデビュー作も『彼岸島』というホラーなんです。何か縁があるのかなって。怖い映画、すごく苦手なんですけど。

Q:苦手なのに、日本映画の最恐ヒロインとも言うべき『リング』シリーズの「貞子」との共演ですね。

本当はお断りしたかったんですよ(笑)。絶対無理ですって正直に。でも、せっかくのチャンスだからやってみようと思いました。怖がる立場の役なので、わたしの感じる怖さが、リアルな恐怖感として伝わればいいかな、と。やるからにはとことんやろうと腹をくくりましたね。ただ、怖い気持ちはそのままなので。実は台本にもしばらく触れなかったんですよ。真っ黒い本だったので、それだけで怖くて。しばらく放置していました(笑)。

Q:その放置期間の後、実際に台本を読まれたときはどんな感想を持たれました?

とにかく怖かった。でも、これを映像にしたら、しかも3Dでやったらすごい迫力になるだろうなと。映像になったときへの興味が湧いてきましたね。昔から好奇心だけは強い方なので。ホラーはすごく苦手なんですけど、このシリーズの原点である『リング』も小さい頃に友達と一緒に観ているんですよ。怖いもの見たさで。さすがに怖いシーンでは目を覆っていましたけど。

■その場の空気を感じて自然に演じる大切さ

Q:その『リング』の恐怖の源である貞子と向き合うことになるヒロイン楓子は、優しいだけでなく、傷つきやすい心を持つ繊細なキャラクターでしたね。

英勉監督からは「楓子ちゃんは良い子なんですよ」って言われました。「そういう良い子がこういう怖い目に遭うんだよね」って。そういう意味では、観ている人たちが思わず応援したくなってしまうような女性になれればいいのかな、と。一見、元気で明るいのだけれど、実は傷つきやすく壊れやすい、デリケートな女の子。自分が子どもの頃に体験したことをトラウマとして抱えている。そのことを心の奥にしまって鍵を掛けて、精いっぱい元気に振る舞ってきた女の子だと思ったので、撮影中もそういう雰囲気が出せるように常に心掛けていましたね。

Q:実際に演じる上で、最も大切にしたことは?

台本に書かれている楓子の気持ちに沿って、できるだけ自然に演じることでした。ここは怖がろう、ここでは悩もうとか計算するのではなく、そのときに感じた自分の思いと重ねて、怖かったら叫ぶし、選択を迫られたら、自分だったらどうするかを考えて。その場の雰囲気を大事にしていましたね。事前に役づくりみたいなことをしても、実際に現場に入ると感じられることも違っていたりするので。前作にも登場した死刑囚・柏田役の山本(裕典)さんとのシーンでは、その言葉の衝撃に揺れながら暗示にかけられるような感じで演じましたし。その場で空気を感じ、一緒のシーンで演じる俳優さんとの間に生まれる化学反応を大切にしていますね。

Q:本作の物語で鍵となる存在の、5歳の少女・凪を演じた平澤宏々路ちゃんとのシーンが多かったですね。

彼女が演じる凪と気持ちを重ねるのも大事なポイントでしたね。監督が細かく声を掛けつつ撮影していきました。(宏々路ちゃんは)表情豊かな女優さんなので魅力的だし、すごく怖い顔を見せてくれています。そのおかげで、楓子の揺れる心もより自然になっていると思う。でもオンオフをちゃんと切り替えているので、撮影の合間は二人で仲良く遊んでいました。

■3Dホラーならでは!ハードな恐怖シーンにも挑戦

Q:結構ハードなシーンもありますが、撮影はかなり大変だったのでは?

大変でしたね。大量の赤い水を使ったシーンがあるんですが、セットがまるで洗濯機みたいでした。水がぐるぐると渦を巻いて。その圧力に負けないように踏ん張って。体力勝負。服も体も赤く染まっていたので、撮影後は毎日シャワーを浴びてから帰っていました。ワイヤーアクションもやりましたね。水中という設定でグリーンバックでの撮影だったのですが、一日中ワイヤーにつられて。

Q:一日中ですか。お体は大丈夫でした?

大丈夫ではなかったです(笑)。ずっとエビ反り状態で、酸欠になるくらいキツかったですね。ロケ場所も不気味でしたし。霊感なんてないんですけど、見るからに何かいそうな感じで。暗い廊下を走るシーンも怖くて。それにカメラは後ろから追い掛けてくるので、わたしが先頭。すっごく怖かったです。一刻も早く帰りたいって気持ちでした(笑)。あまり役は引きずらないタイプなんですけど、今回は精神と体力をかなり使ったので大変でしたね。

Q:『風立ちぬ』のヒロインの声からホラー映画のヒロインと、その変身ぶりに観る方もびっくりされると思います。

全くカラーが違う映画ですから、自分でもびっくりしています。でも、そういうところが演技をするということの魅力でもある。ホラーは苦手だけど、やるからにはホラー好きな方にも怖がっていただけるような演技をしたかった。じわじわ迫ってくる恐怖感とか、どんどん追い詰められていく感覚とかを、楓子の気持ちになって3Dで体感してもらえたらうれしいです。もちろん、ホラーというだけでなく、人間ドラマとしても楽しめる作品になっているので多くの方に観てほしいですね。

「これからも自分でも思いも寄らないような役に出会って、観ている人を引きつけられるような女優になりたいです」と力強く語った瀧本。写真撮影の際に貞子とツーショットを撮ることになると、「どんな顔をしていいかわからない!」と怖がりながらも、心からはしゃぐ若々しい笑顔を見せた。一方劇中では、そのときとは全く正反対のプロの女優としての顔を見せていた。そんな瀧本の、作品に真っ向から挑む演技の魅力が詰まった本作で、体感型ホラーの楽しさを満喫してほしい。

ヘアメイク:佐鳥麻子 スタイリスト:寄森久美子(株)SMOOCH

映画『貞子3D2』は全国公開中

[PR]

この記事を共有する

映画アクセスランキング
  • Loading...
»もっとランキングを見る«
スポンサード リンク
スポンサード リンク