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才人ベン・スティラーのお仕事ファイル

今週のクローズアップ

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今週のクローズアップ 才人ベン・スティラーのお仕事ファイル

 最新作『LIFE!』の公開を記念して、俳優としてはもちろん、製作や監督業などでも成功し、ハリウッドの第一線で多才に活躍し続けるベン・スティラーの魅力をさまざまな角度から分析する。

楽しませたい! 生粋のエンターテイナーは血統!?

 父親は俳優のジェリー・スティラー、母親は女優のアン・メアラ、両親共にコメディー俳優であり、そのエンターテイナーぶりは強い遺伝子のおかげといっても過言ではないだろうベン・スティラー。姉のエイミーも女優であり、まさしく俳優一家で育った彼にとって、10歳ごろから映画を撮り始め、8mm映画を自主制作していたというのも、ごくごく自然な流れといえるだろう。

 UCLAでは舞台芸術を専攻していたが退学し、ブロードウェイの舞台に立ったことで俳優としてのキャリアをスタートさせたベン。スティーヴン・スピルバーグ監督の『太陽の帝国』で映画デビューを果たすと、「サタデー・ナイト・ライブ」への出演やMTVで冠番組を持つなど、コメディアンとしての才能も開花させ活躍。あっという間に本国アメリカを中心にその名を知らしめる存在へと上り詰めた。

 

アカデミー賞ではプレゼンターとして登場し、『アバター』メイクで会場を沸かせたことも!
Kevin Winter / Getty Images

あり余る才能は俳優、監督、そして……

 映画ファンの中には、『リアリティ・バイツ』の監督として彼の名を記憶している人も多いのではないだろうか。ジェネレーションX世代を描いた青春群像劇として、長編監督デビュー作にもかかわらず大ヒットした同作。MTVで冠番組を持っていたことのあるベンの作品とあってか、サウンドトラックからも多くのヒット曲がチャートをにぎわせ、映画ファンのみならず音楽ファンにも人気の高い作品となった。また、ジム・キャリーと組んだ監督2作目の『ケーブル・ガイ』では、ベンとジムがタッグを組んだとあってコメディーど真ん中の作品かと思いきや、コメディーからサイコスリラーになり、最後には社会問題を提起する展開という、エンターテインメント作品ながら考えさせられる良質な作品として高い評価を得た。

 そんな監督業の成功で、アメリカだけでなく世界中にその才能を知らしめたベン。時を同じくして、『メリーに首ったけ』『ミート・ザ・ペアレンツ』など自身の主演作の大ヒットも続き、コメディー俳優としての人気・確固たる地位も確立した。その才能は二足のわらじなどでは収まりきらず、自らの製作会社を設立。ロバート・ダウニー・Jrがアカデミー賞助演男優賞にノミネートされたことで、怪作としてその名を世界にとどろかせた『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』で、製作・原案・脚本・監督・出演を兼任し、まさしく「才人」としてのベン・スティラーを印象付けた。

 

どーも、才人のベン・スティラーです!
Bruce Glikas / FilmMagic / Getty Images

親友はミスターハリウッド!? 信頼を集める人柄

 ベンがトム・クルーズと大親友なのは映画ファンには有名な話。2013年12月、ベンがハリウッドのチャイニーズ・シアター前に手形と足形を残し、映画史に名を刻んだときも、式典にはトムが登場し、彼を「才能あるアーティストで親愛なる友人、手形足形を残すにふさわしい人物だ」と紹介。また、前述した映画『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』では、トムが髪の毛の薄い太めの映画プロデューサー“レス・グロスマン”に扮(ふん)し、誰もが目を丸くするようなぶっ飛んだ演技を見せた。コメディアンでもない、スーパースターのトムが、こんな暴走(!?)に挑んだのも、彼の才能そして人柄にほれ込んでいるからこそといえるのではないだろうか。

 長年にわたり多くの慈善事業や基金に関わっており、2010年にはタイム誌による世界で最も影響のある人のリスト「タイム100」にも選定されているベン。才能はもちろん、人望もあるからこそ、ちょっとやり過ぎ感のあるコメディー作品でも、彼の「みんなを楽しませたい!」という気持ちが伝わり、魅了されてしまうのかもしれない。

 
自身の子どもたちと共に式典に参加したベン
Michael Tran / FilmMagic / Getty Images
キャリアの転機と自ら位置付けた最新作『LIFE!』

 ベン・スティラーが製作・監督・主演の3役をこなしたファンタジーアドベンチャー『LIFE!』。「今までと違った作品が作りたかった」と自ら語る同作には、彼のとどまることを知らない才能が凝縮されている。

 俳優としての彼にとって完璧な存在だった今回のキャラクター。あり得ない妄想ばかりし、臆病者の自分から現実逃避している日々を送っているウォルターでは、コメディアンとしてのベンの本領発揮。一方、放浪の旅を続けるカメラマンを捜す旅に出たことで、人生を劇的に変えていくウォルターの成長面では、演技派俳優としてのベンの実力が見られ、まさしくハマり役といえるキャラクターに仕上げている。

 監督としては、観客がウォルターの空想の世界に瞬時に入り込めるよう、“ハイパーリアリティー”にこだわり、視覚効果を使いながらも、できる限り実際の状況で撮影を行うハードな手法を選んだベン。「今までやったことの繰り返しにならないことが大切。自分が信じていること、思い切ってやろうとしていることであればリスクを考える必要はない」と考える彼にとって、本作での監督業もまた完璧な存在だったのではないだろうか。リスクにとらわれない斬新なアイデアの数々に、彼の才能はこれほどまでに底知れぬものなのかと圧倒されてしまうはずだ。

 「現実を受け止め毎日の生活を大事にすれば、本や夢で見るよりも充実した人生を手にできる」というメッセージを込めたという本作。当たり前のことだからこそ、誰もがどこかにウォルターとの共通点を見つけることができ、自分の人生を豊かにする何かに気付くことができる。「才人ベン・スティラー」の才能にしびれた後は、自分の中の潜在能力を探してみるものいいかもしれない。

 映画『LIFE!』は3月19日より全国公開

 
これもウォルター(=ベン)です!(注:妄想中)
ショーン・ペンとのシーンは見応え十分!
衣装のままカメラをのぞく、主演兼監督ならではの光景
ウォルターの雄姿を見届けよ!
映画『LIFE!』より
©2013 Twentieth Century Fox Film Corporation All Rights Reserved.

文・構成:シネマトゥデイ編集部 浅野麗


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