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11月の5つ星映画5作品はこれだ!【第78回:今月の5つ星】

 お正月映画公開前の11月は、「食人」や「人間とアンドロイドの初共演映画」など、何だかソワソワするラインナップ。また生と死を描いた意欲作がそろっているのも特徴的。これが11月の5つ星映画5作品だ!

エベレスト 3D
(C) Universal Pictures

生死を懸けたエベレスト挑戦が生々しく描かれる

『エベレスト 3D』

 なぜ、山に登るのか。物語の中盤で繰り返されるこの質問に、明確な答えを最後まで得ることができなかった。1996年にエベレストで実際に起こった遭難事件を基にし、嵐が襲うデス・ゾーンで登山家たちが生死と向き合うさまを3Dで再現する本作。登山チームには、ジェイソン・クラーク演じる登山ガイドのロブをはじめ、著名なジャーナリストのジョン(マイケル・ケリー)や、前年に断念したリベンジとしてエベレストに再挑戦する郵便配達員のダグ(ジョン・ホークス)など、個性の光る魅力的なキャラクターたちがそろう。それゆえに、上映中は彼らがさらされる運命から目が離せない。それぞれがそれぞれの思いを抱えながらエベレストに挑む中、ただでさえ過酷なエベレスト登山に嵐という自然の猛威が重なり、極限状態で垣間見える人間の本質と、実際にあった出来事だからこそリアリティーを持つ危機感が、生々しく観客の胸に迫る。生と死が同じ温度で迫りくる本作は3D以上の立体感といえるだろう。(編集部・小山美咲)

映画『エベレスト 3D』は11月6日より公開

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さようなら
(C) 2015 「さようなら」製作委員会

人間とアンドロイドの交流を通して描かれる死生観は圧巻

『さようなら』

 広大な荒野に立つ一軒家、窓から降り注ぐ光と風、暗闇に響く寝息。極めて繊細な描写の連続は観る者を圧倒する。人間とアンドロイドの初共演映画として話題になっている本作で、アンドロイドのレオナが人間と共存していることへの違和感の無さには、かえって人間とは何かを考えさせられた。そして人々が消えゆく中、外国人女性ターニャに寄り添い死を見つめるレオナの姿が脳裏に焼き付いて離れない。原発、難民、育児放棄など多くの社会問題を詰め過ぎている感が気になったが、ターニャとレオナの関係性を通して描かれる死生観は哲学的深みを帯びている。そんな本作は、『ほとりの朔子』などの深田晃司監督が劇作家・平田オリザによる戯曲を映画化したもの。「マツコロイド」の制作者としても知られる、ロボット研究の第一人者・石黒浩大阪大学教授が本作に全面協力している。(編集部・石神恵美子)

映画『さようなら』は11月21日より公開

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リトルプリンス 星の王子さまと私
(C) 2015 LPPTV - Little Princess - ON Entertainment - Orange Studio - M6 Films

半世紀以上昔の名作を現代の物語に変えた大胆なアプローチ

『リトルプリンス 星の王子さまと私』

 アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの名作「星の王子さま」を初めてアニメ映画化した本作。半世紀以上昔に創作された物語に対し、『カンフー・パンダ』マーク・オズボーン監督は、原作に登場する飛行士ではなく、原作に登場しない現代に生きる少女を主人公に据えるという大胆なアプローチをした。劇中、入れ子構造の物語として「星の王子さま」を登場させることで、古き良き名作と現代社会が抱える問題をうまくマッチングさせている。親から豊かな生活を望まれたがゆえに窮屈さを強いられた少女が「星の王子さま」を知っていくごとに、彼女の世界が色づき広がっていくさまは美しい。また、「星の王子さま」について丁寧に追っていくので、初心者でもどっぷりと世界に浸ることができる。もちろん原作ファンを飽きさせない仕掛けもたっぷり。少女の視点を通して「星の王子さま」の魅力を再発見できるほか、本作の製作陣による小説のその先の解釈には驚かされること間違いなし。(編集部・井本早紀)

映画『リトルプリンス 星の王子さまと私』は11月21日より公開

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グリーン・インフェルノ
(C) 2013 Worldview Entertainment Capital LLC & Dragonfly Entertainment Inc.

食べて、笑って、恐怖する一級エンターテインメント!

『グリーン・インフェルノ』

 『ホステル』シリーズの鬼才イーライ・ロスが、6年ぶり監督作のテーマに選んだのは「食人」。ペルー奥地のジャングルに住む部族を救おうと、現地で過激な保護活動を展開する“意識高い系”学生グループの飛行機が墜落。落ちた先で食人の習慣を持つ部族につかまり、次々に食われていくさまを描く。さっきまで生きていた仲間が調理され、食われていくという恐怖に、「見てはいけないものを見ている」という、どこかゾクゾクする背徳感を覚える一方、あの手この手を駆使して脱出を図る学生たちの作戦が見事に失敗していくさまや、まるで「世界ウルルン滞在記」を見ているようなほのぼのとした部族たちの人間調理シーンには思わず吹き出してしまうこと必至。極限状態でむき出しになる人間の本性を、たっぷりの皮肉を込めながら躊躇なしの暴力表現で描いてきたロス監督の趣味の悪さが心地いい。ただ残酷なだけではない、恐怖と笑い、サスペンスを一挙に感じることができる、一流のエンターテインメント作品だ。映画ファン的には、ルッジェロ・デオダート監督の『食人族』(1980)をはじめ、随所に差し込まれた、過去に製作された食人族映画へのオマージュにも注目したい。(編集部・入倉功一)

映画『グリーン・インフェルノ』は11月28日より公開

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ハッピーエンドの選び方
(C) 2014 PIE FILMS 2-TEAM PRODUCTIONS PALLAS FILM TWENTY TWENTY VISION

テーマが重くても笑えるのは、生きている証拠!

『ハッピーエンドの選び方』

 人生の締めくくりを日常的に考えることが当たり前となる70歳以上の老人に自分がなったとき、何を望み、何を思うのか。そう頭の中で考えざるを得ない“死に方”を題材にしながらもユーモアを忘れず、リアリティーも失わない本作は、終末期を描く数ある映画の中でも抜きん出た存在感を放つ。夫婦や友人、子供など、誰にとっても身近な人物のみを登場させ、扱うのは末期の病、認知症とこれまた誰でも侵される可能性のある現実。同性愛者の老後を自然に描き、歌で悲痛を表現するミュージカル調への唐突な転換も全く違和感がない。テーマが重くても笑えるのは、生きている証拠! とさえ感じさせる底力にベネチア国際映画祭ベニス・デイズ BNL観客賞受賞もすんなりとうなずける。(編集部・小松芙未)

映画『ハッピーエンドの選び方』は11月28日より公開

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