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日本映画を担う3人の監督たち<後編>世界の映画祭を総なめ! 巨匠、10年ぶりの新作で初のTIFF(1/3)

日本映画を担う3人の監督たち

アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた『泥の河』、カンヌ国際映画祭グランプリを受賞した『死の棘』などで知られる小栗康平監督。そんな日本を代表する巨匠の10年ぶりの新作『FOUJITA』が、第28回東京国際映画祭のコンペティション部門にノミネート。意外にも今回がTIFF初参加となる小栗監督が、国際映画祭の重要性やあり方、可能性を、新作の撮影秘話を交えて語った。(取材・文:イソガイマサト)

10年ぶりの新作で、満を持してのTIFF参加!

Q:東京国際映画祭のコンペティション部門に『FOUJITA』が選出された感想からまずお聞かせください。

まずは「ありがとうございます」ですね(笑)。僕が『泥の河』でデビューした1981年には、まだ東京国際映画祭は始まっていませんでしたし、今までちょっと縁がなかった映画祭でした。

Q:今回の審査委員の顔ぶれをご覧になってどう思われましたか?

全然わからない。知っているのは大森(一樹)くんぐらいだから。審査委員長の権限がもちろん一番強いわけですけど、審査員の組み合わせで(受賞作品の)選定は変わるものなので、「どうぞ、よろしく」しかないですよ(笑)。

カンヌでは審査委員との接触は禁止

Q:最終的には、審査員の方たちと交流を持つ場も用意されているんですか?

ないんじゃないですか、基本は。カンヌなんか絶対に非接触だしね。内部情報が出ないということを基本にしているから。接触したら、「なんで俺の作品を落としたんだ? 根拠を示せ」ってことにもなるから(笑)。

Q:コンペで作品が選出されたほかの監督たちと交流を持たれることはありますか?

小栗:それはあるんじゃないですか。「まあ、機会があれば飲みましょう」っていうことですね。別に敵じゃないからね(笑)。

Q:そこからネットワークや活動のフィールドが広がっていくこともありますよね。

何年か前にトリノ国際映画祭で僕の特集上映が行われたときに、アルメニアの若い女性たちがとても気に入ってくれて、「アルメニアにぜひ来てください」って言われたんですよ。まあ、でも口約束だろうなと思っていたら、彼女たちは本当に翌年実現させて、アルメニア映画祭の審査委員長に選ばれて行きました(笑)。そんな感じで、いろいろなつながりが出てきますよね。

Q:特に小栗監督の場合は、ほぼすべての作品が海外の映画祭に出品されて、それぞれ輝かしい賞を取られていますけど、映画祭の意義についてはどうお考えですか?

映画には産業と文化の両輪があって、対立したり合致したりしますが、映画祭も両方の側面を持っていると思います。マーケットとして映画を広めていく。作品の売り買いをするという場でもあるし、それとは別に、商業的には成功しづらい映画を芸術として称賛しようという場でもあると思う。映画祭によってそこが合致したりずれたりして、そのことがそれぞれの映画祭の特徴にもなる。昔よりも商業的な成功に重きを置く傾向が世界で強くなったように思いますが、それでも映画祭は依然として、メッセージを発信できるメディアとして大事な役割を持っていますよね。

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