シネマトゥデイ

キアヌ・リーヴス
『ジョン・ウィック』
『マトリックス』でもやらなかったハードアクション!
『ジョン・ウィック』キアヌ・リーヴス 単独インタビュー

取材・文:石神恵美子 写真:笠原修一

『マトリックス』シリーズのキアヌ・リーヴスが、本国アメリカで久々のヒットを飛ばした新作アクション『ジョン・ウィック』が日本公開。本作でキアヌは、亡き妻に贈られた犬を殺したロシアンマフィアへの復讐(ふくしゅう)に乗り出す、すご腕の元殺し屋を演じ、銃(ガン)とカンフーを融合した“ガンフー”スタイルで、キレのあるアクションを披露した。世界各国で好評を得た本作は、すでに続編の製作も決定している。51歳になってもアクション俳優として最前線で活躍するキアヌが、本作のアクションや日本愛を熱く語った。

■『マトリックス』が『ジョン・ウィック』につながった!

Q:アクションスタントの経験を豊富に持つ監督たち(チャド・スタエルスキ&デヴィッド・リーチ)と働いてみていかがでしたか?

素晴らしい経験だったよ。特にチャドは『マトリックス』3部作で、僕が演じた主人公・ネオのスタントダブルをしていたんだ。ずいぶん昔から知っているから、信頼も厚い。

Q:ご自身から監督たちにオファーをされたのですか?

ある時期から、チャドとデヴィッドはアクションの振り付けを専門にする会社を始めたんだ。それから彼らは、ハリウッド大作の第2班監督を務めるようになった。それで、メガホンを取ってくれることを祈りながら僕から『ジョン・ウィック』の脚本を送ったんだよ。彼らがいかにアクションを愛しているかを知っていたからね。しかも、監督に決まった後、二人はアクションだけでなくストーリーについてもしっかりと考えていた。

Q:確かに、シンプルで奥深い物語も興味深いですね。

脚本も面白くて、妻が死んでしまったジョンが深く悲しむという、とても感情的なエピソードで物語の幕が上がり、普通の男に見える彼が、実は伝説的な殺し屋だったという過去が明らかになっていく。僕がこの映画で好きなところは、目に見える物語だけでなく、背景からも物語を感じられるところだね。アクションはもちろんだけど、エモーショナルでもあり、ユーモアもあり、裏社会について描いた作品でもある。チャドとデヴィッドの仕事にはとても興奮したし、本当によくやってくれたと思うよ。

Q:世界的にも高い評価を集めています。

日本のみんなも、この映画を好きになってくれるといいなと思っているよ。日本には、とてもかっこいい伝統的なアクション映画がたくさんあるからね。監督たちも香港や日本のアクション映画に影響を受けていることは明らかだ。現代の観客たちがこの古典的かつ基本的、でもモダンでもある、この映画を気に入ってくれることを願っている。

■“ガンフー”習得にワクワク

Q:どうやってアクションシーンの準備をされたのですか?

アクション映画を数多くこなしてきたけど、『ジョン・ウィック』でやったようなことは今までしていないね。監督たちは柔道、柔術を取り入れたかったんだ。同時に、武器の訓練も行った。それは銃で人を撃ちながら柔術もこなすスタイルで、彼らはそれを“ガンフー”(ガン+カンフー)と呼んだ。数か月トレーニングしたよ。まずは基礎から学んだのだけど、柔道や柔術を学ぶのにとても時間がかかった。すごく複雑で、何度も反復練習をした。どうやって人をつかんで投げるのかとかね。何とかそれがものになっていれば良いと思っているよ。僕にとっては新しい挑戦だったから、ワクワクしていたね。

Q:激しいカーアクションにも挑戦されていますよね?

うん! こっちは“カーフー”さ!(笑)車に乗ってドリフトをしたり、滑らせたり。監督たちはこのシーンを長回しで撮りたがっていたんだ。細かくカットを割るのではなくね。だから撮影では、ノーカットで車を90度や180度に回して、滑らせなくてはいけなかった。僕自身はとても楽しんだよ。もしカットを細かくしたら、僕自身、撮影のたびに常に自分がどこにいるか、何が起きているのかを把握しなくてはいけないしね。

Q:CGを使うことは考えなかったのですか?

現代ではどんなシーンでも簡単にCGで処理することができるようになったけど、ひどいものだと思っているよ。(スタントマンの)顔だけを置き換える技術なんかもすごく良くなっているけど、興味はないね。もし監督が顔を置き換えると判断したとしても、僕は実際にアクションをしていたい。こうしたインタビューで、僕がこの映画でアクションを演じたんだって言いたい。

Q:キレのある本物のアクションをいまだにこなせる秘訣(ひけつ)は何ですか?

正直、わからないな。アクションの撮影がとても辛かったのは事実。膝に水が溜まって、針を刺して全部取り出したりもした。それでたくさん注射も打ったし、氷まくらを当てて冷やしたりしながら撮影したこともあった。こうして今も働けていることを幸運に思うよ。

Q:まもなく続編の撮影が始まるそうですが、準備しているんですか?

もうトレーニングを開始しているんだ。1作目の撮影を始めたころは、全く柔術の経験がなかったけど、すでに第1作で柔術は経験した。だから、次はもっとうまくできると思うよ。続編では観客に素晴らしいストーリーを伝えると同時に、今までとは違うレベルに到達したい。

■キアヌ、子犬との共演に一苦労

Q:犬とのシーンがすごくかわいらしかったですね。撮影はいかがでしたか?

子犬だったから、訓練するのがとても大変だったよ。撮影ではカメラを回しっぱなしにして、とにかくそいつと一緒にいることを心掛けた。でも、いつも逃げ回ったり、何かを探しに行っちゃったり、おしっこしちゃったり。朝起きたときに僕の背中で犬が飛び跳ねたりするシーンがお気に入りだね。

Q:何かペットは飼っているんですか?

魚だね。幸運にも購入できた自宅で、コイを飼っているんだ。とても大きいんだよ!

Q:本作にはウィレム・デフォーも出演しています。

彼は素晴らしい俳優だよ。とてもナイスガイで、プロ意識が高い。とても集中力があるんだ。彼の演技は優れているし、舞台での素晴らしいキャリアに加え、映画のキャリアも持っている。劇場での型にはまった手法と自然主義的なものを融合させることのできる能力を彼は持ち合わせているね。カメラがどこにあるのかもよく把握しているし、とても気の利いた演技ができる俳優だ。

■まだまだ知りたい日本!

Q:日本をよく訪れていると思いますが、日本の印象は?

新幹線に乗って富士山まで行ったり、福岡、大阪、川崎など、日本の都市を巡ったりしているんだ。ラッキーだったと思っているけど、まだ沖縄に行ったこともないし、釣りもしたことがないから、もっともっといろんなところに行きたいね。京都とか! 日本の料理、アート、建築、人々は素晴らしい。東京にしたって、まだまだ見るべきところがたくさんある。

Q:鈴鹿のレース(鈴鹿8時間耐久ロードレース)に出場したとき、日本では大きなニュースになりましたね。

鈴鹿はすごかったね! 僕はバイク会社を共同経営していて、レースのサポーターから出場のオファーが来たんだ。自分のバイクを日本に持って来るのはとてもうれしかった。鈴鹿ではコースを2周して、すごく緊張したけど、スタッフはみんな素晴らしい人たちだったし、トラック(コース)も最高だった。それに、日本のバイク文化は本当にすごいんだよ。日本のいろいろなバイク会社の人に会うのは、とても素晴らしい経験だったね。

Q:今後の『ジョン・ウィック』に、バイクアクションを期待しても?

ジョン・ウィックには、マッスルカーだよ!

アクションシーンの裏話を語るときのキアヌは饒舌(じょうぜつ)で、いかに彼がアクションに挑戦することに喜びを見出しているかをうかがわせた。CG技術が進歩していることに話が及ぶと、実際にアクションをこなすことを重要視していると話す真剣な表情がとても印象的。『マトリックス』シリーズ同様に、アクション映画史に名を残すであろう『ジョン・ウィック』。キアヌの挑戦が続く限り、アクションファンが退屈する日は来ないだろう。

Motion Picture Artwork (C) 2015 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved. (C) David Lee

映画『ジョン・ウィック』は10月16日よりTOHOシネマズ新宿ほか全国公開

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