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シネマトゥデイが選ぶ 今月の5つ星

『第9地区』のニール・ブロムカンプ監督最新作『エリジウム』、カンヌ国際映画祭審査員賞を受賞した福山雅治主演作『そして父になる』、クリント・イーストウッド監督・主演の同名作を『悪人』の李相日監督が渡辺謙主演で再映画化した『許されざる者』など、必見の秋映画をピックアップ!

9月13日公開 「サムライ」の悲しき業がほとばしる渡辺謙の美しい殺陣が圧巻 『許されざる者』 作品情報

クリント・イーストウッドが監督・主演を務め、第65回アカデミー賞で作品賞を含む4部門受賞を果たした名作を、『悪人』『フラガール』李相日監督が渡辺謙を主演に迎え、新たな息吹を吹き込んだ本作。オリジナル版でクリントが演じた主人公ウィリアム・マニーは、その昔非道の限りを尽くした悪党という設定だったが、渡辺演じる「人斬り十兵衛」は、侍として生きていた時代、刀を持てば戦わずにはいられない世に生きた男。オリジナルにはなかった、「生きるために(人を)斬ってきた、主人公の悲しい宿命」がストーリーに更なる深みをもたらしている。また、オリジナルと大きく異なるのが、ガンファイトでは再現できなかった殺陣の美しさ。努力家で知られている渡辺が、これまで培ってきた殺陣の才能をいかんなく発揮。ラスト、十兵衛が感情を爆発させ、男たちを斬りまくるシーンからは、十兵衛の圧倒的な強さと共に、侍として生きてきた男の業の深さがこれでもかと迫りくる。李監督の手によって脚色され、日本人の豪華キャストたちが魂を込めて演じた本作は、オリジナルを完全に凌駕(りょうが)したと言っても過言ではない。(編集部・森田真帆)

『許されざる者』©2013 Warner Entertainment Japan Inc.
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9月20日公開 スペースコロニーやガジェットの造形に監督のセンスが光る 『エリジウム』 作品情報

上半身に多数のタトゥ&スキンヘッドで、近未来の貧困層の希望の星となる主人公マックスにふんするマット・デイモン……。これまでに観たことのないマットが、幼いころの恋心を胸に抱き続ける中、事故により余命5日と告げられたことから生を渇望し、死と隣り合わせのギリギリの戦いを繰り広げるさまを目の当たりにするだけでも一見の価値を得られる本作。ニール・ブロムカンプ監督が、『第9地区』以来4年ぶりに完成させた新作とあって注目度も高いが、富裕層だけが暮らすスペースコロニー「エリジウム」の造形や地球と行き来する飛行機などを含めたCG、ガジェット(小道具)の隅々に前作『第9地区』に共通するブロムカンプ流のセンスが光っており、ファンも納得の世界観が出来上がっている。武器の一つとして日本刀や桜の木を思わせるピンクの花びらを付けた植物が登場することもうれしい驚きで、物語後半はアクションのみならず、地球の環境や格差から生まれた人権問題、生と死、愛する人との犠牲的な別れなど怒涛(どとう)の追い込み&要素がギッシリ。エリジウムの政府高官ローズを演じている名優ジョディ・フォスターの冷徹で美しい立ち振る舞いが作品全体を引き締めるアクセントになっており、その効力を発揮した演技力はさすがのひと言。(編集部・小松芙未)

『マジック・マイク』©2012 The Estate of Redmond Barry LLC.All right reserved.
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9月21日公開 ゾンビ映画ファンもラブコメファンも大満足の希有な作品 『ウォーム・ボディーズ』 作品情報

ゾンビ男子が人間女子に恋をするという「ゾンビ・ミーツ・ガール」のアイデアを製作陣が思い付いたときから、成功は約束されていたといってもいいだろう。それほどまでにアイデア勝ちである本作は、いわゆるゾンビ映画のイメージとは180度異なるキュート&ポップなラブコメディーだ。言ってしまえば、ゾンビ男子が恋をすることで徐々に人間らしさを取り戻していくというそれだけの話なのだが、秀逸なのは「ゾンビ」を「夢や希望をなくした人、自分に自信がない人」といった要素に置き換えても物語が成立すること。一方、そんな彼が恋に落ちるヒロインをはじめとする「普通の人間たち」は夢も希望もあり、ついでに恋人もいるという“リア充”ばかり。つまり、この映画ではゾンビが人間を襲うが、それは世の非リア充たちの願望を投影しているのだ……! という見方もできる奥深さもあり。その割りに主人公のゾンビ男子にふんするニコラス・ホルトがやけにイケメンなところは気になるが、男女どころか、ゾンビ映画ファンとラブコメファンが一緒に楽しめる希有な作品となっている。(編集部・福田麗)

『ウォーム・ボディーズ』©2013 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.
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9月21日公開 類を見ないほど効果的な3D映像は、前作よりぐんとアップ 『怪盗グルーのミニオン危機一発』 作品情報

前作『怪盗グルーの月泥棒 3D』から3年、今年7月に公開されるや『トイ・ストーリー3』を超えて全米アニメ映画史上歴代1位のオープニング(5日間)記録を樹立し、現時点で『アイアンマン3』に次いで2013年の全世界興行収入2位となっている話題作。本作では、主人公グルーが3人の孤児の立派な父親になるべく怪盗から実業家に転身したという設定のため、知られざる悪党ライフを描いた前作のきらめきが失われ、よくある家族の物語になってしまった感は否めない。ただ、邦題にもなっている「ミニオン」(黄色い謎の生き物)たちの魅力にはあらがえず、彼らが画面に登場するたびつい声を出して笑ってしまう。単純極まりない造作をここまで表情豊かに見せる制作陣の手腕に感服するばかりだ。前作でもジェットコースターのシーンなど、3Dがアニメ作品では類を見ないほど効果的に使われていたが、それは本作でさらにパワーアップ。『007』シリーズへのオマージュあふれるシーンの数々からエンドロールまで、「アトラクション3D」といううたい文句に恥じない、現実を忘れて没頭できるただただ楽しいエンターテインメント作に仕上がった。アニメはスタジオジブリやディズニー / ピクサー作品しか観ないという人たちにもぜひ一度試してもらいたい。(編集部・市川遥)

『怪盗グルーのミニオン危機一発』©20132013 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.
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9月28日公開 初の父親役に挑んだ福山の「戸惑い」を生かした是枝マジック 『そして父になる』 作品情報

今年のカンヌ国際映画祭で、審査委員長を務めたスティーヴン・スピルバーグをうならせた本作は、病院で取り違えられた子どもと二組の家族の葛藤と再生を描いたドラマ。主演を務めた福山雅治が「ライブと同じく即興だった」と語っていた言葉通り、作中はドキュメンタリータッチで、リッチな野々宮家、プアな斎木家という、異なる家族を丁寧に見つめていく。初の父親役の挑戦に戸惑いを感じたという福山だが、その「違和感」が逆に作品に味を出しており、場をさらうリリー・フランキーの存在感や、自然体な子どもたちの言動も含め、是枝マジックはさすがのひと言。血より濃いものを知ったとき、自分ならどうするのか。ラストは家族について考えずにはいられない良作だ。(編集部・山本優実)

『そして父になる』©2013『そして父になる』製作委員会
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  5. 第54回『許されざる者』『エリジウム』『ウォーム・ボディーズ』『怪盗グルーのミニオン危機一発』『そして父になる』