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映画たて・よこ・ななめ見!
ウーマンラッシュアワーの映画たて・よこ・ななめ見!第26回:『サンドラの週末』

ジブリで宮崎駿監督の出待ちをしちゃうほど映画大好きな村本大輔と、映画に関しては素人同然の中川パラダイスが、あらゆる角度からブッ飛んだ視点で映画トーク。今回は、自分のクビを撤回するため同僚たちを説得して回る女性をマリオン・コティヤールが演じた『サンドラの週末』をななめ見しちゃいます!(取材・文:シネマトゥデイ編集部・入倉功一)

コンビ解散と引き換えに100万円もらえるとしたら?
サンドラの週末
療養を経て出社した矢先、上司から従業員のボーナス支給のため解雇を言い渡されたサンドラ

村本:考えさせられる話やったなぁ。サンドラはクビになりたくないけど、同僚もみんな金に困っていて、彼女がクビになれば代わりにボーナスが出るという。

中川:説得する側とされる側、どっちの立場もわかるから、観ていてちょっと悲しくなるな。

村本:だから、1人も悪いやつが出ていないともいえる。もし自分だったらどうなんだろうと考えるよな。(サンドラの解雇に)賛成でも反対でも、悪いわけでもなく良いわけでもないというね。

中川:やっぱ金に人が振り回されるっていうのは、世界中そうなんだなって思ってしまったわ。

村本:まぁ金がないとああなるわ。僕もこういう映画に出会えたから言うけど、吉本に入る前の金がなかった時代、ある高校から学園祭でネタやってくれって言われて後輩の芸人と行ってね、お金もらって山分けしたわけやけど……。実はめっちゃピンハネしたからな!

中川:悪徳プロデューサーやんか!

サンドラの週末
「もしもコンビ解散の危機を迎えたらどうするか?」とシビアなシチュエーションを中川に迫る村本

村本:ちょっとおまえ、僕を説得してみ? 会社から「コンビ解散と引き換えに100万円」って、言い渡されるみたいなシチュエーションで。

中川:コンコン(とノックして)。ちょっと今、時間ある? 明日早い?

村本:今、音楽聞いてた。

中川:あ、そう。邪魔して申し訳ないけど。その~ちょっと言いづらいんやけどな。今何か会社の人から「コンビ解散したら100万もらえる」みたいな話をされとるやん。まあ、解散するのはそらもう自由やから、いいと思うねんけど、ただコンビでやる仕事も、まああるわけやんか。

村本:漫才とかね。

サンドラの週末
コンビ継続のすべを考え込む中川

中川:ピンの仕事も増えつつあると思うんやけど、やっぱり2人だからこそやれるってこともあると思うねん。僕の支えがあるからこそ、村本が1人で番組に出た後にも、戻ってくる場所がある。いわば、基地があるってことやね。

村本:でも、年末のネタ番組で「村本1人で」って言われて、ピンで出たし。

中川:それはもう……あれよ、その……やっぱり「1人でも見てみたい」というのもあると思う。けど、それは普段は2人やから出てくる気持ちなわけで。1は1でしかないやん? でも1と1を足せば2になるし。

村本:でも、2人で出ている番組でおまえがしゃべらんぶん、僕1人で2人分頑張ってるわけやけど、おまえにもギャラ入っとるよな。

中川:まあ……そうやね。僕には嫁も子供もおんねん。

村本:僕はおまえの嫁と子供じゃないから。じゃあ、もう、この辺で!

村本の「僕は優しい」宣言に中川ドン引き
サンドラの週末
職場の仲間たちはサンドラの復帰、ボーナス支給どちらを取るのか……?

村本:しかしサンドラは優しい人やな。劇中、「ボーナス泥棒の気分よ」って言う場面あるやろ? すごく罪悪感を持ってみんなを説得しているわけや。人に気を使える繊細で優しい人間ほど鬱(うつ)になるっていう。だからこれは、僕の映画やな。

中川:は……? 何て?

村本:僕が限りなくサンドラに近いタイプの人間ってことやがな! この前も中川家の礼二さんに「すごく優しいし、努力家なんやろな」って言われたし。それに、ガスコンロのカチッカチッてツマミあるやろ? 家出るとき、あそこがちゃんと「止」のところになっているのかを1時間ぐらい確認してまうのよ。

サンドラの週末
激しく拒絶する者、同情する者……ボーナス支給を辞退してほしいと懇願するサンドラに対する仲間たちの対応はさまざま

中川:それは優しいとちゃうやろ……キツいでそんなヤツ。

村本:ちゃうねん、神経質で真面目やから、確かめずにいられんのよ。伊集院光さんも「真面目な人間やから、心が優しい人間やからそうなる」って言うてくれたし。サンドラもそう。フツーだったら「わたしよりお金を取った。何て汚い人間なんだ」って考えそうなところを、自分が悪いと考える心優しさ。それで鬱(うつ)になって社会に疲れている。そしてそういう人間が、自分の生活を守るために、非難ごうごうかもしれんのに一人一人と交渉していくという、勇気をもらえる映画やね!

中川:おまえも、結構世間から嫌われとるからな……。

これだけは言いたい!ナナメ見ポイント
サンドラの週末
アカデミー賞主演女優賞ノミネートも納得の、マリオン・コティヤールの名演は必見!

村本:サンドラ役のマリオン・コティヤールさんもキレイやった! しかもずっとタンクトップでブラひもが出とって。

中川:フランスというか、欧米の人はそんな(露出過多な)感じが当たり前なんかな?

村本:“エロデミー賞”があったらノミネートされるぐらい。ブラもこう、ほんまに着けているのかっていうね。よくパリコレとかで見る、服から透けて見えるタイプのおっぱいで良かったな。

中川:あと、サンドラと旦那さんがアイス食べるところ! おまえが旦那の食い方が気になるって言うもんやから、めっちゃ気になったわ! 舌にアイスをこう……なすりつけるような食べ方で。

村本:そうやねん。めっちゃ気になった! あれはもう、新宿2丁目のおっさんらが観たら、テンション上げて喜んでまうで!

中川の嫁が水商売を始める!?
サンドラの週末
一家の危機を訴える中川に物申す村本

中川:あんな、これほんまにタイムリーやねんけど、まさに今日、嫁が「子供預けて、夜、水商売しようかな」って言ってきたのよ。給料減るとか考えたらどうなんやろって……。

村本:確かにこの前、番組でお世話になっているスタイリストさんに「中川さんと、とんと会っていないけど」って言われたわ。今日も前の仕事、僕だけやったし。昨日も、その前も……。つまりおまえは、失業状態なわけや。

中川:だからなのか、「ちょっと、夜、働こうかな」って。何か無認可の託児所に預ける手もあるしって。ちょっと待ってくれよってなったんやけど。

村本:僕からしたら、それをケロっとした顔で言えるおまえがすごいわ!

中川:ケロッとしてへんで! 子供の手前、「そんな夜のお仕事はあかんのちゃうか?」って言うたよ。バイトやパートとかやったらストレス発散にええかなと思うけど。

村本:いや、自分の稼ぎがなくなって嫁が水商売をせなあかんのに、何が「タイムリー」やねん! 普通は恥ずかしくて、ヘラヘラと言えるヤツなんかおらんぞ全く……おまえはヒモとしてどこでも生きていけるな! 黄金の……いやシルクのヒモや! ほんま、夫婦そろって楽して稼ごうとするよな。

中川:楽やないで!

今月の激オシ映画はコレ!

『サンドラの週末』

カンヌ国際映画祭パルムドールを2度受賞したベルギーのジャン=ピエール・ダルデンヌリュック・ダルデンヌ兄弟による社会派ドラマ。従業員のボーナス支給のため上司から解雇を言い渡された女性が自身の解雇撤回のため奮闘する姿を描き、数多くの映画祭で話題となった。主演は『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』などのオスカー女優マリオン・コティヤール、ダルデンヌ兄弟作品常連のファブリツィオ・ロンジョーネオリヴィエ・グルメらが共演。

映画『サンドラの週末』オフィシャルサイト

(C) Les Films du Fleuve - Archipel 35 - Bim Distribuzione - Eyeworks - RTBF(Televisions, belge) - France 2 Cinema

ウーマンラッシュアワーPROFILE

2008年に結成された、村本大輔と中川パラダイスによるお笑いコンビ。2011年「ABCお笑い新人グランプリ」最優秀新人賞受賞、2012年「THE MANZAI 2012」決勝進出、2013年NHK上方漫才コンテスト優勝など数々の賞に輝き、4月に東京進出。先ごろ行われた「THE MANZAI 2013」で見事優勝し、3代目王者に輝いた。

村本大輔

村本大輔

1980年生まれ。福井県出身。自分でも「ネットに書き込まれるうわさはほとんどが事実です!」と認めている、自称・ゲス野郎芸人。だがその一方で、ジブリ作品やピクサーなどの心温まるアニメが大好きで、映画『あなたへ』で号泣するほどのピュアな一面も持ち合わせる大の映画好き。水産高校に通っていたため(中退)、お魚系や海洋ネタにも意外に詳しい。


中川パラダイス

中川パラダイス

1981年生まれ。大阪府出身。これまで10回もコンビ解散している村本と唯一トラブルもなくコンビを続けている広い心の持ち主。2012年に入籍し、現在1児の子育てを満喫中のイクメンパパでもある。映画に関しては、「王道なものしか観ない」というフツーレベル。


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