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阿部サダヲ&井上真央
『謝罪の王様』
めちゃくちゃに見えて、きちんとつながっている
『謝罪の王様』阿部サダヲ&井上真央 単独インタビュー

取材・文:シネマトゥデイ編集部 森田真帆 写真:奥山智明

ヒット作『舞妓 Haaaan!!!』『なくもんか』に続いて、水田伸生、宮藤官九郎、阿部サダヲの監督・脚本・主演トリオによる第3弾『謝罪の王様』は、どんなトラブルも必ず「謝罪」のみで解決する、東京謝罪センターの所長・黒島護が、さまざまな問題を解決していくドタバタ劇を描く抱腹絶倒のコメディー。縦横無尽にスクリーンを駆け回る阿部と、映画『綱引いちゃった!』で水田監督とタッグを組んだ井上真央が個性派共演者たちとの撮影を振り返った。

■踊る阿部のエンドムービーは、本人も共演者も初耳!?

Q:ハイテンションな阿部さんをスクリーンで観るのは久しぶりでしたね!

阿部サダヲ(以下、阿部):最近はシリアスな役が続いていたので、笑いをやりたいというウズウズ感もありました。水田監督や宮藤さんの作品にもしばらく出る機会がなかったので「そろそろやりたいな~」って思っていたときに、この映画のお話をいただいて、うれしかったですね。ただエンドムービーは脚本にも書かれていなかったので、正直びっくりしました。

井上真央(以下、井上):わたしもラストで踊る阿部さんを見て、びっくりしましたよ! 「持っていかれた~」って思いました(笑)。

阿部:あ、やっぱりそうだった? そうだよね? なんか……いま初めて共演者の方の感想を聞けた気がする……。

井上:ほかの出演者の方は、エンディングのことを誰も知らないと思うので、映画を観たら皆さんきょとんとしそうですよね(笑)。

Q:本編では井上さんもレオタード姿で踊られていましたね!

井上:レオタードは、衣装合わせの段階から着ていましたね(笑)。撮影がすごく寒かったのをよく覚えています。

阿部:寒かったな~。井上さんと踊っていた撮影場所は、監督がこだわって探してきた場所なんです。歴史の長い建造物らしくて、撮影当日も見学の方がいたりしたので、あの格好で待つのは大変だったよね?

Q:お互いのダンサーとしての才能はいかがでしたか?

井上:もう阿部さんと言えば、できないことはない! 歌って踊る人なので、ついていくのに必死でした。

阿部:歌って踊るのが好きな人みたいな感じ? いやいや、そんなことはないんだけど……(笑)。僕は、よく間違えていました。でも井上さんの吹っ切ったときの力に感動しちゃった。本番でグーンと突き抜けるので、頼りになるんです。

井上:阿部さんは、スイッチの入り方がすごいんです! こういうときに発散するために、よっぽど何かがたまっていらっしゃるんだろうなって思いました(笑)。

阿部:アハハハ! そう見えました? 怖いなあ~。

■阿部、高橋克実に禁断の暴言を吐く!

Q:宮藤さんの脚本も、伏線がいっぱいで抜群に面白かったですね。

井上:めちゃくちゃに見えて、きちんとつながっているんですよね。伝わり方は、人それぞれだと思うのですが、人に意味を考えさせるすごさみたいなものを感じました。わたしはドラマ「タイガー&ドラゴン」など、昔から宮藤さんの作品を観てきたので、脚本を読めたことが一番うれしかったです。

阿部:宮藤さんの脚本で、演じてみたいという役者の方は結構いらっしゃるので、ここまで一緒にやらせていただいていた自分がとてもラッキーだなと、つくづく思いました。井上さんのように初めて宮藤さんの脚本を演じられるという方は、解釈やテンポとかもまったく変わってくるので、井上さんや高橋(克実)さんとの掛け合いとかすごく面白くて勉強になります。「ハゲ散らかして!」とかも(笑)。

井上:言っちゃっていましたね(笑)。

阿部:いや、でもすっごい説得力だった! 実際に散らかしてますもんね。

井上:今の一言、絶対に記事に入れてくださいね(笑)。

■想像をはるかに超える、水田監督のぶっ飛び演出

Q:水田監督の演出はいかがでしたか?

阿部:脚本を読んだとき、「こんなふうになるんだろうなあ」と思っていたことが、映画になったら想像をはるかに超えるんです。最初の井上さんの接触事故も、あんなすごいことになっているとは思っていなかったですし(笑)。

井上:わたし、実はあのシーンがクランクインだったんです。まさか、あんなに衝撃的な接触事故から始まるとはまったく想像していなかったので、とてもびっくりしました(笑)。

阿部:その後、井上さんとヤクザの事務所に行くときもそうですね。脚本を読んだ段階では、あんなに動くとは思っていなかったので(笑)。監督に「引きで撮っているので、ここからここまで動き回ってください」って言われて「そんなに動くんだ!」と。部屋の中に大きなツボがあるんですが、「このツボに頭ぶつけたり……でもこのツボは高価なので気を付けてください」って、細かい指示もありました。

井上:あれ? でもあのツボ、割れちゃいませんでした?

阿部:そうそう。「頭ぶつけて」と言われていたので、ぶつけたら割れちゃって(笑)。つい素で「あっ」って出ちゃいました。

Q:お二人とも水田監督とはお仕事をした経験があるからこそ、ツーカーな感じがしますね?

阿部:演出で足されていることが、結構多いんですよ。女優さんが舞台挨拶で「別に……」と発言しているシーンも、台本には「監督が謝罪している」としか書いてありませんでしたからね。結構、監督は攻めていましたね。

井上:皆さん割と台本通りにやっているんですけど、映画『綱引いちゃった!』でご一緒したときからアイデアが豊富でしたね。

阿部:その最終形がエンドムービーに凝縮されているよね。

■役者全員が猛練習! 決めゼリフ「わき毛ぼーぼー、自由の女神!」

Q:共演の皆さんも、竹野内豊さんをはじめとても豪華でしたね。

阿部:竹野内さんはすっごく静かな方なんです。でも「わき毛ぼーぼー」って言いながら、真面目に練習されていて……。手の向きとかを振り付けの先生に細かく聞いていて。「わき毛はこう生えているから、手の向きはこう!」って言われて「あ~なるほど……」って渋く答えていました(笑)。

井上:「わき毛」の発音ひとつをとっても、厳しかったですよね。「わき毛」の「き」をちょっと上げるとか(笑)。動きもちゃんと決まっていて、意外に難しい! わたしの場合、台本上はキメポーズまでしないでOKのはずだったのに、本番では全力でずっとやらされて、一体それをどこで使うのか、いまだ謎なんです(笑)。

阿部:水田監督は、女優さんにも容赦ないですからね。それはスパルタとかじゃなくて、どんどん面白くしていこうっていう方なんです。きっと井上さんの場合は、もう止めたくないくらいの「わき毛ぼーぼー」を見たかったんでしょうね。僕も止めたくなかったですから(笑)。そういえば「自由の女神!」って決めポーズするときって、片手に本を持つように言われなかった?

井上:言われました!

阿部:そうでしょ? たまにグーの人がいるから、不安になっていたんだよね。

井上:それでちょっと上向くんですよね。竹野内さんも嶋田さんもMATSUさんも、練習されていましたよね。現場で真剣に練習している姿が、ちょっと面白かったです。

阿部:だって嶋田さんと竹野内さんは、ずっと「国を背負うとは……」ってことについて話していましたからね。本当に真面目! 僕、この映画2回観たんですけど、嶋田さんが声を枯らして「わき毛ぼーぼー」って言っていたのを見ると、一生懸命練習していたのを見ていた分、涙出るほど感動しちゃいましたね。

井上:わたしは全編を通して、いろいろな役者さんたちと関われてすごく勉強になったんですが、嶋田さんとはお会いできなかったので残念でした!

「わき毛ぼーぼー!」と楽しそうにやってみせる井上と、役者たちの物まねをしながら「自由の女神―!」と決めポーズをとる阿部の二人の様子からも、この映画の撮影がいかに楽しいものであったかが伝わってきた。阿部が「止められなかったんだと思う」と語った通り、カメラを回していた水田監督もまた、俳優たちのコミカルな演技をずっと見ていたいという衝動に駆られたのではないだろうか。竹野内や嶋田のみならず、さまざまな俳優たちが新たな一面を見せた本作を大爆笑と共に楽しんでもらいたい!

映画『謝罪の王様』は9月28日より全国公開

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