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榮倉奈々&高梨臨
『わたしのハワイの歩きかた』
ハワイのにおいや風を思い出すくらい、臨場感のある作品になった
『わたしのハワイの歩きかた』榮倉奈々&高梨臨 単独インタビュー

取材・文:なかざわひでゆき 写真:高野広美

仕事にもプライベートにも不満を抱えたアラサー女性が、出張先のハワイでさまざまな人々と出会い、非日常的な経験を積み重ねながら、やがて自分らしさと元気を取り戻していく姿を描いた映画『わたしのハワイの歩きかた』。会社の経費でハワイを満喫するヒロインみのりを演じる榮倉奈々と、そんな彼女と意気投合するセレブ婚狙いの茜を演じる高梨臨の二人が、それぞれの役に込めた熱い思いやハワイでの撮影秘話などについて語った。

■監督から渡された熱意あふれる文書とは?

Q:榮倉さんの演じるみのりは出版社の女性編集者という設定ですが、事前にリサーチなどはされたのでしょうか?

榮倉奈々(以下、榮倉):実際に編集者の知り合いが何人かいるので、改めてリサーチすることはありませんでした。ただ、普段はどの作品でも役の背景など基本的に自分で考えるのですけど、今回は前田(弘二)監督が作品にとても愛情を持っていらっしゃって、キャラクターの一人一人についての詳細な設定を文書で下さったんです。役の生い立ちやそのシーンの心境の流れとか、わざわざ文字に書き起こしてもらうというのは初めてでしたね。ですので、それに基づいて役づくりをしました。

Q:高梨さんの演じた茜はかなり個性的ですし、ハワイ在住の日本人という特殊な役柄ですよね。

高梨臨(以下、高梨):わたしも同じように監督から書面で細かい設定をいただきました。茜はわかりやすい子なので、役づくりの上で苦労することはなかったですね。それから、茜はハワイにずっと住んでいるという設定なので、撮影でも一足早く現地入りしたんです。クランクインまで時間に余裕があったので、散歩をしたり観光をしたりしながら、自然に現地の雰囲気になじむことができました。ハワイは明るいので、気持ちも明るくなって。その空気感を演技に反映させることができたと思います。

Q:みのりも茜も、当初はままならない現実を前にくすぶっていますが、やがてハワイという環境の中で問題を克服していきます。お二人も実生活で悩んだり行き詰まったりした経験はありますか? また、それをどう乗り越えてきたのでしょうか?

榮倉:わたしの場合、どの作品でも撮影に入る前は逃げ出したいくらい緊張するんです。でも、やるしかないと考えて腹をくくりますね。

高梨:わたしもやはり仕事の話になりますが、最初は一生懸命やろうという気持ちがありながらも、なかなかうまくいかないことにモヤモヤするんです。でも、慣れてきたら現状に満足している自分にいら立ち始めたりして(笑)。そうやって迷いながらも手探りで一歩一歩進んでいくことが、実は一番の解決法じゃないのかなと思っています。

■息の合った演技は計算と偶然のたまもの

Q:等身大のアラサー女子について描いていますが、それぞれ自分の演じた役で一番共感できた部分はどこですか?

榮倉:みのりの抱えているモヤモヤした感じはすごく理解できますね。頑張っているのに認められない不安とか、具体的に何が不満なのかハッキリしないけど満足できない感じとか。

Q:そのみのりもハワイで大きく成長していきますよね。

榮倉:そこはすごくうらやましいと思いました。「会社の経費で遊んじゃえ!」とはっちゃけてしまう部分も、演じていて気持ちよかったですし。人は人と出会うことで変わると思うのですが、誰もが彼女のように旅先で良い出会いに恵まれるわけではないですから。その点、彼女はすごく有意義なハワイを過ごしているなと感じました。

Q:高梨さんはハワイで玉のこしを狙う茜という役でしたね。

高梨:そもそも、この茜という女性自体がムチャクチャだと思っているんです(笑)。なんて非常識な人だろうと。でも、見方を変えればとても素直なんですよ。誰に対しても、包み隠さず本音でぶつかっていく。そこがチャーミングだし、実はとてもステキな女性なのではないかと感じました。自分はそこまで自由奔放にできないので、演じていて楽しかったですね。

Q:本編ではみのりと茜のガールズトークの様子がとても生き生きと描かれていて、お二人の演技も息がぴったりでした。何か秘けつがあったのでしょうか?

高梨:何だろう?

榮倉:何だろうね(笑)。とにかく、ほかでは考えられないくらいリハーサルを重ねたんです。それに、二人の会話で映画のリズムを作りたいという監督の要望もあったので、そこはお互いに意識しましたね。あえて言うならば、計算と偶然が重なり合った結果なのではないかと思います。

■充実したハワイでのロケ撮影

Q:本作は大部分をハワイでロケ撮影していますが、日本での撮影に比べていかがでしたか?

榮倉:ハワイではスタッフの多くが現地の方だったので、撮影現場もアメリカンスタイルだったんです。なので、あらゆる飲み物や食べ物が常に用意されているのはうれしかったです。食に関するストレスは日本の100分の1って感じでした(笑)。精神的に満たされることは重要だなと思いましたね。

高梨:それはわたしも同感です。あと、ハワイは労働組合の規定で撮影時間が限られているのですけど、それにはプラスとマイナスの両面がありました。限られた時間の中で仕事をこなさなくてはいけないので、みんなが集中して取り組むことができたのはすごく良かったと思います。ただ、その一方で時間が足りないと思うような場面も多々ありました。ハワイロケならではの経験だったとは思います。

Q:観光名所から隠れ家的スポットまで、ハワイのさまざまな場所が撮影で使われていますが、最も印象に残っているロケ地はどこですか?

榮倉:みのりと茜が初めて一緒にお昼ご飯を食べる、レインボー・ドライブインというプレートランチ屋さんですね。そこがクランクインの場所だったということもありますけど、現地の方が早朝から肉の塊みたいな物を食べていて、それがまた衝撃でした。朝から肉なんて……って(笑)。

高梨:でもおいしかったよね、あそこ。

榮倉:うん、おいしかった。

高梨:いわゆるハワイアンな感じではなく……。

榮倉:アメリカンな感じ(笑)。

Q:高梨さんはどこが一番印象的でしたか?

高梨:わたしはパーティー会場ですね。みのりと茜はあちこちのパーティーに出掛けるんですけれど、その撮影用にお借りした現地のお金持ちの方々の家がすごかったんですよ。庭から海が見えて。気候もいいので、そこでお酒を飲んだり……。日本ではあり得ないような環境なので、とても心地よかったです。

■初めて知った高梨の撮影ハプニングに榮倉もビックリ!

Q:友情ありロマンスあり笑いありのにぎやかなストーリーですが、撮影中に何かハプニングや失敗談などはありませんでしたか?

榮倉:主要キャスト全員が登場する重要なシーンがあって、そこでちょっとしたアクションが繰り広げられるんです。事前に綿密なリハーサルをちゃんとやったものの、実際にカメラで撮ってみると見えにくいとか、現場ならではの問題がたくさん出てきたんですね。そうした技術的なことを、みんなで相談し合いながら撮影したのは印象深かったです。

高梨:そのシーンでは、わたしはただ椅子から逃げるだけのアクションしかなかったんですけど、その本番中に思いっきり足をぶつけちゃったんです。でも、誰も気付いてくれなくて(笑)。

榮倉:えーっ!? 全く気付かなかった!

高梨:その後、3日間くらいずっと足が痛かったんです(笑)。

榮倉:本気でぶつけちゃったの?

高梨:そう本気(笑)。誰にも言っていないけど、すごく痛かった。あと、わたしと加瀬(亮)さんと瀬戸(康史)くんの3人は、日焼けして肌が黒いという設定だったので、エアブラシタンニングという肌に色を付けるスプレーをしたんです。でも1週間くらいで色が取れちゃうので、4日に1度くらいみんなでスプレーをしたことも思い出深いですね。

Q:アラサー女性の悩みと成長をテーマにした作品。お二人はどのような人に観てほしいですか?

榮倉:まず同世代の女性に観ていただきたいですね。それから、ハワイに行ったことのない人、また行きたいなと思っている人、行きたいけど行けない人も、この作品でハワイを存分に感じてほしいです。わたしたちが観てもハワイのにおいや風を思い出すくらい臨場感がある作品になったので。

高梨:広い意味で人間を描いた作品なので、男性が観ても共感できる部分があると思います。多くの方に楽しんでいただけたらうれしいですね。

慎重に言葉を選びながら話す榮倉と、よどみなく言葉があふれ出る高梨。好対照でありながら、どちらも仕事に対する熱意と真摯(しんし)な姿勢は全く変わらず、だからこそスクリーンでの相性も抜群に合うのだろうと容易に想像することができた。二人とも海外での撮影に大きな刺激を受けた様子。本作での経験を糧に、より幅広く活躍してくれることを期待せずにはいられない。

映画『わたしのハワイの歩きかた』は6月14日より全国公開

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