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『Zアイランド』品川ヒロシ監督の頭の中<製作編>

俳優・哀川翔の芸能生活30周年を記念した、品川ヒロシ監督の第4作『Zアイランド』が公開される。これは主演の哀川をはじめ、鶴見辰吾鈴木砂羽木村祐一宮川大輔風間俊介窪塚洋介などバラエティー豊かなキャスト陣が、ゾンビが大量発生した島からの脱出を試みるアクションエンターテインメント。昔からゾンビ映画が好きだったという品川監督にとっては、一度は自分のゾンビ映画を作ってみたかったという、オリジナル脚本による念願の企画である。(取材・文:金澤誠)

『Zアイランド』品川ヒロシ監督の頭の中<製作編>
『Zアイランド』品川ヒロシ監督の頭の中<俳優編>

自分らしいゾンビ映画とは何か?

Zアイランド

 品川監督がゾンビ映画を好きになったのは、子供の頃にテレビの洋画劇場でジョージ・A・ロメロ監督の『ゾンビ』(1978)を観たのがきっかけ。当時から、食事をしながら平気でゾンビ映画を観ていたという。

 「ホラーが苦手ということも初めからなくて、今でも『バタリアン』シリーズをまとめて借りてきて飯を食いながら観たり、テレビの「ウォーキング・デッド」シリーズなんかは、続きが早く観たいですから一晩中観たりしますね。好きなゾンビ映画を3本挙げるなら、コメディーの要素が強い『ショーン・オブ・ザ・デッド』(2004)や『ゾンビランド』(2009)、それと『REC/レック』(2007)です。やはり記憶に新しい作品の方が印象的です。ゾンビ映画も時代によって表現が新しくなっていて、例えばロメロ監督の3部作はゾンビ映画の原点だと思いますけれど、今観ると物足りなさを感じてしまいますから」
 

Zアイランド

 かなりのゾンビ映画を観てきた品川監督は、自分らしいゾンビ映画とは何かを考えたとか。

 「僕の観た限り、ゾンビ映画の中でゾンビ映画について語っているものはなかったんです。でもリアルに考えたときにゾンビがあふれた状況に自分が遭遇したら、まず“あっ、これはゾンビだ”と言うと思うんですよ。まったくゾンビを知らない設定にすることは、無理があると思う。だからここにも風間俊介君演じる、ゾンビ映画に詳しい医者に登場してもらって、今自分たちが出会っているのがどんなゾンビかを解説させているんです。例えばゾンビ映画を観ると絶対に、そのゾンビの動きが“速い方”か“遅い方”かが気になる。そういう要素をちりばめているのが自分らしいと思っているんです」

こだわったゾンビの見せ方

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 ゾンビ映画と一口に言っても、その動きは作品によって違う。だからこそゾンビ映画ファンである品川監督は、今回のゾンビをどのように動かすのか。そのディテールにこだわった。

 「誰でもゾンビ映画を観ているものだと思って、(宮川)大輔さんにまずゾンビの動きをやってもらったら、まるでゴリラみたいで全然ゾンビらしくなかったんです。僕としては両手を前に伸ばして歩くキョンシースタイルは嫌いだったので、大輔さんには速く動くゾンビをやってもらおうと。それでエリマキトカゲが両手を垂らしながら草原を走る状態をやってくださいとお願いしました。そうしたら手をブラブラさせながら、ものすごく速い走り方になって、それが怖いけど面白いんですよ。試写会では風間君を大輔さんが追い掛ける場面で必ず爆笑が起こる。僕も現場で疲れてくると、その場面を見て爆笑することで元気をもらっていました」

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 またメイクに関しても、細部にまでゾンビらしさとは何かを探りながら、試行錯誤を重ねたという。

 「ゾンビのメイクに関しては『バイオハザード』(2002)などを観てもただ白く塗っただけとか、まったくゾンビメイクらしくないんです。かといって「ウォーキング・デッド」(2010~)のように顔が崩れたような特殊メイクをすると、1人につき2時間程度かかってしまう。またそこまでメイクをすると、誰が演じているかわからないですよね。本作ではゾンビになってからも出演者の一人として描こうと思ったので、顔がわかるけれども怖いというレベルにしたかったんです。ゾンビ感をどうやれば出せるのか、特殊メイクの方の資料や世界のゾンビ映画の写真を見て考えました。例えば顔に蛇がうねったような死斑を入れたんですけれど、本当は死んで数時間経った死体にしか死斑は出ないんです。でもこれを顔に入れると圧倒的に怖いので、ゾンビ全員に死斑が入っています。また目の濁り方もいろんなコンタクトレンズで試したし、歯が汚れていた方がゾンビ感が出るとか。そうやってパーツごとにメイクを考えました」

ロケ地を生かしたシナリオ作り

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 この映画は全編佐渡島で撮影された。早くからロケ場所を特定して映画作りを進めたことで、これまでの自身の監督作にはないライブな感覚の楽しさも味わったようだ。

 「限られた空間から脱出する方が目的がはっきりしていて、ゾンビ映画として描きやすいと思いました。それで舞台を島に設定したんですけれど、シナリオの第1稿は勢いで書いて、それから佐渡島へシナリオハンティングに行ったんです。すると実際ロケに使う場所を見て浮かぶアイデアがあって、そこから書き直した部分も多かったですね。これまでの『ドロップ』(2009)や『漫才ギャング』(2011)は自分の小説を映画化したものでしたが、今回は完全に映画のために書き下ろしたオリジナルで、しかも佐渡島というロケ地に当てはめて細部を作ったんです。そういう意味では純粋に映画でしかできない表現にこだわった作品なので、やっていて楽しかったですし、ゾンビ映画を作るのは面白いと思いました。しばらくはゾンビ映画を作り続けたいと思うくらい、好きになりましたよ」

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 観るゾンビ映画好きから、作るゾンビ映画好きへと変化した品川監督。自分の趣味的なこだわりを作品に反映させながら、佐渡島でスタッフや出演者と合宿状態で撮影できたことを、監督は本当に楽しそうに語った。果たして品川監督のゾンビ映画は、今後どんな展開を見せるのか。その動向も気になる。

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映画『Zアイランド』は5月16日より全国公開

映画『Zアイランド』公式サイト>

作品情報

©2015「Zアイランド」製作委員会

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