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FLASH記者が語る!スクープのウラ側

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FLASH記者×大根仁監督 『SCOOP!』特別対談第1回
映画『モテキ』ではナタリー。映画『バクマン。』では少年ジャンプ。実在の編集部を舞台に映画の物語を展開してきた大根仁監督が、新作『SCOOP!』では架空の写真週刊誌SCOOP!編集部を作り上げた。主人公のフリーカメラマン、都城静(福山雅治)が出入りする編集部とその内部事情は、FLASH編集部への取材が大きく役に立っているという。同誌の編集長と記者A氏を招き、写真週刊誌の世界のゲンジツを聞いた。(司会進行・文:相田冬二)

【週刊文春記者が語るスクープの裏側はこちら】

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■社内の対立って、実際あるんです!

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(C) 2016映画「SCOOP!」製作委員会

大根監督:今回は写真週刊誌さん2誌の編集部に取材させていただいているんですが、SCOOP!編集部のレイアウトは、わりとFLASHさんに近いと思います。

記者A氏:メイキングの写真を見たウチのカメラマンが「これ、ウチの編集部じゃないの?」と言っていましたよ(笑)。それぐらい再現率が高くて。

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大根仁監督とFLASH記者A氏

大根監督:かつてここは喫煙可能だった……という匂いがFLASHさんにはビンビン漂っているんですよ。あの壁の汚れは活かしています(笑)。

記者A氏:映画を観て、編集部の再現率もそうなんですけど、登場人物のキャラクターとか、ニュースに対するこだわり、グラビアに対するこだわり、キャラクターの人間性までが、編集部の人間を再現しているなと。物理的なものだけじゃなく、人間までもそうだったことに驚きました。写真週刊誌、という感じの人たちなんですよ。それがスゴいなと。

大根監督:編集長、いないとかね(笑)。

編集長:今日はいるけどね(笑)。

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芸能班とグラビア班の対立

大根監督:編集長は編集長で大変なんだけど、編集部にはあまりいない。実質仕切っているのは副編(集長)ですと。そのあたりは取材したからですね。ところで、映画で描いたような芸能班とグラビア班の対立はあるんですか(笑)?

記者A氏:編集長、(しゃべっても)いいですか(笑)? あります! あります! 当然、闘いになります。グラビア班は芸能事務所とのお付き合いの中で成立しているところがある。なのに(グラビアに登場しているタレントのスキャンダルを芸能班が)バーンと抜いちゃったら、それまでどんなに仲良くしていても(事務所とは)終わるわけですから(笑)。

大根監督:「何してくれちゃってるの!」って話ですよね。

記者A氏:モメないはずがない。内側にも敵がいると思っていたほうがいい(笑)。

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■「この記事は誰トク?」と思うことも…

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記者A氏が担当したスクープ記事を見る大根監督

記者A氏:今日、劇中で登場する潜入シーンに一番近いスクープを持ってきたんです。これ、僕が潜入して撮った記事なんですけど。ある方が相撲を引退されて、その日の夜に行われた打ち上げに、女の子を連れて行って関係者のふりしてしれっと入ったんです(笑)。

大根監督:「お疲れ様でーす」みたいな(笑)。

記者A氏:そうです(笑)。そこで奥さんとキスをする時に写真を撮ったものなんです。劇中のように男女で潜入するというのは、実際にある手法なんですよ。

大根監督:潜入の仕方は、いろいろとお話を聞きました。あと、同行取材してわかりましたが、本当に張り込みって長いですよね……。

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劇中では静と野火(二階堂ふみ)が現場に潜入!

記者A氏:待つしかないですからね。ひたすら忍耐です。でも、福山さんが演じた静さんみたいなカメラマンがいるとテンション上がりますよ。「絶対撮ってやる!」と思っているわけじゃないですか。長時間の待ちの中で、どれだけそのテンションを持ち続けられるか。そこは大事なところですから。

大根監督:あと、心臓に毛が生えてないとできないことですよね。スクープをものにするって。

記者A氏:でも、それは「仕事」だから、できるんですよね。たとえば仕事だったら、すっごい美女にも声かけられるんです。これが普通だったら緊張して声かけられないですよ。仕事だからイケるんです。

大根監督:そうですね。僕も「女優の懐に飛び込むのが早い」みたいなこと、よく言われるんですけど、それも「仕事」ですから(笑)。そりゃあ、早めに仲良くなっておいたほうがいいじゃんっていう。仕事だからできるという感覚は、一緒ですね。

記者A氏:ただ、夜、風呂に入ってて(このスキャンダルを世に出すことは)誰トクなんだろう……と考えることもありますよ(笑)。

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■スキャンダルを見たがるのは人間の本能

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写真という言い訳できないもの

大根監督:写真週刊誌を取り上げようと思った理由は、多少の憶測はあるにせよ、噂だけで記事にするのではなく、写真という言い訳できないものを提示しているからなんです。

記者A氏:実際、取材のとき、スキャンダルを否定していたのに、写真を見せたら態度を一変させた人もいます。

編集長:数年前から、モバイルで(雑誌を)見ることができるようになったじゃないですか。それで、それなりに歴史のある写真週刊誌も生き返ってきたところはありますね。iPadで見るにしても(サイズ的に)画面は大きなものではないから、写真は大きく、文字は少ないほうがいい。それでFLASHも先祖返りしているところはありますね。シンプルにポーンと見開きで完結するんだと。ここ1年くらい30年前の創刊の頃に戻ってきたというか。

大根監督:映画では芸能班とグラビア班の対立を描きましたが、今後はWeb班との対立も描けるかもしれないな(笑)。

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Web班との対立も!?

編集長:まあ、2、3年後はどうなっているかわかりませんけどね(笑)。

大根監督:でも、スキャンダルを見たがる・知りたがるっていうのは、人間の本能だと僕は思っているので。政治ネタにしろ、芸能ネタにしろ、すたれることはないんじゃないかな。

映画『SCOOP!』は10月1日より全国公開

映画『SCOOP!』オフィシャルサイトはこちら

【対談第2回:週刊文春記者が語るスクープの裏側はこちら】

FLASH
1986年創刊。光文社発行。毎週火曜日発売。芸能スクープやグラビアのほか、政治・経済・スポーツなど、多様なジャンルを扱う写真週刊誌。トップタレントのグラビア写真は、数ある雑誌の中でもダントツの充実度を誇る。ビジネスマンを中心に支持されている。

大根仁監督
1968年生まれ。演出家・映像ディレクターとして、数々のドラマやPVを演出。初映画監督作品『モテキ』が、第35回日本アカデミー賞話題賞(作品部門)を受賞。そのほか監督した作品にドラマ「週刊真木よう子」「まほろ駅前番外地」、映画『恋の渦』『バクマン。』がある。『バクマン。』では、劇中にプロジェクションマッピングを取り入れるなど、革新的な映像表現で、幅広い支持を集めている。

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