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『名探偵コナン 異次元の狙撃手(スナイパー)』柴咲コウ 単独インタビュー

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『名探偵コナン 異次元の狙撃手(スナイパー)』柴咲コウ 単独インタビュー

暗い闇や苦しみも、光が差し込めば希望になる

取材・文:斉藤由紀子 写真:高野広美

人気シリーズ『名探偵コナン』の劇場版第18弾となる本作で、主題歌「ラブサーチライト」を歌うのは、昨年の『名探偵コナン 絶海の探偵(プライベート・アイ)』での声優出演に続き、2作連続参加となる柴咲コウ。「週刊少年サンデー」の連載や単行本で昔から「コナン」を読んでいたという彼女が、作品の見どころや歌詞に込めた思い、音楽活動の根底にある孤独感についてなど、本音トークを繰り広げた。

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コナンの世界に入り込んじゃった!

柴咲コウ

Q:前作からさらにスケールアップした劇場版最新作ですが、柴咲さんはどう感じましたか?

確かにスケールも大人向け度もすごくアップしましたよね。風景が自分たちの住んでいる現実の場所とシンクロしているので、何だかリアルで不思議な感じがしました。

Q:モデルはスカイツリーなのかな? と思うようなベルツリータワーとか。

映画を観た子供たちは、「スカイツリーだ!」って素直に言っちゃいそうですよね。自分的にツボだったのが、車のナンバーに「085」という数字が出てきたところなんです。わたしの誕生日が8月5日なので、「どういう意味でこの数字にしたんだろう」と思っちゃって。別のナンバーもわたしの好きな数字ばかりで、うれしかったです。別に数字フェチっていうわけじゃないんですけど(笑)。

Q:前回は声優として参加して、今回は主題歌を担当。しかも、CDに封入されているステッカーでは、自身がイラスト化されてコナンと共演もしちゃいましたね!

うれしいですよー。コナンの世界に入り込んじゃったみたい。2次元に自分が入るなんて普通はあり得ないから、コナンと手をつないで逃げているようなイラストを描いていただけて、本当にうれしかったです。2次元にしたらあんな感じなんでしょうね。

「ラブサーチライト」は人の思いで輝く光

柴咲コウ

Q:主題歌「ラブサーチライト」の歌詞は、台本を読み込んで書き下ろしたそうですね。

スナイパー(狙撃手)という言葉が題名にあるように、すごくスピード感のある作品になるんじゃないかと思ったのと、コナンくんが探偵として犯人を追い詰めていくときのハラハラ感やドキドキ感を表すのに、「サーチライト」のイメージが合っていたので、それを大きなテーマとして曲を作りました。映画のクライマックスからそのままに曲に移行して、しかも歌詞まで出していただいて、すごくいい感じにハマった……というか、ハメていただいたような気がします。

Q:ストレートに伝わってくるラブソングで、コナン(新一)やヒロイン・蘭の気持ちにも重なるような歌詞ですね。

「照らし続けるよ」というフレーズは、正体を明かすことはできないけど蘭をいつも見守っている新一の気持ちでもあるし、こんな人がいてくれたらいいなという理想でもあります。この曲の「ライト」は、人の思いなんです。誰かを導く光。暗い闇や苦しみがあっても、差し込む光があれば希望になって生きていく糧になる。現状がうまくいかなくても、温かい光が存在するだけで頑張れたりするんですよね。

Q:ちなみに、ご自身の経験を歌詞にすることもあるんですか?

わたしの詞は意外と客観なんです。主観だと恥ずかしくて書きづらいんですよ。登場人物を頭に描いて、物語を作る感じというか。ただ、自分の脳内で作っているので、意識が投影されているとは思いますけどね。

根底にずっとあるテーマは、孤独との向き合い方

柴咲コウ

Q:柴咲さんの曲は、孤独や寂しさをテーマにした詞が多いですよね。

それは自意識としてずっとあります。恋愛や出会いなどの具体的な描写は自分の経験ではないけど、「孤独とどう向き合うのか」というテーマは根底にずっとありますね。

Q:孤独というテーマに対する探求心は変わらない?

変わらないですね。もはや趣味です(笑)。ただ、向き合い方は変わってきています。若いときは言い訳くさかったり、周りのせいにしたりしがちだったかな。心にぽっかり穴が空いたような気分になるのは、何かのせいなんじゃないかって、その原因や理由を考えたりするけど、そうじゃない場合もあるなと。人として、もともとそういう性質なのかなとか、自分を顧みることが多くなってきました。

Q:お芝居と楽曲制作の違いを“仕事とライフワーク”と表現していらっしゃいましたね。

お芝居は、本当に楽しいけど仕事ですね。音楽は、仕事というカテゴリーではないです。特に歌詞をワーって夢中で書いているときは、人のためとかではなくて、自分の「気持ちいい」という感情が一番出ます。

Q:音楽活動の中でも、観客の前で歌うライブはどうなんでしょう?

人前で歌うことは、お芝居と似ているんです。それは、責任があるから。観てくださる方に喜んでほしいという気持ちが先回りするので、自分の気持ち良さよりも演出や声の調子など客観的なことが気になるんですよね。ライブは自分のためよりも、人のためという気持ちが強いです。

コナンのように子供の姿に戻ったら……?

柴咲コウ

Q:柴咲さんがコナンのように子供の姿に戻ったとしたら、何をしたいですか?

人にいたずらばっかりしたい(笑)。それって子供だから許されることじゃないですか。

Q:もしかして、昔は我慢しちゃう子供だったとか?

はい、我慢する子でした。一人っ子なので他にぶつけるところがなかったから、一人で自分と向き合うのが好きなのかな。兄弟が何人もいたらそうはならなかったような気がします。

Q:最後に、本作ならではの注目ポイントを教えてください。

物語の設定がグローバルで英語の会話もいっぱい出てくるし、コナンくんもスーパーマンじゃないかと思うくらいカッコいい! あと、ライトアップされたベルツリータワーや花火など、光の美しさも印象に残っているので、そんなところにも注目してもらいたいです。


柴咲コウ

「いたずらしたい」と言いながら、少女のように愛らしく笑った柴咲。その可憐(かれん)さは本人を前に「カワイイ……」と口に出してしまうほど。どんな質問も真摯(しんし)に受け止め、時にはウイットに富んだ答えを返してくれる、実に聡明でチャーミングな女性だ。自分の中の孤独と向き合い続けた時間の長さは、他人に対する心配りや優しさの量と比例するのかもしれないとしみじみ思った。年齢を重ねるごとに魅力を増す彼女がこの先どんな進化を遂げていくのか、楽しみで仕方がない。

(C) 2014 青山剛昌 / 名探偵コナン製作委員会

映画『名探偵コナン 異次元の狙撃手(スナイパー)』は4月19日より全国公開

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