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ベン・アフレックを奪い合う…マット・デイモンと宿敵ジミー・キンメルの長~い闘いの歴史

 第68回エミー賞授賞式で最優秀トークショー部門の発表後、司会のジミー・キンメルがステージに戻って来た。「ジミー・キンメル・ライブ」で自身も同部門にノミネートされていたジミー。残念ながら受賞は逃してしまったものの、授賞式を続けるために舞台に戻って来たわけだ。ところがジミーがMCを始めたときのことである。

ジミー:「さて会場のみんな……わっ!」(舞台袖からリンゴを丸ごとかじりつつマット・デイモンが登場)
ジミー:「何か用?……ってか、何だよ?」
マット:「(リンゴをモグモグしながら)落ち着けってば。今やった部門の発表を見逃しちゃったんだ」
ぶ然とするジミーを前にマットは一言「キミは受賞できた?」

 授賞式の真っただ中、リンゴをかじりながらのマット・デイモンの突然の登場に「候補者じゃないのになんでいきなりマットなの!?」と思った日本のファンは少なくないかも……? おまけにジミーがマットの様子にムッとすればするほど会場は爆笑の渦! これは一体どうなっているの!?

 というわけで、今回の「最新! 全米HOTムービー」ではアメリカでは国民レベルで愛されている“犬猿の仲コンビ”マット&ジミーの長い闘いの歴史を検証する。(取材・文:ロサンゼルス在住、明美・トスト/Akemi Tosto)

マット VS ジミー:いさかいの発端

 一体マット・デイモンとジミー・キンメルの間に何があったのか? 時はさかのぼること2005年。ジミーはあるときから自身が司会を務めるトークショー「ジミー・キンメル・ライブ」を「今夜ゲスト予定だったマット・デイモンにお詫びします。(前のゲストで時間が押して)時間切れとなってしまいました」というギャグで締めることがおなじみになった。

 その後も呼ばれてもいないのに一方的にドタキャンされ続けたマットだが、2006年についに番組に登場! しかし、ソファに腰を下ろした途端に「申し訳ない、マット! また時間切れです。視聴者の皆さんお休みなさい!」と本当に番組は終了してしまい、エンドクレジットの流れる後ろでブチ切れたマットが真っ赤になってジミーに悪口雑言を浴びせる姿が……。二人の争いの口火はこうして切られたのだった。

マットのリベンジ:恋人を寝取る

 ジミーの元カノは、お下品さが売りの人気コメディエンヌ、サラ・シルヴァーマン。二人がまだ交際中だったあるとき、サラはゲストとして「ジミー・キンメル・ライブ」に登場するやいなや「実はジミーに打ち明けたいことがあるの。それをミュージックビデオにしたわ」と切り出し、おもむろにオンエアしたのが「F*@#ing Matt Damon」(マット・デイモンとヤッてるの)という動画だ。

 タイトル通りマットと浮気していたことを告白するMVなのだが、マット自身もまさかの出演で「彼女はマット・デイモンとヤッてるよ♪」とデュエット! ギター1本での弾き語りから、ハードなロック、そしてちょい悪なストリート系の音楽へと曲調を変化させながら、サラとマットは「マット・デイモンとヤッてる」と歌って踊りまくった。

 この夜の「ジミー・キンメル・ライブ」が高視聴率を記録したのは言うまでもなく、この異様に完成度の高いMVはエミー賞まで受賞している。

目には目を:ジミー、ベン・アフレックを寝取る

 しかし、これを見たジミーも黙っていなかった~っ!! 自分もサラに告白することがあるとばかりに、ミュージックビデオ「F*@#ing Ben Affleck」(ベン・アフレックとヤッてるよ)を番組で放映。ベン・アフレックとマットが親友同士なのは周知の事実だが、そんなベンが実はマットの宿敵ジミーと“浮気”をしていた……という内容で、ラメ入りのタイトシャツを着たベンとピチピチのショーツに身を固めたジミーが1980年代のヒット曲「ウィ・アー・ザ・ワールド」をパロって作られたMV(ブラッド・ピットハリソン・フォードキャメロン・ディアスなどそうそうたるメンバーが出演!)でイチャイチャ。お茶の間で大ウケした。

番組乗っ取り~カップルカウンセリングへ

 そして2013年1月24日の放送回で事件が。いまだにちゃんとゲスト出演させてもらっていないマットがジミーを拉致。事務イスに縛り付けたジミーを舞台袖に放置して、トークショーを乗っ取ったのだ! まんまと司会者になったマットは、ジミーを侮辱しつつ、ニコール・キッドマンゲイリー・オールドマンエイミー・アダムスといったセレブのインタビューに成功して豪華リベンジを堪能した。

 その一方で、ベン・アフレックが番組スタッフに成りすまして登場し、ジミーをほめたたえるカンペを出すという一幕も。「ジミーのことをひどく言わないで」と泣き出し立ち去るベンに、マットは「ヤツはキミのことを僕のようには愛していない! きっとキミにもわかるときが来るよ!!」と叫ぶなど、複雑な三角関係が展開する回となった。

 そしてこのコンビをいい加減和解させようとカップルカウンセリングに行かせる、という試みもあった。専門カウンセラーの前で、冷静にお互いの胸の内を明かし合うという趣向だったのだが、マットとジミーはハグするふりをして互いを攻撃し出す始末。別のカウンセラーで再トライしても結局ダメで、そのまま迎えたのがエミー賞だったというわけだ。

ベンがマットをこっそり「ジミー・キンメル・ライブ」に忍び込ませたことも→ベン・アフレックのおなかからマット・デイモンが出てきた!仲良しすぎる二人

互いにけなし合うことで愛を感じている二人!

マット・デイモン、ジミー・キンメル
『オデッセイ』衣装でジミーを攻撃するマット - Randy Holmes / Getty Images

 もちろんこの二人は本当に嫌い合っているわけではない。互いにけなし合うことで愛を感じているのである。実のところこのギャグの起源は、番組のゲストもひどくて番組もつまらなく、気分的にもかなり腐っていたジミーがプロデューサーとの内輪受けを狙って、「今夜ゲスト予定だったマット・デイモンにお詫びします。時間切れとなってしまいました」と突拍子もないギャグを飛ばしたこと。“ゲスト出演を先送りにすることなど絶対にあり得ない超一流セレブ”の名前としてとっさにマットの名が浮かんで飛ばしたジョークなのだという。

 このネタがいたく気に入ったプロデューサーに新たな気力をもらったジミーは、次の夜もそのまた次の夜も「今夜ゲスト予定だったマット・デイモンにお詫びします。時間切れとなってしまいました」を番組最後の締めのセリフに。毎晩この締めのネタを続けているうちに観客はもとよりマットの広報担当から、マット本人にもウケているという話が入ってきた。そこからマット本人を巻き込んだ一大イベントへと発展していったのだ。

 それにしてもコメディアンのジミーはいざ知れず、マットのジミーとの犬猿の仲コンビぶりはアカデミー賞ものである。何も知らない人が見たらマットが本当にジミーにムカついているか、バカにしているかに見える、その真剣さにまた大爆笑なのだ。

【今月のHOTライター】
明美・トスト / Akemi Tosto
高校よりロサンゼルス在住、CMや映画の製作助手を経て現在に至る。全米映画協会(MPAA)公認ライターとしてだけでなく、監督としても活躍中。短編作品『ボクが人間だったとき/When I Was a Human』がアカデミー賞公認配給会社ショーツ・インターナショナルより配給され、iTunesとAmazonで日本版発売中。ツイッターもよろしく!

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