シネマトゥデイ

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第12回:藤井まゆみのとまとさんの言うとおり!? - 2016年5月公開作品編

 アメリカの大手映画レビューサイト Rotten Tomatoes の批評家満足度を基に、5月公開作品をランキングでご紹介。さらに Rotten Tomatoes の批評家たちが選んだベスト5に対して、映画コメンテーターでモデルの藤井まゆみが、独自の視点で切り込みます!

Rotten Tomatoes ベスト5

第1位『カルテル・ランド』 批評家満足度:89%
第2位『ヘイル、シーザー!』 批評家満足度:84%
第3位『ヴィクトリア』 批評家満足度:81%
第4位『マクベス』 批評家満足度:79%
第5位『スティーヴ・マックィーン その男とル・マン』 批評家満足度:78%

まゆみ’sチェック!

『カルテル・ランド』

カ
(C) 2015 A&E Television Networks, LLC

 第88回アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞へのノミネートも納得の、心から離れられなくなる衝撃を与えてくれるノンフィクション作品。昨今のドラマや映画でよく見られるようになった麻薬カルテルがテーマではあるが、本作は一人の医者を通し、メキシコで起きている麻薬戦争の深刻な問題を浮き彫りにしている。医師・ミレレスは、麻薬カルテルが起こす犯罪から身を守るために結成された、自警団を率いるリーダー。正義感が強いだけでなく、女好きで愛人がたくさんいるという人間くさいところも作品の中に盛り込まれており、生きるか死ぬかの境目で戦うこのおじさんのパワーの源はやはり女なのか……という観点でも楽しめる。きれいごとだけではない、多面的に男の生き様を描いたストーリーに没頭できる。

『ヘイル、シーザー!』

ヘ
(C) Universal Pictures

 今回のジョエル&イーサン・コーエン兄弟作品は、ギラギラベタベタしている1950年代のハリウッド業界の裏側を描くミュージカルコメディー。計算された映像美で、従来のコーエン映画からは想像つかなかった映画全体に流れる高予算の雰囲気に驚き。『ブラッド・シンプル』や『ミラーズ・クロッシング』の陰気くささもあるフィルムノワール、『バートン・フィンク』のシュールでブラックな笑いでコーエン映画というジャンルが確立したと思っていた。そのため本作のゴージャスなコーエンという新しさに違和感。ジョン・タートゥーロのまったり登場くらいを期待したいところなのだが、有名俳優ありきのA級風もたまに食べるくらいならいいのかも。ハイライトは、3か月間死に物狂いで特訓したというチャニング・テイタムの6分間タップダンスシーンと言ってしまおう。

『ヴィクトリア』

ヴィ
(C) MONKEYBOY GMBH 2015

 ベルリン国際映画祭で大絶賛された、上映時間140分程を1カットでゆるっと見せる新しい感覚のクライムサスペンス。ロマンチックな要素にキュンキュンし、犯罪に踏み切るシーンでは手に汗握りと、観るものに“体感”させるパワーがこの映画にはある。主人公は文化系女子風のヴィクトリア。一人クラブ帰りに若者男性グループに出会い、まっとうに生きてきた彼女の人生が一夜にして変わってしまう。過去に夢敗れたことを忘れようとするようにヴィクトリアが悪事に手を貸し、超えてはいけないラインを超えて生きる喜びを見いだしていく過程には、「生きがいとは何か」と考えさせられる。気が付けば、1カットの世界に入り込んでいる自分がいることだろう。

『マクベス』

マ
(C) STUDIOCANAL S.A / CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION 2015

 シェイクスピア悲劇の新たなる映画化では、アカデミー賞主演女優賞受賞経験のあるフランス女優マリオン・コティヤールがマクベスの妻を演じている。妻に王殺しをけしかけられ苦悩する主人公マクベスは、アカデミー賞主演男優賞と助演男優賞にノミネートされた、セクシーな俳優マイケル・ファスベンダー。「主人公の葛藤」の描写は、シェイクスピア劇あるあるの回りくどさ全開。だがイケメンなマイケルが、キメ細かく力強いパフォーマンスで魅了。古典作品を飽きずに観ることができる。マクベスの弱い内面性の表現には、「こんなお顔をさせるなんて……、代わりに王を殺してあげる!」という考えに陥ってしまうほど女性はメロメロになってしまうかも。マイケルに振り回されたい方は必見。

『スティーヴ・マックィーン その男とル・マン』

マ
(C) THE MAN & LE MANS LIMITED,2015

 突拍子はない・諦めない・情熱家・女はすべて俺のもの。そんな限界知らずのカリスマ性あふれるハリウッドの大スター、スティーヴ・マックィーンを丸裸にしたドキュメンタリー。のちにカルト的人気を博した1971年のレース映画『栄光のル・マン』のトラブル連続の裏側から、彼が生前、どんな私生活を送っていたのかまで知ることができる。この伝説のスターを知らない人でも、マックイーンの美学は自分みがきの参考となるはず。またテクノロジーが発展した現代にこの作品を観ることで、古き良き時代の雰囲気や、当時のスターの筆マメさにホッコリ気分を味わえるのも魅力の一つ。

まゆみ’s ベスト5

第1位:『ヴィクトリア』
第2位:『スティーヴ・マックィーン その男とル・マン』
第3位:『カルテル・ランド』
第4位:『マクベス』
第5位:『ヘイル、シーザー!』

 先月とは打って変わり、『ヴィクトリア』以外は男性主人公ばかりの作品が集まった今月。『ヴィクトリア』はヒロインの窮地に立たされた状況に自分がいるかのように見せる、臨場感ある斬新な映像テクが素晴らしかった。ドキュメンタリー映画の『スティーヴ・マックィーン その男とル・マン』と『カルテル・ランド』は、女を抱くことによる男達の底知れないパワーから男のホンネが垣間見えるようで面白い。『マクベス』はマイケルに母性本能をくすぐられること間違いなし。『ヘイル、シーザー!』では“服を着た”チャニング・テイタムの華麗なダンスに鼻血。

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プロフィール
プロフィール

◆ 藤井まゆみ Mayumi Fujii
Twitter:@mayumi_fujii
オフィシャルブログ:『藤井まゆみのシネマジャーナル』2010年に第一回 国民的"美魔女"コンテスト「美肌魔女賞」を受賞。以降、Team美魔女のメンバーとして各方面で活動中。大の映画好きがきっかけで6年間ロサンゼルスの映画留学を経験した豊富な知識を生かし、 "映画を観て美しくなろう!"をコンセプトに「美に効くサプリ」として映画を紹介する、映画 "ビューティ" コメンテーターとして活動をスタート。
【映画関連】
<記事>
・2013年5月~ 映画エンタメ情報『シネマカラーズ』、美に効く映画[サプリ]連載
・2014年12月~ トレンドミックスマガジン『VANITY MIX ヴァニティ・ミックス』、藤井まゆみの魔ジカルCINEMA 連載

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