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シルヴェスター・スタローン
『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』
映画作りを支える飽くなき好奇心
『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』シルヴェスター・スタローン 単独インタビュー

取材・文:細谷佳史 写真:Dan Hallman / Invision / AP / アフロ

シルヴェスター・スタローンが主演と脚本を手掛ける人気シリーズ最新作『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』。ファンを魅了してきたアクション俳優のオールスターチームに、今回はハリソン・フォード、メル・ギブソン、アントニオ・バンデラスといった大物が参加。主人公バーニー(スタローン)が、傭兵(ようへい)集団エクスペンダブルズを共に立ち上げた、かつての仲間ストーンバンクス(ギブソン)によってこれまでにないピンチに陥る。シリーズ最高傑作とも評価される本作について、生みの親でもあるスタローンが語った。

■スタローンの下に集結した大物たち

Q:アーノルド・シュワルツェネッガー、ジェイソン・ステイサム、ジェット・リーなどおなじみのメンバーに加え、ハリソン、メル、アントニオといった大物俳優たちを参加させるのは大変だったのではないですか?

簡単じゃなかったよ。これまでのメンバーは「なぜ新しい人を入れなくてはいけないんだ?」ってなるしね。そこで僕は、「フランチャイズを広げていくためには、それが必要なんだ。昔の連中が数人加わるだけだよ」ってみんなに説明した。その数人というのが、ハリソンにメル、バンデラスなんかのことなんだけど。

Q:彼ら自身も自分のフランチャイズを持っている大スターですよね。

僕自身、そんなことが可能だろうか? って思ったよ。それこそ何時間も何時間も電話で話をして、何か月もかけて粘り強く交渉したんだ。最初はみんなナーバスになっていたな。すでに出来上がっているクラブのメンバーになるのはどうかな……って感じさ。でも最後には、「僕らはゲストで参加するということだね?」というようになり、僕も、「そうだよ。あなたたちはスペシャルゲストだ。1週間だけ(撮影に)来てくれたらいいんだ。何の問題もない。僕らはあなたたちを丁重にもてなすよ」って答え、やっと参加してもらえることになったんだ。

Q:中でもメルは名優にして名監督でもあります。

もともと僕は、メル・ギブソンにこの作品を監督してもらいたくて、2か月にわたって話し合いを続けていたんだ。最終的に、監督をすることについては「ノー」の返答があって、その代わりに「僕が悪役を演じるのはどうだい?」って言ってきた。僕もそれは素晴らしいと思ったんだ。

■全員に見せ場を作ることが重要!

Q:本作では、役者全員に同じように見せ場が作られていますが、バランスを取るのは大変だったのではないでしょうか?

この映画には17人分の役があるからね。前作までもっと出番があった役者たちは、そのことにちょっと不満を感じていたみたいだ(笑)。それでも大事なのは、17人にどうやってちゃんと見せ場を作るかということだったし、それが一番のチャレンジだった。撮影では、彼らが現場を出たり入ったりするからスケジュールをやりくりするのも大変だったよ。ハリソンが到着したら、ドルフ(・ラングレン)が出発するといった感じで、自分たちの(専用)空港が必要だぞって思うほど、すごく複雑だった。

Q:そんな大作の監督に、今回、新人のパトリック・ヒューズを大抜てきされましたね。

今回は、誰か若くて野心的で、映画が大好きな人に賭けてみたいと思ったんだ。ヒューズ監督はこの作品に取りつかれていた。ブルガリアで数か月にわたって、この作品の準備をしてくれたんだ。ベテランの監督だとなかなかそうはいかない。大したお金ももらえないのに、1年半から2年ぐらい作品に時間を割ける人となると、どうしても若くてハングリーな人物を選ぶことになるんだ。

■決して満足しない!映画作りに懸ける情熱

Q:あなたが今でも、貪欲に映画を作り続けられる理由はどこにあるのでしょう?

そうだな。映画作りでは、決して完全に満足することがないんだ。自分では良い仕事ができたと思っても、後になって観たらがっかりしたりもする。「いつになったら、ちゃんとしたものがやれるんだろう?」って思うんだよ。きっと他の人たちもそうなんじゃないかな。アーティストや何かを創造する人だったら、(自分の作品に対して)完全に満足することはほとんど不可能に近い。必ず何かしら、ここはこうすべきだった……ということを後になって見いだすからね。でも、それは良いことだと思う。その思いこそが創造力の源になって、作品に挑み続けさせてくれるんだ。

Q:もう働く必要はないくらいの成功を収めても、映画作りへの情熱は維持できるものでしょうか?

年を取ると、若いときのようなハングリーさはなくなるけど、これをやったらどうだろう? といった好奇心は失われないからね。僕はいつも、「アーティストは2度死ぬ」と言っている。2度目とは実際に死ぬこと。これは仕方のないことだけど、クリエイティブ面における(1度目の)死はつらいよ。誰も自分のことを必要としなくなるということだからね。自分の創造力は衰えていないのに、大衆がついてこないというのは、役者にとっては特につらいものがある。

Q:クライマックスにおけるあなたとメルの戦いはお見事でしたね。実際に演じてみて、いかがでしたか?

楽しかったよ。スポーツにおいてその世界で活躍してきた二人が、ライバルと戦ってみたいと思うのは自然な感情だ。実現したら、それは一大イベントになる。例えば『キングコング対ゴジラ』みたいにね。もちろん、殴られることも、痛い思いをすることもあったよ。寒かったし、ズブ濡れになったりもした。それを、何度も何度もやらないといけなかった。でも、僕はあのシーンの撮影をとても楽しみにしていたんだ。メルは肉体派でとても強いんだよ。彼に殴られるのは良い気分だったな(笑)。

本作では、シリーズ初参加となるケラン・ラッツやUFCチャンピオンのロンダ・ラウジー、プロボクサーのヴィクター・オルティスら本物のファイターたちが、これまでの『エクスペンダブルズ』にない若さとスピードを持ち込んでいる点も見どころ。また名優メル・ギブソンの悪役ぶりが光る中、ハリソンやバンデラスも持ち味を生かして観客を楽しませる。CGを使ったVFX(ビジュアルエフェクト)に頼らない、生身の肉体がぶつかり合う男くさいアクション映画の伝統は健在だ。

(C) EX3 Productions, Inc. All Rights Reserved.

映画『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』は11月1日より全国公開

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