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アカデミー賞を彩るスターたちの意外な素顔を一挙公開!

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世界の映画産業の中心・アメリカの最新映画情報を現地在住ライターがお届けする「最新!全米HOTムービー」。今回は、第87回アカデミー賞にノミネートされたスターたちが取材時に見せた意外な素顔とこぼれ話、そして役づくりについて一挙にご紹介します。(取材・文:細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

マイケル・キートン 『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』

マイケル・キートン
(C) 2014 Twentieth Century Fox. All Rights Reserved.

【普段の顔&こぼれ話】マイケル・キートンは評論家の批評を読むのがあまり好きではなく、過去に友人から「俳優として勇気を持って読むべきだ」と勧められたものの、いくつか読んですぐに嫌になったそうだ。それ以来、悪い批評はもちろんのこと、良い批評もよほど人に勧められない限り読まないとのこと。タフなバットマン役とは違って、意外にセンシティブな心を持ち合わせている。

【役づくり】ヒーロー映画『バードマン』で一世を風靡(ふうび)したものの今は落ちぶれた俳優リーガン役は、『バットマン』(1989)で名をはせるも2000年代にそれほどヒット作に恵まれなかったマイケルの人生そのもの。それだけにマイケル自身、今作に再起を懸けている熱意が役づくりを通して伝わってくる。特にエドワード・ノートンとの舞台での演技の駆け引きは圧巻で、これ以上ない完全復活を遂げている。

エドワード・ノートン 『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』

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エドワード・ノートン
(C) 2014 Twentieth Century Fox. All Rights Reserved.

【普段の顔&こぼれ話】名門イェール大学を卒業し、若くしてアカデミー賞助演男優賞にノミネートされるなどエドワード・ノートンの才能に関しては疑う余地はないが、取材するたびに感じるのは、どこか人を見下した態度で話すということ。記者会見やインタビューでは、共演者や監督であっても辛辣(しんらつ)なジョークでこき下ろす。何度も取材した人ならそれほど気にならないが、初めてであればほとんどくだらないジョークで全く記事にできないこともあるくらいだ。

【役づくり】長回しが多く、撮影数か月前から照明の当て方や遮断の仕方を決めていたため、俳優の即興的なパフォーマンスは皆無の本作。舞台を多く踏んでいるノートンにとって長回しの演技を一発で決めるのはそれほど苦ではなかったが、全ての俳優の息が合わなければ撮り直しだったため、あともう少しでカットというところで他の俳優が失敗をしたり撮影ミスをしたりで、歯がゆい思いをしたそうだ。

エマ・ストーン 『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』

エマ・ストーン
(C) 2014 Twentieth Century Fox. All Rights Reserved.

【普段の顔&こぼれ話】エマ・ストーンの赤毛や肌の白さは映画でもうかがえるが、実際に会うと際立って肌が白く、赤毛も強烈な印象を残すほど輝いて見えた。アメリカでよく使われる「The Girl Next Door(気取らない清純な女子)」という言葉がぴったりくる、明るくさまざまなことに興味津々な典型的なアメリカ人の女の子といった風情だ。声は通常の女性よりも低めで、それをセクシーに感じるかは人それぞれのよう。

【役づくり】マイケル・キートン演じる主人公リーガンの娘サムを演じたエマ。サムはリーガンのアシスタントでもあって、疎遠だったリーガンと言い合いをするシーンはワンショットで撮影している。そのため、撮影前に3週間のリハーサルに参加したものの、本番でも何度も撮り直し、なんと25回目でようやくOKが出たという。移動中にカメラがどこかにぶつかったりすることもあり、撮影中はまるで綱渡りをしているような心境だったそうだ。

エディ・レッドメイン 『博士と彼女のセオリー』

エディ・レッドメイン
(C) UNIVERSAL PICTURES

【普段の顔&こぼれ話】父親は銀行の頭取、名門イートン校でウィリアム王子と同級生、さらにケンブリッジ大学卒業という優等生のエディ・レッドメイン。真面目なエディは本作で演じたスティーヴン・ホーキング博士の動きを家に戻っても続けたが、たまにその役を離れ、普通に音楽を聴きながら過ごすこともあったそう。繊細な彼らしく、ホーキング博士が他の人に体を委ねることに「自分なら自責の念を感じる」と、博士が毎回手助けされるたびに「ありがとう」と言う状況は「複雑だと思った」と明かしている。

【役づくり】ALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症したホーキング博士を演じるため、エディは撮影の4か月前から筋肉トレーニングを行い、博士と同じ症状の30~40人と彼らの家族に会って筋力の低下について学んだ。さらに1980年代以前は博士の映像がなかったため、できる限り彼の写真を探し、それを持ってALSの専門家に会った。そしてiPadに映像や写真を入れて博士の体の変化をチャートにし、それをチェックしながら鏡の前で顔の表情や体の動きを準備していったという。

フェリシティ・ジョーンズ 『博士と彼女のセオリー』

フェリシティ・ジョーンズ
(C) UNIVERSAL PICTURES

【普段の顔&こぼれ話】終始笑顔で人好きのするフェリシティ・ジョーンズは、英国女優だがブリティッシュイングリッシュが鼻に付く感じではなく、聞き取りやすい英語を話していた。ホーキング博士の「ブラックホールの特異点定理」について聞かれた際には「ほとんど理解できなかった」と答えるなど正直さが魅力だ。

【役づくり】ホーキング博士の妻ジェーン役のために、彼女が執筆した本を事前に読んだというフェリシティ。もっともジェーンはフェリシティが演じやすい環境作りをしてくれ、賢く面白く、ファッション好きでもあるジェーンの要素をシーンごとに見せることに努めたという。さらに口調はコーチを付けて訓練。タフで、決断力のあるジェーンの演技は難しかったそうだが、見事に体現している。

J・K・シモンズ 『セッション』

J・K・シモンズ
Michael Tran / FilmMagic / Getty Images (C) 2013 WHIPLASH, LLC All Rights Reserved.

【普段の顔&こぼれ話】デイミアン・チャゼル監督が渋滞で遅刻した際は、記者や司会者をウイットのあるジョークで終始笑わせ、監督が来るまで一人で会見の場を盛り上げたJ・K・シモンズ。その姿は、今作で彼が演じた鬼教師フレッチャーをほうふつさせるカリスマ性を感じさせた。会見を欠席した主演のマイルズ・テラーに対して、「彼は(ヤンキースの)デレク・ジーター選手の最後の1週間を見にボストンに居るため、今日は来られなかった」と語ったジョークは大ウケした。

【役づくり】シモンズの学生時代のフットボールコーチはフレッチャーのキャラクターに近い要素を持った先生だったそうで、これまで彼が学んださまざまな先生をフレッチャー役のヒントにし、さらに彼自身の父親も公立学校の教師であったため、父親から取り入れた教育姿勢が自然な演技として表現できたそうだ。そのためシモンズは過激な言葉を放つフレッチャーを、あくまで良い教師になりたいという観点で演じていたと明かしている。

ジュリアン・ムーア 『アリスのままで』

ジュリアン・ムーア
(C) 2014 BSM Studio. All Rights Reserved.

【普段の顔&こぼれ話】ジュリアン・ムーアは記者会見では他の俳優や監督の意見に流されず、自分の意見を主張するなど芯の強さが魅力的な女優。ただ撮影時以外の普段の顔が気になるようで、プロのカメラマン以外は彼女の写真を撮らせてもらえない。もちろん年齢的なものもあるのだろうが、取材用の写真を彼女にお願いしてもまず許可は下りない。

【役づくり】若年性アルツハイマー病と診断された50歳の言語学者の苦悩と葛藤を演じるため、アルツハイマー病の母親と祖母を持つ今作の製作者から話を聞き出し、米国アルツハイマー病協会に初期患者とのSkypeでの面会をセットアップしてもらったほか、アルツハイマー病のサポートグループ、施設に長期居る患者と世話人、彼らの家族と話したというジュリアン。さらにドキュメンタリー映画も鑑賞したそうで、あらゆることを吸収して撮影に臨んだことで多くの賞を獲得するという結果につながったのは間違いない。

ロザムンド・パイク 『ゴーン・ガール』

ロザムンド・パイク
(C) 2014 Twentieth Century Fox

【普段の顔&こぼれ話】父親がオペラ歌手、母親はバイオリニストで、英国の名門オックスフォード大学を卒業したロザムンド・パイクは、フランス語やドイツ語も堪能。落ち着いた口調で話す彼女には、気品さえ感じる。近年映画作品が多いものの、これまで舞台やテレビでも活躍していて、地に足の着いた安定感のある演技を披露するが特徴だ。私生活では2児を抱える母親で、彼女の言葉の端々に女優、女性、母親、妻というさまざまな顔を持つ自信がみなぎっている。

【役づくり】強い女性はよく男性に置き換えられるが、原作者ギリアン・フリンが描いた主人公エイミーの脳内構成は完全に女だったため刺激的だったと明かすロザムンド。当然そんな役柄は演じるのは困難だったそうだが、彼女は脚本に含まれないエイミーの少女時代から役柄を構築し、役柄を通して結婚相手をどれだけ知り、実際にどれだけ理解できているかという今作のテーマを体現している。

スティーヴ・カレル 『フォックスキャッチャー』

スティーヴ・カレル
(C) MMXIV FAIR HILL LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

【普段の顔&こぼれ話】映画『40歳の童貞男』やテレビドラマ「ザ・オフィス」などコメディーへの出演が多いことから“ジョークを連発する面白い人”というイメージが強いスティーヴ・カレルだが、これまで何度か行った取材では、スーツ姿であまりジョークも言わず、質問に淡々と答える姿が印象的。彼自身「自分はそれほど面白くない」と語るほど真面目な人物だ。役柄に信念を持っているようで、少し的を外れた質問でも丁寧に答えてくれる。

【役づくり】今作で射殺事件を引き起こした実在の御曹司ジョン・デュポンを演じたカレルは、役のリサーチのため書物を読み、ドキュメンタリー作品を鑑賞しただけでなく、デュポン自身が世間にあまり知られたくないことまで徹底的に調べ上げたという。コメディー作品で大げさな表情をするカレルからは想像できないほどの静寂、変貌ぶりに驚かされる。陰のあるデュポンの内面を動作、表情、口調で表現している点が見事だ。

マーク・ラファロ 『フォックスキャッチャー』

マーク・ラファロ
(C) MMXIV FAIR HILL LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

【普段の顔&こぼれ話】人の話をじっくり聞く思慮深いイメージのマーク・ラファロ。記者会見では他の俳優や監督にしゃべらせてほとんど会話に参加しないが、通常のインタビューでは質問に対して丁寧に答えてくれる真摯(しんし)な俳優だ。それは、俳優で居ることが好きと語る彼が、さまざまな役にチャレンジする姿勢にも表れているように思える。ちなみにラファロは夏場でもスーツを着こなしており、ラフなスタイルで取材に参加している姿をあまり見たことがない。

【役づくり】ラファロ演じるデイヴは、離婚した母親に弟マーク(チャニング・テイタム)と共についていったが母親のボーイフレンドを嫌い、5歳の頃からマークの面倒を一人で見てきた。マークの兄であり父代わりであり、さらに階級は違えどレスリングの良きライバルでもあり……という微妙な関係を体現するのが難しかったそうだが、ベネット・ミラー監督と脚本に従って演じたという。

イーサン・ホーク 『6才のボクが、大人になるまで。』

イーサン・ホーク
(C) 2014 boyhood inc. / ifc productions i, L.L.c. aLL rights reserved.

【普段の顔&こぼれ話】ちゃめっ気のあるイーサン・ホークは、記者会見やインタビューでは質問に対してジョークをちりばめて返答することが多い。特に長年タッグを組んできたリチャード・リンクレイター監督の前では、それが頻繁にある。彼は意見もはっきり言い、自己主張も強いと思われがちだが、自分だけに質問が偏ったりすると、他の俳優や監督に自ら質問する気配りもできる人物。子役の頃から活躍している彼は、スタッフや俳優陣からの信頼も厚いようだ。

【役づくり】12年間毎年撮影したため、特別な役づくりをせずに、息子役のエラー・コルトレーンと元妻役のパトリシア・アークエットとの関係を通してより家族愛を深めるよう気を付けたというイーサン。撮影当初はこの実験的作品を単に楽しんでいただけだが、年齢を重ねていくことで掛け替えのない愛すべき作品に変化したそうだ。イーサンは自身の子供と比較や会話をしながら、エラーの年代の繊細な感情、そして子役のエラーが成長してクリエイティブな存在に変化したことを理解したと語っていた。

パトリシア・アークエット 『6才のボクが、大人になるまで。』

パトリシア・アークエット
Valerie Macon / Getty Images (C) 2014 boyhood inc. / ifc productions i, L.L.c. aLL rights reserved.

【普段の顔&こぼれ話】かわいい声が印象的なパトリシア・アークエット。記者に初キスについて聞かれた際に、過去に一度だけキスした男性が、数年後に別の女性と付き合って、その女性を殺害したという驚きの体験を語った。『トゥルー・ロマンス』を観て勝手にぶっ飛んだ性格かと思っていたが、母親が子供を諭すように小声でゆっくり話すなど映画の印象とはかなり違う。しかし笑ったりジョークを言ったりするときのテンションは映画のキャラクターをほうふつさせる。

【役づくり】12年間の主人公メイソン(エラー)の成長過程を描いたため、身なりなどの見た目の制約はあったというが、リンクレイター監督と興行成績を気にせず、演技面ではオープンな共同作業を行えたそうだ。なぜなら監督は、事前に明確なドラマ構成を作らずにいたからだ。今作には哲学的な要素や人間関係がつづられていると感じているようで、現在のようにテクノロジーに頼らずに、あくまで人間性を追求したアプローチを試みたという。

【今月のHOTライター】
細木信宏/Nobuhiro Hosoki海外での映画製作を決意し渡米。フィルムスクールに通った後、テレビ東京ニューヨーク支局の番組「ニュースモーニングサテライト」のアシスタントとして働く。現在はアメリカのプレスとして活動中。

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