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向井理&綾野剛
『S−最後の警官−奪還 RECOVERY OF OUR FUTURE』
過酷すぎるアクションに台本は役に立たず
『S−最後の警官−奪還 RECOVERY OF OUR FUTURE』向井理&綾野剛 インタビュー

取材・文:浜瀬将樹 写真:平岩紗希

ビッグコミックで好評連載中の大人気漫画を原作に、向井理と綾野剛が初共演を果たした連続テレビドラマの劇場版『S−最後の警官−奪還 RECOVERY OF OUR FUTURE』。ドラマ版でおなじみのキャストが再集結し、NPS(警察庁特殊急襲捜査班)らが凶悪な事件に立ち向かう物語が丁寧に描かれると同時に、壮大なアクションが繰り広げられることでも注目を浴びている。NPSの一員として成長した姿で帰ってきた主人公・神御蔵一號を演じた向井理、SAT(警視庁特殊部隊)随一のスナイパー・蘇我伊織役の綾野剛が、作品に対するアツい思いや、撮影時の裏側について語った。

■信頼関係があるからこそ、任務が果たせる

Q:ドラマから映画まで約1年間ありましたが、あらためてこの作品に携わってみていかがでしたか?

向井理(以下、向井):長かったなぁと思いますけど。でも、あっという間だったような気もしますし、あらためて大変な作品だったなって思いますね。

Q:大変だったというのは、体力的なことも含めてですか?

向井:そうですね。映画は特にアクションも多かったので、その分派手なものにもなったし、撮影中はすごく充実していました。

綾野剛(以下、綾野):集中力の使い方が全然違うので、精神的にも肉体的にも非常に力が削がれるような現場でした。幸いなことにドラマですでにタッグを組んでいたチームですから、キャストもスイッチが入るスピードがみんな速くて、そういった意味では非常に助けられたなって思います。

Q:ドラマと映画で、演じる上で意識的に変化させた部分はありますか?

向井:ドラマは一號の成長過程だったので、未熟で突っ走っていたところを、映画ではみんなと割と信頼関係があって、チームワークがいいっていう状態でやりたかったので、成長した一號を見せられるようにって意識しましたね。

綾野:今回ドラマと映画で決定的に違うのが、ドラマできちんと人物像を描けた分、映画では狙撃手としての役割を果たす位置にずっと居続けられたことです。ドラマ以上にスナイパーを「やっている感」はありました。やっぱり安心して突1(作戦決行時、一番最初に突入する隊員)が突っ込んでいけるように、僕らは背中を任されている立場なので。

■こんな撮影は当分したくない!

Q:今回は海上保安庁や航空自衛隊の協力もあったということで、よりリアリティーのある仕上がりになっていましたが、実際にタンカーやヘリでの撮影で想定と違ったなと思うことはありましたか?

向井:あんまり想定していなかったですね。台本じゃわからないし、最初から簡単にいかないだろうなって(笑)。現場でビックリすることはありましたけど、逆に「タンカーデカいなぁ」とか単純に楽しんでいました。なかなか、こういう経験できないですし、全部面白い体験でした。

綾野:ヘリの中では割と狙っているだけでいいのかなって思っていたら、上下の運動が非常に激しくって……下半身の体力は短時間で持っていかれるので、思っていた以上に大変でした。(銃を構えての)ヘリでの撮影は当分したくないです。

Q:ヘリでのライフルさばきは、何か参考にされたんですか?

綾野:この現場では、僕が誰よりもきちんと銃を構えられるので、そういった人間がヘリに乗ったらどうなるかっていうのを考えるべきで、参考にできるものがないんです。基本的には蘇我が一人で戦うときには、どういうスタイルになるのかっていうことを常に考えていました。

Q:やはり相当な準備があったのですね。

綾野:アクションって毎回手が変わってくるから、体になじむものではないですが、狙撃って体になじむものなので。今ではいつでも構えられるし、照準も1秒あれば合わせられます。

Q:結果的にその域まで持っていったんですね……。

綾野:あれだけやっていたので。性に合っていたのかなと。何か一つのものを見つめる作業だと思うんです。一番遠くにいるのに、スコープをのぞいている分、誰よりも犯人を一番近い位置で見ているんです。そういった思想みたいなものが、僕の母胎に合っていたんだと思います。

Q:向井さんはアクションシーンが多かったと思いますが、アサルトスーツを装着して臨むのはキツそうですね。

向井:本当に動けないですね。膝が曲がらないんですよ。曲げたら曲げたで血が止まるし……。本当に動きづらいですね。アクションの練習のときはアサルトスーツを着て練習していました。着ないと簡単に動けちゃうんで。

綾野:着ないと練習にならないよね。

向井:つらい方が練習になるので、本番よりも練習の方が厳しかったと思います。

■バリバリ体育会系の部活みたいな撮影現場

Q:まさに男だらけの現場でしたよね。

向井:男くさかったと思いますよ。体育会系みたいな感じで(笑)。みんなそれぞれアツいものを持っていて、僕らは年齢的に下の方だったんですけど、先輩たちがいる中で、部活をやっている感じでしたね。

Q:みんなで飲みに行ったりもしたんですか?

向井:撮影中は行きましたね。連ドラのときも撮影期間が長かったんで。

Q:綾野さんが演じた蘇我が所属する、SATはどうでしたか?

綾野:SATは基本的に集団行動をほとんどしないので、会って飲むっていうのが1回もないです。NPSとはそこが決定的に違いますね。

Q:そこは話の内容とリンクしている部分もあるんでしょうか。

綾野:たまたまだと思います。僕は彼(向井)と飲みに行きますから。NPSで飲んでいるところに僕が呼ばれても、そんなに違和感はないんじゃないですかね。

向井:まぁね(笑)。

■男と男が拳で語り合う!

Q:ドラマの終盤から一號と蘇我の関係が少しずつ変わっていきますよね。

綾野:映画までの1年間、いろんな事案がある中で神御蔵は活躍してきたし、そこでいい巧みさと冷静さを持ちつつも、感情を忘れずやっているっていう姿勢を見てきているので。信頼関係とかそういうことではないですが、お互い理解し合っていて、同じベクトルに向かわなきゃいけないのもあって、また違った関係が作り上げられていると思います。

Q:そんな二人が、ドラマの中で捉えきれなかった、オダギリジョーさん演じる正木圭吾と、いよいよ対峙(たいじ)します。演技の面で何か話し合ったりされましたか?

向井:オダギリさんにはオダギリさんのやり方があると思いますし、僕には僕のやり方があります。なので、ああしよう、こうしようというものはなかったです。まずは乗り越えなきゃいけないハードルが一號と正木にはあって、それを乗り越えたときに何が見えるのかっていうのは、気になるところではありましたけどね。

綾野:(一號と正木)二人のアクションシーンは非常にアツいものを感じました。人と人がちゃんとぶつかり合っているというか。男と男が拳で語り合っているのが会話のように見えて、とても魅力的なシーンでした。

Q:最後にこの作品の見どころを聞かせてください。

向井:人間の弱い部分だったり、傷つくところだったり、単純にハッピーエンドで終わらない生々しさがあるという点で、人間がやっているんだなって思ってもらえれば、もっと「S」の人たちを身近に感じてもらえると思います。そうすることによって、スケールの大きい作品の中で、彼らが動いているところを見たときに、より一層迫力が増すんじゃないかなと思います。

綾野:ドラマを観ていない人でも楽しめるように、映画は映画で成立しているので、ぜひ劇場で観ていただきたいです。

役者仲間としてお互いを尊敬し合っているという二人。取材の合間にも楽しそうに会話を交わすなど、同い年ということもあってか古くからの友人同士のようだった。ドラマから培われたチームワークと、彼らの言葉の端々に感じられる、キャスト・スタッフの作品に対するストイックさは確かに映画に反映されている。この夏の暑さに負けない、アツアツの映画になっていることは間違いない。

(C) 2015「S-最後の警官- 奪還 RECOVERY OF OUR FUTURE」製作委員会 (C) 小森陽一、藤堂 裕/小学館

映画『S−最後の警官−奪還 RECOVERY OF OUR FUTURE』は8月29日より全国公開

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