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ちょっと気の早い!第87回アカデミー賞ノミネート予想

 気が付けば今年もあと残りわずか。年が明ければ待ちに待ったアワードシーズンがすぐそこに。ちょっと気が早いけど、今週のクローズアップは第87回アカデミー賞候補作品を先取り予想! 必ずや賞に絡んでくるであろう注目の10作品をご紹介します。(文・構成:編集部 中山雄一朗)

第87回アカデミー賞特集はこちら

4人の俳優が12年間家族を演じた話題作

『6才のボクが、大人になるまで。』

『6才のボクが、大人になるまで。』
(C) 2014 boyhood inc. / ifc productions i, L.L.c. aLL rights reserved.

【監督】リチャード・リンクレイター
【キャスト】エラー・コルトレーン、ローレライ・リンクレイター、パトリシア・アークエットイーサン・ホーク
【日本公開日】11月14日

 『ビフォア』シリーズのリチャード・リンクレイター監督が6歳の少年とその家族の物語を、同じ主要キャストで12年間にわたり撮り続けた話題作。あどけない少年からりりしい青年へと成長していく主人公メイソンを演じたのは、12年前に監督がオーディションで見いだした逸材エラー・コルトレーン。その姉サマンサは監督の娘であるローレライ・リンクレイターが演じている。

 昨年の『ビフォア・ミッドナイト』は脚色賞候補のみにとどまったが、今作は作品賞と監督賞に加え、メイソンの母親を演じ続けたパトリシア・アークエット(助演女優賞)、父親を演じ続けたイーサン・ホーク(助演男優賞)のノミネートは確実だといえそう。中でも、子育てと重労働に疲れ果てたシングルマザーが大学で教鞭(きょうべん)を執る自立した女性へと生まれ変わっていくさまを熱演したパトリシアは、早くも助演女優賞最有力との声が上がっている。今年2月に行われた第64回ベルリン国際映画祭では銀熊賞(監督賞)を受賞している。

アンジェリーナ・ジョリー監督最新作

『アンブロークン(原題) / Unbroken』

アンジェリーナ・ジョリー
アンジェリーナ・ジョリー

【監督】アンジェリーナ・ジョリー
【キャスト】ジャック・オコンネルギャレット・ヘドランド雅 -MIYAVI-
【日本公開日】未定

 『最愛の大地』に続く、アンジェリーナ・ジョリー監督作となる本作は、第2次世界大戦中に日本軍の捕虜となったルイス・ザンペリーニ氏の半生を描いた作品。日本人ミュージシャンの雅 -MIYAVI-が残忍な看守役でハリウッドデビューを果たすことでも話題になっている。

 主人公ザンペリーニを演じるのは『ユナイテッド-ミュンヘンの悲劇-』などの若手俳優ジャック・オコンネル、脚本は『ノーカントリー』ジョエル&イーサン・コーエン兄弟が手掛ける。こちらも作品賞、監督賞、脚色賞ノミネートは確実か。雅 -MIYAVI-のサプライズノミネートもなきにしもあらず?

かつてヒーロー役で一世を風靡した中年俳優の物語

『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』

『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』
(C) 2014 Twentieth Century Fox. All Rights Reserved.

【監督】アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
【キャスト】マイケル・キートンエドワード・ノートンエマ・ストーンザック・ガリフィナーキスナオミ・ワッツ
【日本公開日】2015年春

 若かりしころにスーパーヒーロー役で一世を風靡(ふうび)するも、現在は失意の日々を送る中年俳優が再起を懸けてブロードウェイに挑むさまを描いたブラックコメディー。『バベル』『BIUTIFUL ビューティフル』のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督がメガホンを取る。主人公リーガンを演じるマイケル・キートンは、自身もかつてはティム・バートン版『バットマン』で主演を務めたことで知られ、本年度の主演男優賞最有力候補といわれている。

 そのほか作品賞、監督賞に加え、リーガンにとって脅威となる共演の実力派俳優を演じたエドワード・ノートンの助演男優賞ノミネートは固い。また、リーガンの疎遠だった娘にふんしたエマ・ストーンも、『ヘルプ ~心がつなぐストーリー~』では賞レースで完全に無視されてしまっただけに、助演女優賞での念願の初ノミネートに期待がかかる。

ベネディクト・カンバーバッチが天才数学者役

『ジ・イミテーション・ゲーム(原題) / The Imitation Game』

『ジ・イミテーション・ゲーム(原題)』
Jack English (C) Black Bear Pictures

【監督】モルテン・ティルドゥム
【キャスト】ベネディクト・カンバーバッチキーラ・ナイトレイマシュー・グードマーク・ストロング
【日本公開日】2015年3月

 テレビドラマ「SHERLOCK(シャーロック)」で大人気のベネディクト・カンバーバッチが、第2次世界大戦時、ドイツ軍の暗号エニグマを解読し、イギリスを勝利に導いた実在の天才数学者アラン・チューリングを演じた作品。9月に開催された第39回トロント国際映画祭では、近年、『それでも夜は明ける』『英国王のスピーチ』『スラムドッグ$ミリオネア』などのアカデミー賞受賞作が獲得していることで知られる最高賞の観客賞に輝き、オスカー有力候補として注目されている。

 作品賞はもちろんのこと、“人工知能の父”と呼ばれながらも同性愛者であったことから政府に迫害されたチューリングの数奇な人生を演じ切ったカンバーバッチのオスカー初ノミネートはほぼ確実。共演のキーラ・ナイトレイもこのままいけば『プライドと偏見』以来、久しぶりのノミネートとなりそう。

クリストファー・ノーラン待望の新作SF

『インターステラー』

『インターステラー』
(C) 2014 Warner Bros. Entertainment, Inc. and Paramount Pictures. All Rights Reserved.

【監督】クリストファー・ノーラン
【キャスト】マシュー・マコノヒーアン・ハサウェイジェシカ・チャステインケイシー・アフレックエレン・バースティンマイケル・ケイン
【日本公開日】11月22日

 『ダークナイト』『インセプション』で世界中の映画ファンを熱狂させたクリストファー・ノーラン監督待望の最新作。地球滅亡のカウントダウンが迫る中、人類の存亡を懸け、そして愛する家族の未来を守るため、史上最大のミッションに挑む人間たちのドラマを描き出す感動巨編だ。

 キャストには昨年『ダラス・バイヤーズクラブ』で見事、主演男優賞の栄冠をつかみ取ったマシュー・マコノヒーを筆頭に、『レ・ミゼラブル』のアン・ハサウェイ、『ゼロ・ダーク・サーティ』のジェシカ・チャステイン、『ダークナイト』シリーズのマイケル・ケインら実力派が大集結。オスカーとは相性の悪いSF作品ではあるが、作品賞と監督賞ノミネートは狙えそう。演技賞で絡むとすれば、マシューの主演男優賞とジェシカの助演女優賞あたりが濃厚か。

鬼才デヴィッド・フィンチャーが放つ新作スリラー

『ゴーン・ガール』

『ゴーン・ガール』
(C) 2014 Twentieth Century Fox

【監督】デヴィッド・フィンチャー
【キャスト】ベン・アフレックロザムンド・パイクニール・パトリック・ハリスタイラー・ペリー
【日本公開日】12月12日

 『セブン』『ソーシャル・ネットワーク』の鬼才デヴィッド・フィンチャー監督がメガホンを取ったスリラー。結婚5周年の記念日に突如失踪した妻の殺害容疑を掛けられた主人公の運命と、次第に暴かれていく妻の知られざる秘密をスリリングに映し出す。夫のニックには監督・主演作『アルゴ』でアカデミー賞作品賞に輝いたベン・アフレック、ミステリアスな美しさを持つ妻のエイミーには『アウトロー』の英国女優ロザムンド・パイクがふんする。

 本作は作品賞、監督賞、主演女優賞(ロザムンド)のノミネートはかなり濃厚。個人的には最近頑張っているベン・アフレックを応援したい気もするが、今のところロザムンドの演技に注目を持っていかれ気味。ひょっとしたらひょっとしてニックの妹を演じた女優キャリー・クーンが助演女優賞のダークホースになったりして。ちなみに本作には、本年度の授賞式で司会を務めるテレビドラマ「ママと恋に落ちるまで」のニール・パトリック・ハリスも出演している。

『マネーボール』監督が五輪メダリスト殺害事件を映画化

『フォックスキャッチャー』

『フォックスキャッチャー』
Photo by Scott Garfield (C) MMXIV FAIR HILL LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

【監督】ベネット・ミラー
【キャスト】スティーヴ・カレルチャニング・テイタムマーク・ラファロシエナ・ミラー
【日本公開日】2015年2月14日

 『マネーボール』『カポーティ』のベネット・ミラー監督が、1996年に実際に起きたデュポン財閥御曹司によるレスリング五輪メダリスト殺害事件を映画化した話題作。犯人のジョン・デュポンに『40歳の童貞男』などで知られるコメディー俳優スティーヴ・カレル、事件に巻き込まれていく五輪メダリストのデイブに『アベンジャーズ』のマーク・ラファロ、その弟で同じくメダリストのマークに『G.I.ジョー』のチャニング・テイタムがふんしている。

 本作は、今年5月に開かれた第67回カンヌ国際映画祭で見事、監督賞を受賞。『マネーボール』も『カポーティ』も高評価を受けたミラー監督の最新作だけに作品賞と監督賞ノミネートは期待大。さらに何といっても、マークとデイブ兄弟をとてつもない悲劇へと引きずり込むデュポンを怪演したスティーヴ・カレルは主演男優賞有力候補の一人。マーク・ラファロの助演男優賞候補入りもほぼ確実といっていいだろう。

『レミゼ』エディ・レッドメインが“車椅子の物理学者”に

『セオリー・オブ・エブリシング(原題) / The Theory of Everything』

エディ・レッドメイン、フェリシティ・ジョーンズ
エディ・レッドメイン、フェリシティ・ジョーンズ Jason LaVeris / FilmMagic / Getty Images

【監督】ジェームズ・マーシュ
【キャスト】エディ・レッドメインフェリシティ・ジョーンズ
【日本公開日】2015年上半期

 『レ・ミゼラブル』などのエディ・レッドメインが“車椅子の物理学者”スティーヴン・ホーキング博士を演じた感動のヒューマンドラマ。今年、日本でも大きな話題を集めたチャリティー活動“アイス・バケツ・チャレンジ”でも知られるようになった難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)を患いながらも、持ち前のユーモアで乗り越えようとするホーキング博士と、彼を献身的に支え続けた妻ジェーンの姿を描く。

 作品賞のほか、ホーキング博士役のエディとジェーン役のフェリシティ・ジョーンズの主演賞ノミネートは可能性大。まだ30代前半と、アカデミー賞候補者としては比較的若い二人の奮闘に期待したいところ。

イーストウッドが描く伝説の狙撃手の真実

『アメリカン・スナイパー』

『アメリカン・スナイパー』
(C) 2014 WARNER BROS.ENTERTAINMENT INC.

【監督】クリント・イーストウッド
【キャスト】ブラッドリー・クーパーシエナ・ミラー
【日本公開日】2015年2月21日

 『許されざる者』『ミリオンダラー・ベイビー』で2度のアカデミー賞監督賞に輝く巨匠クリント・イーストウッドが、米軍史上最強とうたわれた伝説の狙撃手クリス・カイルの自伝を基に、アメリカがいま直面する問題に真っ向から挑んだ意欲作。イラク戦争の最中、「Leave no man behind.(誰一人残さない)」というモットーを体現し、その狙撃の精度で多くの仲間を救った米海軍特殊部隊ネイビーシールズの隊員である主人公クリスをブラッドリー・クーパーが演じている。

 ブラッドリーは役づくりのために約18キロも体重を増量して撮影に臨んだという気合の入りよう。『世界にひとつのプレイブック』『アメリカン・ハッスル』に続いて3年連続のノミネートとなるか注目したい。もちろん作品賞と監督賞ノミネートの可能性も十分にあるだろう。

おとぎ話の主人公たちのその後を描くディズニー最新作

『イントゥ・ザ・ウッズ』

『イントゥ・ザ・ウッズ』
(C) 2014 Disney Enterprise,inc. All Rights Reserved.

【監督】ロブ・マーシャル
【キャスト】メリル・ストリープジョニー・デップエミリー・ブラントアナ・ケンドリッククリス・パイン
【日本公開日】2015年3月14日

 ディズニーがトニー賞受賞の同名ミュージカルを大胆に映画化した本作。アカデミー賞6部門で受賞した『シカゴ』(2002)のロブ・マーシャル監督がメガホンを取り、ハッピーエンドを迎えたはずの赤ずきん、シンデレラ、ラプンツェルといったおとぎ話の主人公たちのその後を描く。魔女役のメリル・ストリープ、赤ずきんのオオカミ役のジョニー・デップら豪華キャストの共演も見どころだ。

 ファンタジーというアカデミー賞ではあまり好まれないジャンルではあるが、オスカー史上最多の18回ノミネートを誇る大女優メリル・ストリープにとってはそんなことお構いなし! 助演女優賞で今年も記録更新を狙う。そのほか作品賞に加え、魔女に呪いをかけられたパン屋の妻を演じた『オール・ユー・ニード・イズ・キル』のエミリー・ブラントが主演女優賞でのノミネートの可能性あり。

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