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中川翔子&武田梨奈
『ヌイグルマーZ』
思いを込めて挑んだ、女の子のための特撮ヒーロー!
『ヌイグルマーZ』中川翔子&武田梨奈 単独インタビュー

取材・文:神武団四郎 写真:奥山智明

大槻ケンヂの小説「縫製人間ヌイグルマー」を、個性あふれるヒーロー作品で知られる井口昇監督が映画化した『ヌイグルマーZ』。何をやっても失敗ばかりで、めいの響子からダメ子とあだ名を付けられた主人公・夢子が、宇宙生命体の宿ったヌイグルミ(声・阿部サダヲ)と合体したヌイグルマーとなって、地球の平和のため戦う姿を描く。主演の中川翔子、ヌイグルマーと敵役イケメン男子の二役をこなした武田梨奈が映画に込めた思いと舞台裏を明かした。

■初のヒーロー映画への熱い思いと不安

Q:本作のオファーを受けたときのお気持ちはいかがでしたか?

中川翔子(以下、中川):わたしはずっと特撮が好きで、この世界に入ったのも変身がしたい、ヒーローになりたいという思いがきっかけでした。オーディションに何度も落ち、砕け散ったその夢がやっとかなったので、とにかくうれしかったです。憧れていた大槻ケンヂさん、以前わたしが描かせていただいた漫画の原作者でもある井口監督とのお仕事でもあり、感激のひと言です。

武田梨奈(以下、武田):本作の前に井口監督とご一緒した、『デッド寿司』のプロモーション時にお話をいただきました。すぐに次のお仕事ということでうれしかったのですが、変身ヒーローと聞かされ驚きましたね。初めての役なので、新しい何かを作ってみたいと思う反面、すごいプレッシャーも感じました。

Q:お二人は今回が初対面だったそうですね。

中川:「すごいアクション女優が登場した」と映画界をザワザワさせている梨奈ちゃんなので、お会いできるのが楽しみでした。しかも現場ですぐにジャッキー・チェンのトークで盛り上がれるなんて運命的(笑)。性格も真面目でストイックなので大ファンになり、毎日遠くからスマホのメモリーがいっぱいになるまで(武田の姿を)盗撮して、その写真を送りつけるというストーカーまがいな行為をしてしまいました(笑)。

武田:ずっとテレビで中川さんを拝見してきて、ジャッキー・チェンさん好きと知り、いつかお会いできたらいいなと思っていたんです。それが実現して、しかも撮影の合間にいろんなお話ができたので感激でした。わたしすごい緊張しいなので、あまり自分から人に話し掛けられないんですけど、中川さんから声を掛けていただき、LINEまで交換できて。

■ダメ子は自分にそっくり?

Q:お二人の役どころを教えていただけますか?

中川:わたしの演じたダメ子は、何をやってもダメで周囲からは浮きっぱなしの女の子です。部屋にこもって特撮番組を観たり、ヒーローのポーズを練習したりと、監督はエスパーですか? と思ったくらいわたし自身にそっくり(笑)。ヒーローばかり見てきたからヌイグルマーになれて大喜びで、高ぶりが抑えられずにかっこつけているダメ子。ほんと自分とリンクしすぎていて、頭の中がカオス状態でした。

武田:わたしはダメ子が変身するヌイグルマーと、その敵キルビリーの二役を務めました。ヌイグルマーに関しては、中川さんの持っている雰囲気やしぐさを取り入れることを意識しましたね。一方のキルビリーは、人というものに興味がない男の子。感情を表に出さないのが難しい部分でしたが、響子と出会い、人間を好きになり始めるあたりから、ビリーに憧れや愛着を持ちながら演じることができました。

中川:女の子だらけの映画の中で、梨奈ちゃんのキルビリーはすごくすてき。本当にきれいな男子は2次元の世界にしかいないと思っていましたが、キルビリーは現実とファンタジーの中間のまさに2.5次元の男子なんです。響子とのキスシーンは、マンガに描きたくなるほど興奮でした。

■アクションを支えた意外なヒントとは?

Q:現場の様子はいかがでしたか?

中川:梨奈ちゃんがヌイグルマーの衣装を着ると、すごくかわいくてカッコいい! もこもこふわふわで、スリムな「エヴァボディー」のまますごいアクションをワンカットで決めちゃうんです。あの衣装をここまで着こなしながら動けるって、たぶん宇宙で梨奈ちゃんしかいないと思います。

武田:とにかく中川さんは、この作品に誰よりも愛を持って臨んでいました。それは監督やスタッフさん、キャストさん全員が感じていたと思います。そんな中川さんの愛があったからこそ、もっと良い作品にしようとわたしもがんばれました。ヌイグルマーの衣装はビニールなので、締め付けられるし動きづらいので最初はすごく不安でしたが、中川さんや監督、みんなに助けられたから、やれました。

中川:とんでもない! わたしなんて体育は1だしダメ子とリンクする部分だらけなので。でもダメな子で終わらないようにしたいとは思っていて、梨奈ちゃんのアクションを見てがんばらなきゃって、わたしの方がパワーをもらいました。ヌンチャク振り回すシーンも、少しでもカッコよくできたらヌイグルマーとリンクするかもしれないって、すごく燃えて。梨奈ちゃんがいなかったら、できなかったと思います。

Q:ワンカットで見せるヌンチャクさばきはお見事でした。

中川:そう思っていただけたら成仏しちゃうくらいうれしいです。ダメ子の衣装はすさまじいアマロリで、たまたまいつも車で持ち歩いていた自作のピンクのヌンチャクが、その衣装とぴったりだったんです。部屋にこもって特撮を観たりヌンチャクを作ったり、自分が暗かった時期にやっていたこと全部に意味があったと今度のお仕事で気が付きました。だから撮影中は毎日が幸せで、興奮しすぎて脳からずっと変な汁が出っぱなしでした(笑)。

武田:他人から見ると変だと思われるかもしれないけど、わたしもヌンチャク持ち歩くことがあるので、中川さんの話を聞いたとき、一緒だってすごくうれしくなりました。

中川:希少種!

Q:武田さんは、ヒーロー風のアクションは初だったということですが。

武田:ジャッキーさんとかブルース・リーさんをはじめ、アクション映画は昔から大好きでしたが、ヒーローものはあまり観たことがなかったんです。ですから「仮面ライダー」シリーズのアクションコーディネーター・宮崎剛さんに教えていただきながら練習しました。でも、一番参考になったのが中川さんのヌンチャク姿なんです。

中川:うっそー!

武田:中川さんがヌンチャクを振り回すシーンを撮るとき、宮崎さんに呼ばれて「武田の足りないところ、中川さん全部持っているから見ていて」って。変身して戦うヒーローはこうなんだって、熱気も含めてすごく勉強になりました。それを参考に積み重ね、ヌイグルマーのアクションができたんですよ。

中川:そんな、もったいなさすぎる! 号泣してそのまま転生しそうですよ。わたしは運動神経がなくて、なんでこんなにダメなんだろうって思いながら生きてきたのに、梨奈ちゃんや憧れの宮崎さんにそう言ってもらえたなんてびっくりです。

■女子も元気になれるヒーロー映画!

Q:この映画をどんな人に観てもらいたいですか?

中川:やっぱり女の子に観てほしいですね。男子にとっては特撮、ゾンビ、女の子とどれもがツボな映画ですが、女子も共感できるヒーローものだという点が斬新だと思います。劇中の色彩は宇宙最強色のピンクばかりだし、ロリータ衣装もすてき。女子がかっこよくてかわいくて、みんな自分のコンプレックスを強さに変えて戦っている。こじれると難しい女子同士の友情のあり方とか、すてきなヒントもたくさん入っています。

武田:わたしは、自分はダメだなと思っている人や、落ち込んでいる人に観てもらいたいですね。嫌なことがあっても、いつかそれが無駄じゃないと思える日がきっとくる。つらいのは自分だけじゃない、こういう時期があってもいいのかもって、前向きな気持ちになれる映画だと思います。

インタビュー開始直後から感激モード全開でよどみなく熱い思いがあふれ出す中川と、その様子をニコニコ眺めながら一つ一つ言葉を選んでいく武田。そのコンビネーションは、まさに映画の中のダメ子とヌイグルマーそのもの。自分にない部分を吸収しながら、二人三脚で一つの役を務めたという二人にとって、本作への参加は大きなステップになったようだ。

(C) 2013ヌイグルマーZ / フィルム・パートナーズ

映画『ヌイグルマーZ』は新宿バルト9ほかにて全国公開中

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