シネマトゥデイ

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今月の5つ星

 うだる暑さの中で、映画館は絶好のクールダウンスポット! 夏休みの8月に観ないと話題に乗り遅れるのは、全世界歴代興行収入第3位(7月21日時点)の大ヒットを飛ばしている『ジュラシック・ワールド』。また、戦後70年の節目だからこそ目に焼き付けたい『日本のいちばん長い日』や、ブラックユーモア満載の『さよなら、人類』、ミニシアター系では『夏をゆく人々』がオススメ。『ナイトクローラー』ジェイク・ギレンホールの怪演にも注目!

『ジュラシック・ワールド』

『ジュラシック・ワールド』
©Chuck Zlotnick / Universal Pictures and Amblin Entertainment

遺伝子操作のインドミナス・レックス、全然アリ!
 第1作から22年の歳月を経てついに完成した恐竜のテーマパーク。人間は何度襲われれば気が済むのだろうかと思いつつも、あのゲートが開いてあのテーマ曲が流れてくると、第1作公開時の熱狂が呼び起こされるとともに「ついにオープンしたのか……!」という感慨に思わず涙が。パークの造形も丁寧に作り込んであってワクワクは最高潮に。それだけにパークをもっと見て回りたくなるが、遺伝子操作で作られたインドミナス・レックスの脱走により一転、死亡フラグが立った途端に回収されるという爽快感すらあるジェットコースタームービーとなる。「遺伝子操作ってどうなの?」と思うファンも多いだろうが、第1作から恐竜のDNAの欠如部分はカエルのものを使っていたのでオリジナル版に非常に忠実といえ、その存在も違和感なく受け入れられる。『GODZILLA ゴジラ』レジェンダリー・ピクチャーズならではのアクションシーンは大人も子供も大興奮となること必至だ。(編集部・市川遥)

映画『ジュラシック・ワールド』は8月5日より公開

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『日本のいちばん長い日』

『日本のいちばん長い日』
©2015「日本のいちばん長い日」製作委員会

日本がいかに戦争を終えたのかを描く、その覚悟に込められた平和への祈り
 連合軍からポツダム宣言の受諾を迫られた1945年7月、日本の降伏決定からそれを国民に伝える玉音放送が敢行されるまでを、半藤一利のノンフィクションを基に描いた歴史ドラマ。日本がいかに戦争を終えたのかを活写した作品とあって、原田眞人監督が込めた平和への思いや祈りがスクリーンからほとばしる。日本の歴史を決定付けた実在の人物を演じる覚悟を体中からにじませる役所広司本木雅弘、その中で圧倒的な存在感を放つ山崎努、本土決戦を主張する青年将校というこれまでのイメージにない役で再発見ともいえる演技を見せた松坂桃李らの競演にうなること必至。上映時間136分という長さを感じさせない緊張感あふれる閣議の様子など、濃密な脚本でドラマとしても魅せる。戦争終結に向け命懸けで奔走した人々の長い一日に、二度と戦争という怪物を呼び覚ましてはならないという思いが胸を打つ、戦争への危機感が高まる今だからこそ観るべき一本だ。(編集部・吉田唯)

映画『日本のいちばん長い日』は8月8日より公開

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『さよなら、人類』

『さよなら、人類』
©Roy Andersson Filmproduktion AB

芸術作品という名がふさわしい“人間図鑑”映画
 第71回ベネチア国際映画祭で金獅子賞(最高賞)を受賞した本作は、スウェーデンの鬼才ロイ・アンダーソン監督によるリビングトリロジー(人間についての3部作)の最終章となる不条理コメディー。面白グッズを売り歩くセールスマンのサムとヨナタンを軸に、何をやってもうまくいかない人たちの悲しくもおかしな人生が描かれる。壮大なストーリーはなくとも、パノラマ構図に固定カメラで1シーン1カットという独特なスタイルで人間の本質を見事に切り取る。とりわけ、巨大なセットシーンの多くはドアが開けられていたり、ガラスの窓があったりと、隔てられた空間を効果的に利用。手前の部屋には死に際の人がいるのに、その奥の部屋にいる人はそれに無関心といった描写などは笑いを誘いながら、語らずとも人間とはどういうものかを教えてくれる。図鑑を眺めるようにさまざまな人間を目の当たりにし、原題の訳「実存を省みる枝の上の鳩」が示すように、ふと自分の存在についても考えさせられる作品だ。(編集部・石神恵美子)

映画『さよなら、人類』は8月8日より公開

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『夏をゆく人々』

『夏をゆく人々』
©2014 tempesta srl / AMKA Films Pro ductions / Pola Pandora GmbH / ZDF / RSI Radiotelevisione svizzera SRG SSR idee Suisse

ラストの衝撃をどう受け止めるか!?
 第67回(2014年度)カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した寓話(ぐうわ)的人間ドラマ。古代遺跡が残る自然豊かなイタリアの地方で撮影された映像の美しさは、まるで自分が小旅行をしたような気分にさせてくれる。キャラクターもユニークで、養蜂一家の父ちゃんは荒くれ者だけど、娘思いで憎めず。物語の軸となるしっかり者の長女とは真逆の超マイペースでゆる~い妹も悪気はなく、お姉ちゃん思いだったりするから結局かわいい。ドラァグクイーン並みの派手さで登場するテレビ司会者役のモニカ・ベルッチが、作品の良いアクセントに。長編2作目となるイタリアの新星アリーチェ・ロルヴァケル監督による映像の切り取り方も独特で、長女の斜め後ろから首筋へのアングルなどには、言葉では表せないような情緒と余韻が含まれている。喜怒哀楽の波が時と共に流れ、「不思議な映画」と形容されることの多い本作……。ラストの衝撃に思わず声を出したくなるので要注意。(編集部・小松芙未)

映画『夏をゆく人々』は8月22日より公開

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『ナイトクローラー』

『ナイトクローラー』
©2013 BOLD FILMS PRODUCITONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

ジェイク・ギレンホールが12キロ減量&ギョロ目で不気味に怪演
 本作は、事故や事件現場にいち早く駆け付け、撮影した映像をマスコミに売りさばく報道スクープ専門のパパラッチ、通称“ナイトクローラー”となった男を描いたサスペンス。過激な映像を求め、次第に常軌を逸していく主人公・ルイスを演じたジェイク・ギレンホールは、「ルイスを例えるなら、痩せこけたハイエナだろう」と約12キロの減量を敢行。そのかいあって、良心の呵責(かしゃく)を1ミリも感じさせず、スクープのためなら何でもやるルイスを見事に表現。ギョロっとした目と時折見せる不穏な笑みが、この上ない不気味さを醸し出している。そして、視聴率のために倫理をも踏み外した映像を欲しがるテレビ業界と、それを非難しながらも求める人々。映画ではそれら現代社会の闇がテンポ良く描かれている上、ロスの街中で繰り広げられるカーアクションがスリルを増幅。社会性だけでなく、エンターテインメント性も高い一作だ。(編集部・中山雄一朗)

映画『ナイトクローラー』は8月22日より公開

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  5. 第75回:『ジュラシック・ワールド』『日本のいちばん長い日』『さよなら、人類』『夏をゆく人々』『ナイトクローラー』