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日本映画を担う3人の監督たち<前編>映画作りにおいて絶対に譲れない「おきて」(1/3)

『アヒルと鴨のコインロッカー』『ゴールデンスランバー』などのヒットメーカーである一方、ホラーモキュメンタリーの先駆的なオリジナルビデオ作品「ほんとにあった!呪いのビデオ」シリーズを長きにわたって手掛ける中村義洋『歓待』で東京国際映画祭「日本映画・ある視点」部門で作品賞を受賞、『ほとりの朔子』でナント三大陸映画祭グランプリを受賞するなど海外での評価も高い新鋭・深田晃司小野不由美のベストセラー小説が原作のホラー映画『残穢【ざんえ】−住んではいけない部屋−』、劇作家・平田オリザの戯曲に基づき、人間とアンドロイドの共演という奇想天外な設定に挑む『さようなら』。それぞれの唯一無二の個性が光る新作が東京国際映画祭のコンペティション部門に選出された2人の監督が、東京国際映画祭の楽しみ方、やめられない映画作りの醍醐味を語った。(取材・文:イソガイマサト)

日本映画を担う3人の監督たち

小栗康平をリスペクト!グランプリは彼のもの!?

Q:東京国際映画祭のコンペティション部門に選出された感想からお聞かせください。

中村義洋(以下、中村):ビックリしました。巨匠(小栗康平)と中堅(中村)と若手のホープ(深田)っていうバリエーションで選ばれたのかなと思っています(笑)。

深田晃司(以下、深田):僕は率直にうれしかったです。特に僕の映画は、いわゆる拡大公開系の大きな作品とは趣が違うので、映画祭で価値を見いだしてもらえるのはありがたい。それに原発移民の問題といった今の日本の社会的なトピックをモチーフにしているので、日本でワールドプレミアをするというのは重要だったし、こういう大きな場を与えてもらえたのはうれしかったですね。

Q:審査委員長のブライアン・シンガーをはじめとした今回の審査委員の錚々たる顔ぶれを見て、どんな印象をお持ちですか?

中村:ブライアン・シンガー監督は、(彼の出世作)『ユージュアル・サスペクツ』を何回観たのかわからないぐらい好きで。『X-MEN』シリーズもボックスで買っているし。でも、それよりも、僕は小栗さんの大ファンなんです。

深田:僕も小栗さんと一緒にコンペに選ばれて、テンションが上がりました(笑)。

中村:新作の『FOUJITA』はまだ観られていないけど、個人的には小栗さんにサクラグランプリを取って欲しい

深田:僕は『泥の河』『死の棘』『眠る男』……と小栗さんの作品を拝見していますが、やっぱり小栗映画初体験だった『眠る男』は強烈でした。

中村:僕は『死の棘』です。

深田:『眠る男』を最初に観たときに、日本をこういうふうに撮れるんだと思って。ライティングといい景色といい……外国の方が日本で撮影すると、同じ景色なのに異質な世界が撮れていたりするけれど、小栗監督もそれと同様のことをされていることに驚きましたし、群馬県のローカル映画でありながらまったく妥協を感じさせない(映画製作において制限を感じさせない)姿勢には圧倒されました。僕もそれぐらいの志の高さを持とうと思ったし、小栗監督は日本映画界において非常に高いレベルで、自分の撮りたいものを撮っている監督の代表格として尊敬しています。

中村:僕が『死の棘』を好きなのは、怖い中にも面白いところがあったから。作品自体はヘビーですが、例えば「電気ショックだけは勘弁してください」とか思わず笑ってしまう素晴らしいセリフもいっぱいあって。VHSで何回観たかわからないですね。

Q:なぜ、何回も観たくなるんですか?

中村:それがよくわからないんですよ(笑)。でも、あの世界観をどうやって(スタッフやキャストを)コントロールして作り上げているんだろう? と思うからですかね。スゴい作品ですよね。いまだに思い返したりしますし、あの岸部一徳さんのような芝居ができる人は他に誰がいるだろう? と考えたりもします。

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