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伊勢谷友介&滝川クリステル&竹野内豊
『リトルプリンス 星の王子さまと私』
惹かれるのはタンポポのような女性か バラのような女性か
『リトルプリンス 星の王子さまと私』伊勢谷友介&滝川クリステル&竹野内豊 単独インタビュー

取材・文:高山亜紀 写真:高野広美

世界中で愛され続けているベストセラー小説「星の王子さま」のその後の物語を描いた、ファンタジー大作『リトルプリンス 星の王子さまと私』。原作を途中で投げ出したという伊勢谷友介も、原作愛読者の滝川クリステルも、未読だった竹野内豊も、この新しい試みをそろって大絶賛。映画ならではの良さを存分に語った。今回、原作に登場するキャラクター、キツネ、バラ、ヘビの声を担当した三人は、声優の面白さ、難しさにも言及した。

■原作ファンの期待を裏切らない温かい演出

Q:原作「星の王子さま」を読んだことはありますか。

伊勢谷友介(以下、伊勢谷):僕は英語の勉強の教材として読みました。小学校6年生から中学1、2年ぐらいだったと思います。でも読み切ることができなかった(笑)。今回、僕が大人になってから考えるようになった哲学的な部分が随所に入っていることを知り、「こんなお話だったんだ!」と再確認できたことがうれしかったです。

滝川クリステル(以下、滝川):わたしも中学生くらいの時に読んだのですが、絵に引き込まれたものの、最初は全くわかりませんでした。ただ「目に見えない大切なもの」というフレーズなどは理解できたので、心に残っていたんです。大学生くらいに読み返して、ようやくいろんなことに気付き始めました。読めば読むほど、味が出る。その時々の自分の環境、状況によって、この本の言葉の浸みこみ方はまるで違う。不思議で魅力的な本だなと思います。

竹野内豊(以下、竹野内):僕は読んだことがなかったんです。これまで何度か、勧められたことはありましたが、「王子さま」って言葉に先入観があって、子供向きなのかなと思っていました。「まさか、こんなに深い話だったとは」とびっくりしました。70年以上、世界中で愛されている理由は、きっと自分の心の成長と共に感じ方が違う作品だからだと思います。

Q:今回はその後の話が描かれていますが、どう受け止めましたか。

滝川:その発想がまず面白いと思いました。実際、映画化にはウォルト・ディズニーなど有名な監督が挑戦して、断念されていたようですし、今回のマーク・オズボーン監督も一度はお断りしている。アーティストに愛されている本だったからこそ、なかなか触れられない物語でもあったのでしょう。考え抜いた結果がこの作品だと思うのですが、大事な原作である物語の核心の部分を、手触り感のある和紙のような紙で表現しているところなど、世界中の人々の期待を裏切らない、温かい演出でした。一方、現代の物語は今の技術をふんだんに使い、主人公の女の子の最大限の魅力を引き出していて、とてもバランスの取れたいい作品だと思います。

伊勢谷:主人公の女の子の表情が本当にリアルに描かれていて引き込まれたし、彼女の気持ちになって考えさせられました。でも僕ら大人にとっては、教育の形とかを考えさせられる作品かもしれませんね。

竹野内:デジタルとアナログをうまく調和させていることで、より人の心に響く作品になっているんじゃないかって単純に思いました。もし完璧に全てCGアニメーションなら、それはちょっと違うんじゃないかな。

滝川:確かに全てCG化していたら、原作ファンの人は失望したと思います。すごく難しいところ。監督は本当に考え抜いて作っていらっしゃると思います。

■美しくてトゲのあるバラに惹かれてしまう男心

Q:キツネ、バラ、ヘビという人間ではない声を出すというのはどんな心境でしたか。

伊勢谷:そのまま楽しんでいました。キツネが抱えている気持ちって意外にシンプル。怒りや悲しい気持ちを頑張って出すというより、素直な感情を出すようにしたんです。そうしたら、自分の思っている感じと違いました……が、お芝居するたびいつも反省なんです。計画的にスパッとできたことなんて、ほぼないです(笑)。

滝川:バラは特殊な花。トゲは鋭くて、でも美しい。両面性があって、ギャップが激しい。そのギャップをどう出すか。演技したことがなかったので、真面目に悩みました。最初にきた役がバラなんて。人間の方がまだよかった(笑)。ただ、原作者の奥さまのことを投影していると言われているので、それを参考に。

伊勢谷・竹野内:へえ、そうだったんだ。

滝川:バラと王子さまのように何度もぶつかって、くっついたり、離れたり、けんかばかりしていたんですって。だけど、彼女のところに最終的には戻っていくんですよ。

伊勢谷:やっぱり、バラに戻った方がいいのかな。もうちょっとトゲがなくて、当たり障りのないタンポポみたいな人にしといた方がいいんじゃないのかな。人知れず咲いて、じっと待っていてくれるような……。まあ、でも自分としてもパッションはバラにいってしまうんですけど(笑)。

竹野内:僕はほんの1シーンだけだったんですが、アニメーション映画は初めてだったので、それでよかったと思っています。楽しかったんですけど、やっぱり、難しかった。何度かならしていって、ようやく映像に自分の声が慣れてきた頃に終わってしまったので、もう少し、やってみたいなという気持ちもありました。また機会があれば挑戦したいです。

■オリジナル版との違いは?吹き替えで意識した部分

Q:オリジナル版の声はジェームズ・フランコ、マリオン・コティヤール、ベニチオ・デル・トロというメンバーですが、意識されましたか?

伊勢谷:やっぱり少し意識しましたね。オリジナルも、そんなにお芝居、お芝居している感じではなかったから、逆に「これでいいんだ」と楽しくなりました。アニメーションならではのものすごい抑揚をつけたりとかはしなくていいんだと。そういうの、苦手なので。

滝川:マリオン・コティヤールさん、好きなんです。『TAXi』の頃から「なんてきれいな人なんだろう」と注目していました。でも、あんまり意識はしなかったです。お世辞抜きで、日本人キャストの皆さんの声がぴったりで、ハマっていたから。すごく誇れる作品になっているなって、思いました。

竹野内:尺の問題があるから、当然、ベニチオさんの声を耳で聞いて、なんとなくの感じは合わせていきましたね。オリジナルから大幅に変えるのもどうかなと思って。

■「懐く」という言葉の新鮮さに一同、感動

Q:劇中、たくさんの素敵なフレーズが出てきますが、印象に残っているものを教えてください。

伊勢谷:「君とは遊べない。懐いてないから。でも、懐いたらお互いが必要になる」。いいですね。懐きたいって気持ちになります。大人なのにそう思えたことがうれしかった。仲良くなるとはいうけど、「懐く」って言葉の方がすごく自然に感じられましたね。

滝川:確かに人間同士では言わないですよね。動物と人間だからそうなのかと思っていました。

竹野内:そうだね。懐くって仲良くなるっていう言葉とはニュアンスが違う気がする。いいね!

伊勢谷:誰かに懐きたいって気持ちになりますよね!

滝川:それも含めて、わたしはいっぱい、あり過ぎて……。「人間は探しているものが見つけられない。一輪の花にも水にもあるはずなのに」。ずっと探してやっと見つけたはずなのに、5,000本のバラがあれば、そこに目が行ってしまって、今度は必要のないものもどんどん作り出してしまう。今の社会に通じる言葉かもしれません。これは人間にとって、永遠の教訓なんじゃないかなと思います。

竹野内:キツネの言っていた「大切なものは目には見えないんだ」ですね。今回の映画の構成もCGだけなら、また違うと思うんです。どんなに素晴らしい技術で描いた映像でも伝わりきらないものがある。空気感で伝わる気持ちって、きっとあると思うんです。

バラをモチーフにしたワンピースを着こなした美しい滝川の隣に、スタイル抜群の二人、伊勢谷と竹野内がスッと立つと、一瞬にして華やいだ空気に。「『リトルプリンス』っていうより、韓国ドラマの三角関係みたい」と伊勢谷が冗談めかして言っていたが、そんな艶めかしい感じも、無きにしもあらず。とはいえ、三人とも声がとにかくすてき。耳をすませば、ちゃんと『リトルプリンス』の世界が広がる。

(C) 2015 LPPTV - LITTLE PRINCESS - ON ENT - ORANGE STUDIO - M6 FILMS - LUCKY RED

映画『リトルプリンス 星の王子さまと私』は11月21日より2D / 3D全国公開

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