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岡田将生&染谷将太
『ストレイヤーズ・クロニクル』
運命的なものを感じた再共演
『ストレイヤーズ・クロニクル』岡田将生&染谷将太 単独インタビュー

取材・文:斉藤由紀子 写真:高野広美

本多孝好の人気SF小説「ストレイヤーズ・クロニクル」が、『ヘヴンズ ストーリー』『アントキノイノチ』の瀬々敬久監督によって映画化された。生まれながらに特殊能力を持たされた若者たちの戦いを描く本作で、相手の動きを先読みできる主人公の昴を演じるのは、初の本格アクションに挑む岡田将生。昴率いる能力者チームと敵対する殺戮(さつりく)集団のリーダーで、体内に死のウイルスを保持する車椅子の少年・学を染谷将太が演じている。プライベートでも親しい間柄の岡田と染谷が、撮影時の裏話を語り合った。

■飲み会で岡田と染谷の再共演が実現!?

Q:お二人とも、これまでにない役柄に挑戦されましたね。

岡田将生(以下、岡田):以前から瀬々監督に、「今までとは違う役をやろう」と言われていたので、常に監督に応えたい一心で現場にいたような気がします。同世代の俳優さんとご一緒できる機会も今まであまりなかったので、毎日が刺激的で楽しかったです。

染谷将太(以下、染谷):「主人公とわかりやすく敵対するボス」という役は初めてだったので、面白かったですね。悪役って、役者は一度はやってみたい気持ちがあるんじゃないかと思うんです。

岡田:そうだね。僕もやってみたい。

染谷:今回は、車椅子の役だからこその面白いことをしたかったんです。例えばセリフを言いながら歩いているときって、その歩く速度とかで(観客からの)見え方が変わってきますが、それは車椅子も一緒で、車椅子が動く速さで見え方が違ってくるんです。強いセリフを言いたいときはスピードを出して一度通り過ぎてから、振り返って言うとか。効果的な動きを瀬々監督と相談しながら作っていきました。

Q:染谷さんのキャスティングは、岡田さんの希望だったと伺いました。

岡田:この作品がまだ本決まりになる前に、たまたま将太と瀬々監督と3人で飲む機会があって、「学の役は将太がやってよ」と言ったことがあったんです。まだ企画の段階で、本当に僕が昴役をやるかどうかもわからないのに(笑)。そのあとにすぐ実現することになったので、運命的なものを感じました。

染谷:僕はそのとき、お話の内容もよくわかっていなかったんですけど、どんなに小さい役でも参加したいなと思いました。ただ、「やらせてください!」と監督に自分から言うのは好きではない人間なので、そこでは「やれたらいいね……」みたいなノリだったんですけど(笑)。

Q:昴の先読み能力が岡田さんにもあるんじゃないですか(笑)。

岡田:いや、それはないですよ(笑)。でもそう言ってくださるのはうれしいです。今回完成した作品を観て、(『アントキノイノチ』で共演した)将太と瀬々監督ともう一度やれて、本当によかったと思いました。今までにない経験もさせてもらったので、すごく充実した時間でした。

染谷:三人が集まって作品を残せたというのは、すごくうれしいことですよね。

■瀬々監督のオーダーに大混乱!

Q:岡田さんのスピーディーなアクションがすごく新鮮でした。

岡田:スタッフの皆さんがうまくやってくれただけです。アクション専門の方々が、限られた時間の中やれる範囲のことを丁寧に教えてくださったので、僕はただついていくのみでした……。そういえば、将太も『寄生獣』でアクションをやっていたよね。

染谷:あ、まあ。

岡田:あれを観たとき、動きがスゴイなって思ったんだよ。今回の現場で僕が「将太、アクションって大変だなあ」って言ったら、「僕もアクションをやったときに、すごい筋肉痛になったんですよ」って言っていたので、ああ、これで筋肉痛になったんだなって納得した(笑)。

染谷:あれで1年分くらいのアクションをやったから、僕はいま車椅子に乗っているんだろうってよく現場で言っていたんです。「おまえはもうやったんだよ」っていうおぼしめしなのかなと(笑)。

岡田:「もういいから座っていなさい」ってね(笑)。

Q:染谷さんは瀬々監督から難しいオーダーをされたそうですね?

染谷:監督から「素っぽくイカレて」と言われたんですが、その言葉はいまだに謎です(苦笑)。まあ、「やりすぎず、やりすぎる」と言いますか、急に怒りだしたりとか、感情の不安定さは意識していましたけど……。一番衝撃的だったのが、撮影の準備中に言われた一言。車椅子に乗ってボケーっと待っていたら監督が走ってきて、「今のその感じだよ!」って言われたんです。「僕が待っているときって、そんなにイカレてますか!?」って余計わからなくなりました(笑)。

■素直な気持ちが純粋な芝居を作る

Q:それぞれ話題作への出演が続いていますが、役から役への切り替えはどうされているのでしょう?

岡田:僕は他の作品が終わった4、5日後くらいに、この撮影に入ったんです。その前からずっとアクションの練習をしていたので、前の作品のことは頭の中から消し去りましたね。もちろん、どの作品もやっているときは全力でやります。ただ、次に新しいことをやるときは、スパッと切り替えたいんです。

染谷:僕はカメラ前に立つとき以外は何も考えずにボケッとしているので、切り替えるものがないというのが正直な感じです。

Q:久々の共演でお互いの進化を感じた部分はありましたか?

岡田:いやもう、彼は常に進化している人ですよ。本当に「素でイカレてる」。

染谷:えっ? 大丈夫かな……(笑)。

岡田:いや、これは褒め言葉だから(笑)。将太が演じる役はどれもいつも魅力的なので、また一緒にやりたいなと思います。

染谷:岡田くんはとても素直に感情をぶつけてくださるんです。自分が台本を読んで、あまり考えないようにしようと思いつつもなんとなくイメージしたものを、壊す勢いで素直にぶつかってきてくださる。そうなると自分も勝手に素直になって、純粋なお芝居になるんですよ。

■二人が使ってみたい特殊能力

Q:今回の映画には、さまざまな特殊能力を持つキャラクターが登場します。実際に使えるとしたら、どの能力を希望しますか?

岡田:んー、なんだろうなあ……。昴の先が見える能力もいいとは思うんですが、すごい疲れ目になりそう(笑)。

染谷:頭痛とか肩凝りとか、きそうだよね(笑)。

岡田:一番つらそうなのは、成海璃子ちゃんが演じた沙耶の「超聴覚力」ですね。聞きたくないものまで耳に入ってきてしまうのは、やっぱりつらいだろうなと共感します。

染谷:僕は今回の中なら、ババン! と別の場所に移動できる「超高速移動」ですかね。

岡田:そんなに急いで生きていないでしょ!

染谷:でも、渋谷とかで誰かに絡まれたりしたときに、バババン! と逃げられるから。センター街で「テメエ、ちょっとツラ貸せよ」とか言われても、バババン! と(笑)。

岡田:そんなことそうそう起きないだろ(笑)。

Q:この映画から何か感じてもらいたいことはありますか?

岡田:アクションだけじゃなく社会派的なメッセージも含まれていて、若い方に響く言葉もたくさん出てくるとても瀬々監督らしいストーリーです。今回のテーマである「今を生きることの意味」を感じてもらいたいですね。

染谷:今まで僕が見たことないような、岡田くんのスタイリッシュなアクションが本当にカッコいいです。あと、良い人も悪い人もこの映画の登場人物は美しい。彼らの感情がずっとたまっていって、最後に爆発する。その爆発の仕方がとても美しいなと感じたので、そこに共感してもらえるとうれしいです。

岡田・染谷・瀬々監督が、「もう一度一緒にやりたい」と願って実現したという本作。役者2人のコメントに監督の名前が頻繁に登場することからも、彼らが絶対的な信頼関係で結ばれていることがよくわかる。望まぬ特殊能力を与えられた少年の苦悩を、巧みなアクションと共に表現した岡田。狡猾(こうかつ)さと無邪気さを併せ持つ車椅子のヒール役を見事に体現した染谷。瀬々監督は今回の作品で役者たちの潜在能力を最大限に引き出したようだ。

映画『ストレイヤーズ・クロニクル』は6月27日より全国公開

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