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『俺物語!!』鈴木亮平 単独インタビュー

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『俺物語!!』鈴木亮平 単独インタビュー

役者である以上、外見も内面も全力で役づくり

取材・文:斉藤由紀子 写真:高野広美

別冊マーガレット(集英社)で連載中の人気少女漫画「俺物語!!」が、鈴木亮平主演でついに実写映画化。主人公は、イカツイ顔と屈強な肉体を持つ心優しき男子高校生・剛田猛男。そんな彼と、ピュアな女子高校生・大和凛子(永野芽郁)との恋をコミカルに描く青春ラブストーリーだ。猛男に成り切るために30キロもの増量に挑んだ鈴木が、撮影の裏話や真の男らしさについて熱く語った。

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多少のむちゃをしてでもやりたかった

鈴木亮平

Q:身長2メートル、体重120キロ(推定)、しかも15歳の高校生である剛田猛男。オファーされたとき、さすがにむちゃぶりでは? と思いませんでしたか?

原作が人気だってことは前から知っていたんですけど、この役をやれる役者さんっているのかなって思っていたんです。だから「俺に来たかー!」という感じでした(笑)。そもそも原作が、あの外見ありきのお話なので、映画も見た目を猛男に似せることがマストだったんです。でも、まさか30歳を過ぎた今になって、学園ラブストーリーの主役をやらせてもらえるなんて思わなかったので、多少のむちゃをしてでもやりたかったんです。

Q:ドラマ「天皇の料理番」の役づくりで20キロも激痩せされたあと、本作の撮影に入ったそうですが、一体どのくらいの期間に何キロ体重を増やしたのでしょう?

40日間で30キロ。一気にリバウンドしました(笑)。ドラマで無理やりガリガリにさせていたので、食べだすと何でも体が吸収して、ビューンって体重が増えるんです。オモチャのチョロQのようなもんですね。思いっきり引いて手を放すと、ビューンって飛んでいくじゃないですか。あんな感じです。

Q:どのような方法で増量したんですか?

甘い炭水化物をひたすら食べ、常におなかを満腹にさせていました。あと、今回は柔道のシーンなどもあって、ゴツイ体にしなきゃいけないので、筋トレもしつつ、パンをひたすら食べていました。パンだと詰め込めばたくさん食べられるんですよね。糖質はそのまま吸収されて血糖値がバンと上がるので、効果的なんです。体には良くないし、つらいんですけど(苦笑)。

作品やファンに失礼なものは作りたくない

鈴木亮平

Q:今は通常体型に戻っているように見えますが、痩せるときの効果的な方法は?

健康体に痩せるのか、病人のように痩せるのかで全然違うんですけど、今のように健康体に戻すときは「夜6時までに夕飯を食べて、炭水化物を抜く」とかくらいですね。やっぱり、基本は食べ物なんです。痩せたり太ったりするための魔法はないので(笑)。

Q:トレーナーさんはいないと伺いました。

そう、自己流です。でも、トレーナーさんと同じ勉強を独学でしていますから。僕、“検索先輩”って呼ばれるくらい調べものが好きなんです(笑)。いろんな本を読んだり、ネットでも調べたり。ただ、ネットの情報は不確かなものが多いので、いろいろと自分が正しいと思うものを試してみて、結果が出たら続ける感じですね。

Q:ストイック過ぎるのではないか、と体を心配するファンの声もありますが……?

それはありがたいのですが、じゃあ、どうすればいいのかなあ(苦笑)。僕が原作ファンだとして、実写版「俺物語!!」に細い猛男が出てきたとしたら、イヤだと思うんです。僕は役者である以上、普通のことだと思っています。海外の俳優さんたちも体重の増減は普通にやっていますしね。日本だと役者を取り巻く環境もあって難しいことが多いけど、僕の場合は幸運にもタイミングも含めてコントロールできる状況にあるので、やれるだけのことはやらないと作品にも失礼ではないかと思います。特に、漫画の場合は原作ファンの方がすでにいるわけですから、そういった人たちに対して、失礼なものを作りたくないという気持ちが強いですね。

Q:ちなみに、現在も肉体改造中なのでしょうか?

ドラマでお医者さんの役をやるので、今は付き過ぎてしまった筋肉と体重を戻している最中です。筋肉を落とすだけなので、そんなにつらいことはしていません。

漫画に描かれた顔をまさかの完コピ!

鈴木亮平

Q:冒頭の中学校卒業式で、リアル学生に囲まれている鈴木さんに爆笑しました。

笑っていただくのはうれしいです。ただ、僕としては「中学生ですが、何か?」という気持ちでやっているので、現場ではまったく違和感がありませんでした。コメディーって、演じる側が真面目にやっていないと笑えもしないので、「俺はコイツらと3年間一緒に過ごしてきましたけど?」という感じでやっていました(笑)。

Q:撮影現場の雰囲気はいかがでしたか?

すごくいい感じでしたね。仙台での泊まり込みロケだったので、みんなでボウリングをしたりカラオケに行ったりして。キャスト陣もスタッフもすごく仲が良かったので楽しくて。スタッフさんも別のところで、楽しい撮影だったと言ってくださったみたいで、うれしかったですね。

Q:「好きだあああああ!」と叫ぶシーンなど、猛男らしい表情も最高でした。かなり研究されたのではないですか?

原作で「ここのコマは同じにしたい」というポイントがいくつかあったんです。例えば、猛ダッシュするときの顔、大和が作ってくれたマカロンを食べたあとのリアクションの顔、柔道のシーンで相手を迎え撃つときの顔は完コピしたいとか。そこは漫画を見て研究しまくりました。

Q:柔道シーンの技も、すごくリアルでした。

結構、練習したんですよ。これ、そんなにいる? っていうくらい、ひと月前から柔道の稽古ばかりしていたんです。柔道のシーンなんて、ほんの一瞬なのに(笑)。

本当の男らしさとは、優しさや思いやり

鈴木亮平

Q:自分以上に他人を思いやれる猛男。感銘を受ける部分もあったのでは?

ありますねえ。「男らしい」とはこういうことなのだと学びました。メンズっていうのは、ついつい男らしさをはき違えてしまう生き物なんですよ。肉体的に強いとか、相手の上に立つとか。でも、本当の男らしさとは、優しさや思いやりであると、猛男くんから教えてもらいました。

Q:男の中の漢(おとこ)ですよね!

そう。頼まれたら断らない。何だかよくわからなくても「任せろ!」と言ってしまう。溺れている子供がいたら、考える間もなく川に飛び込む。自分の幸せよりも、好きな子の幸せを優先する。これが本当の強さだと思う。猛男は器用に世の中を渡っていくタイプではないけれど、複雑な大人の社会に出たとしても、絶対に成功するような気がするんですよね。誰にでも愛されるし、信用されるから。

Q:鈴木さんご自身も、頼まれたら断れないタイプなのでは?

ああ、そうですね。仕事は物理的に無理なときは断りますけど、友達の頼みは基本的に断れないです。

Q:無理に引き受けてしまったために、あとで困ったことはありますか?

高校の運動会で旗を作らなきゃいけなくて、誰も手を挙げなかったから、じゃあ、僕がやります! って言ったんですよ。でも、作り始めたら全然終わらなくて、カッコいいものを作りたいから妥協もしたくなくて、運動会の前日に徹夜してボロボロになりました(笑)。

Q:猛男っぽいエピソードですね(笑)。

いやいや、猛男ほどじゃないです。彼は女性に対する気配りも完璧にできる男なんですよ! なのに、大和の気持ちには気付かない。その辺が15歳なんですよね。いい加減、おまえのことが好きなんだって気付けよ! っていう(笑)。そんな猛男の純粋な恋を描いているので、恋愛映画とコメディー映画を観たい人には最高の作品になっていると思います。


取材場所に置いてあった原作漫画をその場で開き、「このページのこの顔を完コピしたんです!」と説明しながら顔を作ってみせた鈴木。そのサービス精神に、取材陣一同大感激! オファーを引き受けたからには、過酷な肉体改造に挑んでとことん期待に応える。ほんの数秒しか見せ場がなくても、柔道の稽古に邁進する。まさにプロ。そして、まさに漢! 猛男が鈴木のハマリ役だったことに誰もが納得するはずだ。

(C) アルコ・河原和音/集英社 (C) 2015映画「俺物語!!」製作委員会

映画『俺物語!!』は10月31日より全国公開

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