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 カプコンの大ヒットゲーム「バイオハザード」シリーズ最新作にして、記念すべき第1作への原点回帰をうたい、根源的な恐怖を追求したスピンオフシリーズの続編「バイオハザード リべレーションズ 2」。脚本は、アニメ「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」「交響詩篇エウレカセブン」などの佐藤大が前作に引き続き担当。さらにゲーム中のムービーは、映画『地獄甲子園』『魁!!クロマティ高校 THE★MOVIE』など、不可能とも思える人気コミックの実写化に果敢に挑む山口雄大監督が手掛け、進化した恐怖を演出する。

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原点回帰をうたったスピンオフに続編が登場!© CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

 メインキャラクターには、シリーズを代表する主人公クリス・レッドフィールドの妹にして、「バイオハザード2」「バイオハザード コード:ベロニカ」のメインキャラであるクレア・レッドフィールドと、第1作以降、クリスたちの仲間として活動する一方、メインキャラとなる機会のなかったバリー・バートンを採用。四つのエピソードで構成された作品を毎週インターネット配信するなど、新たな試みにも果敢に挑戦した本作に込めた思惑について、山口監督と佐藤、プロデューサーの岡部眞輝が語った。(取材・文:編集部 入倉功一)

■ノーラン版『バットマン』のような「バイオ」に!

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© CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

Q:「リベレーションズ」シリーズについてですが、1をプレイしたとき、まさに原点回帰というか、初期の「バイオハザード」の怖さが戻ってきた感覚がありました。

佐藤大(以下、佐藤):「リベレーションズ」の企画を立てたとき、ナンバリングシリーズがスケールの大きい話になってきていたので、小さい空間……お化け屋敷的な場所が舞台の、それこそ「バイオハザード」みたいなことをやりたいというお話があったんです。僕自身「バイオ」は第1作で衝撃を受けたころからずっと好きだったので、それができるならとお受けした形です。それと、僕はすごく(『リベレーションズ』の主人公)ジルが好きだったんですよ。「リベレーションズ」は彼女が主人公というのがあって、自分の脚本にジル・バレンタインって書ける機会は、普通はないじゃないですか。それはもう、やりますという感じでしたね。

Q:海外ドラマのような、エピソード形式の展開も興味深かったですね。

佐藤:それは今回も意識しています。当初から開発チームの皆さんも、僕のアニメ的とかテレビドラマ的な要素をゲームに取り入れたいという感じで、僕の好きだった「バイオ」と自分のスキルがくっついたというか。

Q:今回は、その主人公がジルからクレアとバリーに交代します。

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「バイオハザード」シリーズの大ファンだったという佐藤大

佐藤:お話をいただいた段階で、舞台が孤島で主人公がクレアっていうところまでは決まっていたんです。その設定を聞いたときに、今回は「バイオハザード2」と「ベロニカ」をやりたいなと勝手に思って。というのも「リベレーションズ」では、舞台になる豪華客船クイーン・ゼノビアを「バイオハザード」の館を作った(ジョージ・)トレヴァーが設計した設定にしたり、すごくオリジナル版をリスペクトしていたんですね。僕の中では『バットマン』シリーズをクリストファー・ノーラン監督が作ったような、おこがましいけどそういうような気持ちでした。1990年代のシリーズを現代によみがえらせるようなつもりだったんです。

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Q:『ダークナイト』のようなノーラン版バットマンみたいにしたいと。

佐藤:そうですね。リアリティーコードを変えるというか。ハリウッド版の映画は別として、バイオワールドってぎりぎりのリアリティーコードで作られているんですよね。なんせキャラクターがちゃんと年取りますから。クレアなんて今回、32歳ですよ! 映画で考えた場合、32歳が主役ってなかなかでしょ。バリーなんて60歳手前。ギリギリですよアクションシーンなんか。でもそのリアリティーっていうのはシリーズに与えられた命題だと思っているんです。だからそこは頑張ろうと。

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バリーの娘、モイラも新ヒロインとして登板! © CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

Q:キャラの成長でいえば、「バイオハザード」でバリーの子供として名前だけ出てきたモイラが、クレアのパートナーとして登場するのも印象的です。

佐藤:ファンからは(「バイオハザード0」で主人公だった)レベッカを出してくれとかも言われるんですけどね、もうすげえおばさんかも知れないけど、どうする? と。そこでいうと今回、モイラの存在は重要なんです。彼女を今後10年戦えるヒロインにしたい。

■ムービーとゲームプレイの関係とは?

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Q:そんな本作のカットシーンを手掛けたのが山口監督です。「バイオ」シリーズの大ファンだったということですが、どういった経緯でオファーをされたのでしょうか。

岡部眞輝(以下、岡部):『バイオ』シリーズのCG制作でお世話になっている白組さんに今回もコンセプトをお渡ししていたところで、どなたかカットシーンの監督をご紹介いただけないかと言ったら、最適な方がいるということで、ぜひと。

山口監督:僕は白組さんと、その前に2本ほどゲームの仕事をやらせていただいていたんです。その経験を通して、モーションキャプチャーなどの技術的なノウハウが積まれてきていて、次はもっとうまくできるなっていう話をちょうど白組さんとしていたところだったので、推薦をいただいたのかなと。

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「バイオ」ファン同士! 山口雄大監督と佐藤大

Q:その時点で佐藤さんの脚本は出来上がっていたのですか?

佐藤:カットシーンに関してはゲームプレイの制作より先行していました。というのも、ゲームの流れを作るにあたって、こういうお話で進めましょうというポイントを先に作っておくと、後はゲームプレイでそのポイントの間をつなげるという発想で作れるんですよ。

山口雄大監督(以下、山口監督):ポイントごとのカットシーンを撮るためには、ゲームプレイ中にここまで描いてくれないと成立しないという場面もあるので、ここまでやっておいてくれれば、後は僕が引き取りますっていう形で制作が進んだ形です。カットシーンでこうしたいからゲームプレイはこうしてほしいって伝えて対応してもらったりもしたので、(ゲーム)全体を通してやれた感じが僕の中にはあります。後、僕が実写で組んでいるカメラマンと照明部を入れて、実写版のカットシーンも撮ったんですよ。それを編集して音楽も入れて、ほぼ完成品にしてからモーションキャプチャーの撮影に入った。ただそうすると、役者の方にも感情が入ってくるから、僕が演出をしなくちゃいけないじゃないですか。なので、いろいろ聞かせてもらってからカットシーンの撮影に入れました。

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ヒロインを務めるクレア © CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

Q:これまでの監督作と「バイオ」のイメージが合わない印象もあったのですが。

山口監督:そういうイメージがあるんですよね(笑)。もともと僕は北村龍平監督と『VERSUS ヴァーサス』って映画を一緒に作ったところから始まっていて、ずっとストーリーボード(絵コンテ)を描いたりしていたんです。自分で監督すると『地獄甲子園』とかバカなのになるんですけど(笑)、今回はその(個性を出すのとは違う)ベクトルを発揮できるなと思ったので、やりたいと思いましたね。

佐藤:僕も山口監督の参加はうれしかったです。というのも、ゲームのカットシーンって基本はアングルの工夫もなくて、決まった立ち位置でぐっとカメラを引いて、さあボス戦ですよみたいなのが多いんですよ。でも海外だと、今は映画のスタッフが関わっていて、ケヴィン・スペイシーとか映画俳優も出演していたりする。日本でそういう勝負ができるゲームとなると、「メタルギア」か「バイオハザード」しかないという感覚があるので。もちろん『VERSUS』も好きでしたし。それと今回の作品では、「バイオ」シリーズの世界観をちょっとだけ超えている部分があるんです。「スーパーナチュラル」的とか、超常現象的というのかな。ドラマの構造としてバイオってテラーが多いんですけど、今回はホラーに寄っている。1作目の「リベレーションズ」は完全に硬派なテラーなんですけど。ともかく、山口さんは今回、すごくそれに応えてくれました。

■これだけは嫌! ムービーへのこだわりとは?

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それやらしてくれよ! みたいな演出はないです! © CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

Q:山口監督は、カットシーンを監督する上で、ご自身の個性を反映された部分はありましたか?

山口監督:僕は本当にゲームが大好きなので、カットシーンとゲーム中のテンションが違うのだけはどうしても嫌だったんです。洋ゲーの場合は、あくまで地続きの中でゲームの世界を壊さずにカットシーンがあって、僕もそうあるべきだと思うんですよね。カットシーンもゲームの物語を伝える一部なのに、そこが接合性がとれていないとチグハグになっちゃいますから。

佐藤:そう! そうなのよ。

山口監督:ゲーム中にできないやたら変なアクションがカットシーンにあるのはダメじゃないですか。それをやっちゃうのは僕的にはなくて、「バイオハザード」の一部として、いかにゲームプレイとの違和感をなくしていくかっていう作業をやりたかった。だから僕の味があるかはわからないです。普段ゲームをしていても、自分がプレイでやりたいアクションをムービーでやられていることがあるんですよ。それ、(プレイで)やらしてくれよ! みたいな。それは本当に嫌で、大さんにもディレクターにも、それは嫌いと言ってもらえたので。ただ、本当に多いんですよそういうの。それやらしてくれよみたいな(笑)。

■バイオ」シリーズを大切に…

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しっかりと伝統を重んじた恐怖が襲う! © CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

Q:「バイオハザード」といえばハリウッド映画も制作されていますが、今回の作品に影響を与えた映画などはありますか?

佐藤:とにかく「バイオハザード」シリーズの話をしていましたね。「バイオ」自体にいろんな映画へのオマージュがあるじゃないですか。一番最初は(『ゾンビ』の)ジョージ・A・ロメロ監督の作品だったり。そういう孫引き的な部分で、もともとが映画的な作品だったっていうところだと思います。

山口監督:ハリウッド版の映画は全然意識していないですけどね(笑)。

佐藤:ただ、クレアが主役の『バイオハザード:ディジェネレーション』とか、CGアニメ版は正伝なので、つながっています。クレアが主人公としてゲームに出たのって、実は今回が9年ぶりなんですよ。意外と出ていない。その間埋めるのどうしようってなったときに、『ディジェネ』の設定で埋めようと。そうしないと誰? ってなっちゃいますからね。

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バリーの娘がメインキャラに! © CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

Q:バリーはメインキャラクターとして登場するのはほぼ初めてですが。

岡部:バリーは特に海外のファンから、使いたいっていうリクエストが、新作発表のたびに出ていたんです。今回は、やっとっていうことですよ。それぐらい熱狂的なファンがいるんです。

佐藤:あと本作はモイラの成長物語でもあるんです。やっぱりバリーの娘ですから。その理由とかも含めて今回は家族愛というテーマにもトライしようっていう話はしていたんです。政府と戦うとかそういった大きな理由で戦うのは1でやったので、今回は家族のために戦うっていう、実はホラー映画の基本、自分が助かると恋人を助けるという、トビー・フーパー的というか、ダン・オバノン的というか、そういう小さい世界。『ハロウィン』的なものをやりたかったというのはあります。

Q:ちなみに今後、山口監督がCG版の監督をされる可能性などは?

山口監督:それは僕が言いだすことじゃないですから(笑)。

佐藤:テレビシリーズはどうですか? 10年前ならあれですけど、ミニシリーズならできるんじゃないかな。

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山口雄大監督、佐藤大、岡部眞輝

山口監督:あと、ぜひ「リベレーションズ3」はやりたいですね。ただ『ダークナイト』でいったら、『ダークナイト ライジング』にはならないように。あれはベインが弱くてがっかりしちゃいましたからね(笑)。

岡部:今回はエピソードごとに毎週配信する形式(エピソディック配信)とディスク販売があるんですけど、各章ごとに、クリフハンガーというか、その先がどうなっていくか気になるように仕込みをいれています。違う遊び方が見えてくると思うので、ぜひエピソディック配信で楽しんでいただきたいです。

佐藤:「リベレーションズ」を楽しんでくれた方はもちろんですが、この作品から始めた人がさかのぼってプレイしていただいても面白いストーリーになっているんです。なのでぜひ、1、2共に楽しんでいただけたらと。あと、「バイオハザード HDリマスター」をやっていただいて。バリーがどういうキャラかわかるので、3部作みたいな感じで、遊んでいただきたいです。

山口監督:毎週1章づつダウンロード販売するということで、次をやりたくなるような終わりにしろと、最初からもう、させろさせろっていうリクエストがあって(笑)。台本の終わり方も、大さん苦労されたんだろうなぁっていうね。なので、少しあざとい手も使っているんですが、そこも楽しんでもらいたいです。海外ドラマなんかも、わかっていても気になるところで終わる楽しみってあるんですよね。そこは僕も大さんも意識してやらせてもらったので、楽しんでもらいたいです。

【スペック】「バイオハザード リベレーションズ2」ダウンロード版:2月25日から毎週水曜日配信 EP1~4 各741円+税 主要コンテンツを収録したコンプリートシーズンは3,241円+税ディスク版:3月19日 発売予定 4,990円+税※上記スペックは全てPS3版、PS4版。詳細は公式サイトをご確認ください。

【リンク先】「バイオハザード リベレーションズ2」公式サイト:http://www.capcom.co.jp/rev2/


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