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三谷幸喜監督&役所広司&大泉洋
『清須会議』
監督が現場で足す演出のアイデアは、面白過ぎて笑いが止まらない!
『清須会議』三谷幸喜監督&役所広司&大泉洋 単独インタビュー

取材・文:シネマトゥデイ編集部・森田真帆 撮影:金井尭子

映画『ザ・マジックアワー』『ステキな金縛り』など多くのヒット作を作り出してきた三谷幸喜監督が17年ぶりに書き下ろした小説を自ら映画化した『清須会議』。三谷監督が子どもの頃から大好きだったという戦国武将たちが、天下取りのみならず恋のバトルも繰り広げる痛快な時代劇エンターテインメントだ。どこまでも不器用で正直者な柴田勝家を時に渋く、時にコミカルに演じた役所広司と、特殊メイクを施して「人たらし」と言われた男・羽柴秀吉を魅力たっぷりに演じた大泉洋が、三谷監督と共に撮影を振り返った。

■映画史上初? 体臭までもが臭い立つ戦国武将の誕生秘話!

Q:お二人とも映画の中では大変身を遂げていましたね。

三谷幸喜監督(以下、三谷監督):まさに理想の勝家に、理想の秀吉なんですが、一つだけ弱点があるとすると、秀吉は背が小さい。大泉さんはちょっと背が高過ぎるんですよ。だからCGでちょっと小さくしたいなって思っていたんですけどね。

大泉洋(以下、大泉):初めてこの映画の衣装合わせに来たとき、監督から「大泉さんは小さくなれますか?」と言われたんです。なれるわけありませんよね。だから劇中でもなるべく猫背になるように頑張っていたんですけど、「大泉は時代劇に慣れていないから姿勢が悪い!」って言われないかすごく不安ですよ。

役所広司(以下、役所):僕は、勝家は体臭がキツいとか口臭がキツいって言われていたので、臭いを出すのが大変でしたね(笑)。

三谷監督:戦国武将の体臭とか口臭ってあまり描かれないでしょう。だから、「臭い立つ武将」っていうのは初めてなんです!

役所:撮影中は、ずっとテカっていましたね。メイクさんが粉をはたきにくることはほとんどなく、油をつけに来るほどでした。

三谷監督:もともと、子どもの頃から大好きで、自分の頭の中に40年以上住んでいた武将たちをビジュアライズしていくのは楽しくて仕方がなかったです。時間は長くかかってしまいましたが、歴史ファンであり映画ファンである自分としては、これ以上の喜びはないというほどでしたね。

■撮影現場のムードメーカーは小日向文世!

Q:撮影中に印象に残っているシーンはありましたか?

大泉:旗取り合戦をするシーンがあるんですが、あのときは寒くて大変でしたね。夏に見えますが、冬の撮影で12月に撮ったので。

役所:僕もかなり過酷な撮影になるのだろうと覚悟して臨んだんですが、自分はそこまで走らなくてもいい演出になったのでちょっとほっとしました(笑)。

大泉:あの日、こひさん(小日向文世)がなかなか撮ってもらえなくてボヤいていましたよね(笑)。

役所:そうそう。「よーい、ドン!」って言う役なんだけど、ずっと言い続けているのになかなか自分にカメラを向けられないからブーブー言っていたね(笑)。映っていないのに絶叫だけしていて。

大泉:最初は冗談っぽく言っていたんだけど、最後の方は珍しくちょっと本気っぽかったなぁ(笑)。「どうせまだ映んないんだろっ! いつ撮ってもらえるんだよオレ!」って(笑)。寺島(進)さんなんてものすごく早く撮影が終わって、僕たちが来た頃に「すみませーん!」とか言って帰っちゃってたのに(笑)。

役所:こひさん、一日中叫んでいたもんね。だからついに自分がカメラに映ったときは、すっごい気合入っていたよね! やっぱり全然違ってた。こひさんは待ち時間でも一番おしゃべりなんだよね。だから今回の役柄は、まさに正反対(笑)。変なことをしたくてたまらないのを、たぶんじっと我慢し続けていたんじゃないかな。

三谷監督:こひさん、裏ではしゃべりまくりですよ!

■魔法の一さじが光る、三谷監督の演出方法!

Q:三谷監督の演出はいかがでしたか?

大泉:監督が現場でちょっと足す演出のアイデアが面白いんですよ。役所さんが演じる勝家と、こひさんの(丹羽)長秀の会話を目の前で聞いている僕は面白くて仕方がなくて、笑いをこらえるのに必死でした。

三谷監督:やっぱり「間」なんです。ただ、障子の後ろに隠れて、また顔を出すとかそういうタイミングに関しては、僕は役所さんにいつもお任せしているんです。ああいう間の良さは、天性のものがあるんですよ。

大泉:勝家と秀吉とは行動が呼応して同じことをする場面が多いので、役所さんが先に撮影をしている場合は、よく監督に「これを観てほしい」って映像を見せられるんです。海での競争シーンで勝家が気合を入れるところがあるんですが、三谷監督が「役所さんが何か特別な音を出しているので、同じ音を出してください」って言うんですよ。よく見たら確かに変な音が出てる! でもね、あんな音出ないんです!

役所:そんな音、出してましたっけ? 夢中になってやっていたから覚えていないなあ(笑)。

三谷監督:皆さんにはぜひ、あの音を楽しみにしてほしいですね(笑)!

■三人が付いていきたい、戦国武将は!?

Q:たくさんの魅力的な武将が登場する本作ですが、皆さんは、どの武将に付いていきたいと思いましたか?

三谷監督:子どもの頃から大好きだったのは、丹羽長秀だったんです。肖像画も残っているんですけど、こひさんには最初からその肖像画に似せるようにメイクをしてもらいました。すっごく似ていて、あんなふうに優しい顔をしているんです。「戦国武将なのに、なんでこんなに穏やかな顔をしているんだろう」というところから彼のことを好きになったので、僕は長秀かな。

大泉:この映画を観ていると前田利家がすごくかっこいいんですよね。

役所:それすごくわかる! こひさんもそうだけど、なんかそのまま、真面目に演じている役がとっても魅力的で光り輝いているんだよね。いいなあ……。でも織田信長もかっこいいですね。

三谷監督:役所さんは、信長も信孝もこれまで演じたことがありますものね。あっ、秀吉は演じたことがあるんでしょうか?

役所:ないです。小さくなれるでしょうか?

大泉:役所さんなら絶対なれます(笑)!

おしゃべりが大好きな大泉と三谷監督と、寡黙ながらも突然面白いことをつぶやく役所とのアンサンブルは最高の相性! 撮影中の面白いエピソードを話しだすと、とにかく爆笑が絶えなくなる。「役柄を楽しむ余裕はなかった」と話していた大泉だったが、言葉とは裏腹に三谷組の現場を心の底から楽しんでいた様子が、話しぶりからも伝わってきた。「僕の夢が実現しました!」と子どものようにうれしそうな笑顔で話していた三谷監督の、映画、そして歴史への大きな愛を笑いを通して感じ取ってもらいたい。

(C) 2013 フジテレビ 東宝

【三谷監督】ヘアメイク:立身恵
【役所広司】ヘアメイク:田中マリ子(ベレッツァ スタジオ) スタイリスト:安野ともこ(コラソン)
【大泉洋】ヘアメイク:白石義人 スタイリスト:勝見宜人(Koa Hole inc.)

映画『清須会議』は11月9日(土)より全国公開

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