第2回「実録！映画製作『1人1食100円で』～女優・中原翔子、初めてのプロデュース～」

■「実録！映画製作『1人1食100円で』～女優・中原翔子、初めてのプロデュース～」第2回

　海外でも高く評価される監督の作品に数多く出演してきた「知る人ぞ知る」女優・中原翔子が、映画を作ると決心！　プロデューサー早川ナオミとして一本の映画を完成させる、立ち上げから劇場公開までの道のりを追う。理想と現実のはざまで揺れながら繰り広げられる予算との仁義なき戦い！　想像を超える、壮絶な「映画作り」を目撃してもらいたい！

　連載第2回は、本作のメガホンを握る若手女性監督3名が、原作者である代々木忠監督の元を訪れた現場をレポート！　

■女性監督3名、いざアテナ映像へ！

　「人とつながることができない」現代女性のため、本当に愛し合うということを説いた代々木忠監督の著書「つながる / セックスが愛に変わるために」（祥伝社刊）。そしてこの本を原作に、恋愛できない男女の姿を、3本の短編から成るオムニバスとして映画化する本作。中原の「力があってもなかなか映画を撮る環境にない若手監督に少しでもチャンスを」という思いを受けてメガホンを握るのは、映画『桃まつりpresents なみだ/MAGMA』の渡辺あい、映画『梅田優子の告白』の深井朝子、映画『Dressing UP』の安川有果の3人です。「監督が決まったら、一番に代々木さんにご紹介を！」と決めていた中原は、全員まだ20代という若い女性監督たちを引き連れ、代々木監督が待つアテナ映像に乗り込みました！　

■代々木監督との対面にド緊張！

　「原作を読んでとても面白かったので、代々木監督にお会いするのを楽しみにしていたんです」と話していた3人の女性監督でしたが、ご本人が登場するとガッチガチ！　渡辺監督がこのときのことを「（代々木監督が）何でも聞いてねって言ってくださったんですが、緊張しすぎて何を聞いたらいいかわからなくなってしまいました」と振り返るほど、全員が巨匠との対面に固まってしまいました。しかし、そこはこれまで何人もの女性たちを撮ってきた代々木監督です！　「艶笑ドラマとは、意表を突かれたね。もちろんコメディーを撮るというのは難しいと思うけれど、自信を持って頑張ってください」と優しい笑顔で元気づけてくれました。

■「女性たちが撮ってくれることは何よりもうれしい！」

　3人の女性監督たちを前にした代々木監督は「僕が一番うれしいのは、自分が書いた本の映画化に女性のプロデューサー、そして3人の女性監督たちが挑戦してくれたことです」とニッコリ。監督を探すのに、5か月以上かかったと振り返った中原が「ようやく3人そろいました。代々木さんにご紹介できる日が来てうれしいです」と話すと代々木監督も「僕も皆さんに会えてとてもうれしいなあ。よろしくね！」とあいさつ。さらに自分で脚本を書き自費で映像を撮ってきた渡辺や、長編の映画を10日間で撮り上げた安川など、女性監督たちのハングリーエピソードを聞くと、驚きを隠せない様子でした。

■代々木監督への中原のお願いとは!?

　「この映画のためだったら、何でも協力しますよ！」と優しく語り掛けてくれる代々木監督に中原は「できることならハイエースを貸してください！」とお願い。「正直、今日は代々木さんに何をお願いしようかずっと考えてきたんです。お金の計算をしていて、車両代が意外に掛かると。そこで車を貸していただければとってもうれしいんです」と切実な思いをぶつけたのです。とはいえ、なかなかワイルドなお願いでしたが、代々木監督は「ぶっ壊さなければ貸してあげるよ！」と笑顔。「うち（アテナ映像）がロケで使わないときで良かったらぜひ」と承諾してくれました。無事に車両（アルファード！）を確保（？）できたことに「やった！」と小さくガッツポーズを決めた中原プロデューサーでした。

■早川ナオミの今月の一言！

中原翔子 PROFILE

熊本県出身。明治大学在学中よりモデルとして活動後、女優デビュー。高橋洋作品の常連であり、三池崇史や井口昇など海外でも支持されている監督の作品にも多数出演。国内外を問わず、知る人ぞ知る女優である。ニックネームは“地獄のしょこたん”。

＜近況＞1月11日（土）より1週間、オーディトリウム渋谷にて公開の映画『HO～欲望の爪痕～』（柴田愛之助監督）に出演します！
公式サイト
作品情報

編集部・森田真帆　カバー写真：高野広美