シネマトゥデイ

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濱田岳、岡田将生
『偉大なる、しゅららぼん』
今ではすっかりなじんだ赤い学ラン
『偉大なる、しゅららぼん』濱田岳、岡田将生 単独インタビュー

取材・文:南樹里 撮影:金井尭子

濱田岳&岡田将生主演の『偉大なる、しゅららぼん』は、映画『鴨川ホルモー』『プリンセス トヨトミ』などで知られる作家・万城目学の小説を基に、パワースポットである琵琶湖から特別な力を授かった一族を描く作品。2人は日出(ひので)本家の跡取り・淡十郎と、彼のお供となる分家の息子・涼介にふんし、ライバルの棗(なつめ)家と対峙(たいじ)していく。万城目作品に続けて出演した濱田と岡田が、撮影の裏側を語った。

■万城目ワールドを演じる難しさと楽しさ

Q:お二人とも万城目作品への出演は今作で2度目です。奇想天外な要素を含む物語を演じるのは難しいと思いますが、その秘けつを教えてください。

濱田岳(以下、濱田):万城目先生の作品はファンタジックな要素を含みつつも現実味があり、そこが肝でもあるので難しいですね。僕が出演した『鴨川ホルモー』では築100年超の木造の寮を訪れたとき、本当に京都の4大学はオニを操っているように思えたんですよ。

岡田将生(以下、岡田):万城目先生も、それが大事だとおっしゃっていました。この作品に関しては、僕たちは笑わせようと思って演じるのではなく、とっぴなことを大真面目に表現する姿勢を求められました。思えば『プリンセス トヨトミ』のときは大阪だからこそ継承される世界観であり、現在もそうかもしれないと思っていましたね。

Q:なるほど! 役者さんがホンモノだと信じ込むからこそ観客側もリアルに感じられるんですね。

濱田:この作品は「青春映画」という見方もできますし、個人的には「すてきなバディームービー」だと思っている自信作です。実は舞台を東京にした続編の構想もあるんですよ。

岡田:そうするとちょっとだけ、外の世界を知っている涼介が優位に立つのかも(笑)。

濱田:それで淡十郎くんがムキーッ! とするっていうね(笑)。

岡田:現場の妄想談ですけどね(笑)。そういう「もしも」の話を言いたくなるぐらい、この世界観を楽しんで演じることができました。涼介をめぐる友情ドラマは心に響くでしょうし、エンターテインメントとして気楽に観ていただきたいです。

■よく見るとデザインが凝っている赤い学生服

Q:赤い学生服が、思いの外おしゃれですてきです。

濱田:ありがとうございます。ズボンに側章(サイドのライン)がありますし、袖口などはベルベット素材の凝った作りになっているんです。

岡田:やっぱり初めて着たときは身に着けている物が靴下まで赤一色でしたから違和感がありましたけど、今はもうしっくりとなじんでいます(笑)。

Q:タイトルにオノマトペ(擬声語)が含まれるだけに、楽器を含めて劇中の音色が印象的です。

岡田:トランペットを吹くのは久々なので結構練習しました。現場の皆さんに上達する姿を見守っていただきました(笑)。

濱田:正直、最初は「やめてくれー」って感じの騒音でした(笑)。それが楽曲として聞けるようになったころには、みんなで「できたぞ!」と盛り上がりましたね。

Q:「よかろう」というセリフにもインパクトがありました。

濱田:あれも難しいところですね。もしこれが時代劇でちょんまげ姿ならそういうセリフも浮かないと思うんですけど、周りの人々が現代語を話す中で、淡十郎くんの語り口調は時代劇風か現代劇風かと考えたときに、彼は誰かを見下したいとかいう邪心を持っているわけではなく、生まれながらの殿なので含みを持たせない現代劇口調で言おうと決めました。

■渡辺と岡田にバトルぼっ発! その真相は……?

Q:殿とお供という関係はいかがでしたか?

濱田:僕はこれまで、どちらかというと振り回される側の役が多かったですけど、相手がマサオ(=岡田のこと)だから安心して伸び伸びと“殿”を演じられました。

岡田:撮影の1か月間はイジられることを覚悟して臨みましたけど、岳くんはもちろん皆さんから予想以上にイジられまして(笑)。

濱田:マサオは目標を持っていたんです。「ツッコミがうまくなる」っていう(笑)。

岡田:リアクションが大事な作品ですから、そこは大切です!

濱田:お! 1か月の成果が出たのか、うまくまとめたね。

Q:お二人の仲の良さが、作品からも感じられました。

濱田:この撮影を通して仲良くなれて、将生くんとは良い関係を築けたと思います。別の仕事で会っても「よっ! 久しぶり」って感じでフランクに話せていますので。

岡田:僕が10代のときに、岳くんが主演の映画『アヒルと鴨のコインロッカー』でご一緒させていただき、そのときに作品や現場における“主演俳優”の姿勢などを学んだので、僕の中で大きな存在です。

Q:皆さんの精神年齢の話題や、棗家の跡継ぎ役の渡辺大さんと岡田さんはゴルフを始めるか否かで1時間議論したとか?

濱田:2人は劇中だけでなくオフの時ももめている様子だったので、何だろうと思って話を聞きに行ったら、お互い「おまえの方が天然」と言い合っていたという(苦笑)。

岡田:その話はやめて~(笑)。(気を取り直し)僕はケースバイケースで精神年齢が小学生になるときもあります。その方が楽しいですし人生は楽しまないと!

■ゆるキャラのひこにゃんに感謝感激

Q:深田恭子さん演じる清子をはじめ、全員が魅力的でした。

濱田:深田さんはめちゃくちゃすてきな方でした。「グレート清子」という人物に説得力を持たせるよう演じられていたので、清子役が深田さんで本当に良かったと思いました。この作品はキャスティングが絶妙で、すてきなメンバーがそろいましたね。

岡田:本当に皆さんすてきな方でした。深田さんは僕たちが自由にやっているのを優しく包み込んでくれるような感じだったので、いい意味で深田さんに気を使うこともなく。初期の段階から「ファミリー」になれて、オフのときも和気あいあいとしていました。

Q:ゆるキャラのひこにゃんが精力的に本作の宣伝協力をしていますが、滋賀県オールロケはいかがでしたか?

岡田:ひこにゃんには頭が下がります。滋賀の方々はボランティアに来てくださったり差し入れを下さったり、とってもいい人たちばかりでした。

濱田:僕らが街を歩いてもかすかにザワつく程度のリアクションで温かく見守ってくださっていたので、落ち着いて演技に集中することができました。ありがたいことに、ひこにゃんは昨年から宣伝活動をしてくれていますし、何といっても国宝の彦根城での撮影が許可されたのはすごいことだと思います。

Q:彦根城で撮られた場面は見せ場の一つですね。

濱田:淡十郎くんが絵を描いていた部屋は彦根城の中でも殿が趣味を楽しむ間だったんです。そういう実際の空間で演じさせていただけたことで、殿という役づくりも助けられたように感じています。傷めたりしないよう細心の注意を払いましたけど、庭師さんが整えた石庭をクライマックスでは雨を降らせて、みんなで踏んでぐちゃぐちゃにしてしまったりして。石垣もホントはあんなことしちゃダメなんだよね……。

岡田:絶対ダメでしょ! 滋賀県の方々は本当に懐が深くて、彦根城をはじめ滋賀県でロケができたことに感謝しています。

キャスティングの妙もあって、観る者が万城目ワールドにすっと入っていける本作。インタビューに応じる二人は先輩後輩というよりは劇中の設定の殿とお供そのもの。取材前に実施された完成披露試写会舞台あいさつの出来栄えを嘆く岡田に対して、濱田が「本当に温かいお客さんで良かった」といたわる一幕も。共演者が思わずクスッと笑ってしまうと語るように、本作のはまだ・おかだコンビのぴったり息の合ったやりとりに引き込まれること必至!

ヘアメイク
池田美里 / Ikeda Misato(濱田岳)
池上豪 / Ikegami Go(岡田将生)

スタイリスト
勝見宜人(Koa Hole inc.)/ Katsumi Norihito(Koa Hole inc.)(濱田岳)
大石裕介(DerGLANZ)/ Ooishi Yusuke(DerGLANZ)(岡田将生)

映画『偉大なる、しゅららぼん』は3月8日より全国公開

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