『記憶探偵と鍵のかかった少女』特集：危険!?それとも……美少女アナの3つの疑惑

他人の記憶に入り込める特殊能力を持つ記憶探偵と、美少女の記憶の謎に迫るミステリー映画『記憶探偵と鍵のかかった少女』。どこまでがウソで、何が真実か。絶食中の美少女アナの過去に入り込んだ記憶探偵のジョンは記憶の迷宮に迷い込む。果たして、あなたはこの複雑なトリックを見抜けるだろうか……。

◎記憶探偵とは……!?

　他人の記憶に潜入する特殊能力を持つ「記憶探偵」は、自分本位に書き換えられがちな個人の過去に入り込み、客観的に観察することで、事件や事故の調査をするのが仕事。ジョンはこれまで数々の未解決事件を解決してきた腕利きの記憶探偵だったが、妻を自殺で亡くして以来、スランプ状態で休職中である。

疑惑1：なぜ少女は絶食をしているのか!?

　数々の大事件を解決してきた記憶探偵のジョン。復帰後の初仕事として、上司セバスチャンから依頼されたのは大富豪グリーン家の一人娘アナの絶食理由を探ってくれというものであった。

　少女アナは学校の寄宿舎で手首を切ったと屋敷に連れ戻され、1週間前からハンスト中。部屋に閉じこもり絵を描くだけだったが、その姿は監視カメラで24時間見張られている。また、家庭は複雑で、実父は彼女が生まれる前に死亡。母はアルコール依存症であり、資産を狙う継父はアナを施設に入れたがっているという。

　そんな環境の中、IQが非常に高く、鋭すぎる彼女は、食事に幻覚剤が入れられており、食べれば狂人扱いで強制入院させられるのではとおびえていたのだった。

疑惑2：原因は問題を抱える両親か!?

　早速、アナの記憶をたどってみるジョン。すると、精神不安定な母による幼少期のアナへの虐待、そして、そんな母に手を焼いた継父とメイドとの浮気現場の目撃など、信じ難い家庭の秘密が彼女の記憶には隠されていた。

　秘密を共有したことでジョンに気を許し始めたアナが食事を口にし前進したのもつかの間、彼女の専属看護師が階段で突き飛ばされ、大ケガを負う事件が発生。彼女以外の人物は全てアナの仕業だと証言する中、アナは女好きの継父と看護師との仲を示唆し、ハメられたのだと濡れぎぬを主張する。

　アナの無実を信じるジョンは彼女の記憶に入るが、それは周囲の証言とは大きく食い違うものだった。

疑惑3：殺人未遂、性的虐待は彼女の仕業!?

　アナの記憶からは両親の問題に加え、寄宿校でのルームメートからのいじめ、美術教師からのセクハラ、クラスメートに対する殺人未遂など、恐ろしい過去も明らかに。

　探偵として真実を追求する使命に駆られるジョンは、アナへの性的虐待により服役している彼女の元教師に面会するが、「あの家族は悪夢だ。深入りしたら、何もかも失う」と助言される。また、殺人未遂の被害者であるアナのルームメートからは「アナは完全にイカレた女」だと言い放たれる。

　なぜアナの記憶だけが周囲の証言とことごとく違うのか。もしかしたら、周囲の人々が純粋なアナを陥れようとしているのではないか。彼女の記憶と現実の間で翻弄（ほんろう）されるジョンは、果たして真実を見極めることができるのか……!?