ちょっと気の早い！第89回アカデミー賞ノミネート予想（2/2）

『ブレードランナー』続編で大注目のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督

『メッセージ』

【監督】ドゥニ・ヴィルヌーヴ【キャスト】エイミー・アダムス、ジェレミー・レナー 、フォレスト・ウィテカー【日本公開日】2017年5月公開

　『ブレードランナー』続編の監督に抜てきされ、いま最も注目の監督ドゥニ・ヴィルヌーヴ。巨大な球体型宇宙船が突如地上に降り立ち、謎の知的生命体と意思の疎通をはかるため、軍に雇われた言語学者のルイーズ（エイミー・アダムス）は、“彼ら”が人類に何を伝えようとしているのかを探っていくが……。『オデッセイ』『ゼロ・グラビティ』のように作品賞候補にはここ数年、1作品SFが選ばれる傾向にあり、本年度はこれがその1作になりそう。

ナタリー・ポートマンがケネディ大統領の妻に

『ジャッキー／ファーストレディ 最後の使命』

【監督】パブロ・ラライン【キャスト】ナタリー・ポートマン、ピーター・サースガード 【日本公開日】2017年春、TOHOシネマズ シャンテほかにて全国公開

　ジョン・F・ケネディ大統領暗殺事件を妻ジャクリーンの視点から描いた作品。『ブラック・スワン』でオスカーに輝いたナタリー・ポートマンがジャクリーン役に挑み、ベネチア国際映画祭で最優秀脚本賞を受賞した。監督は『NO ノー』がアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた経歴を持つチリ出身のパブロ・ラライン。ナタリーは『ラ・ラ・ランド』のエマ・ストーンと並んで、主演女優賞の筆頭候補だ。

当時違法とされた異人種間結婚をした実在の夫婦

『ラヴィング（原題） / Loving』

【監督】ジェフ・ニコルズ【キャスト】ジョエル・エドガートン、ルース・ネッガ【日本公開日】未定

　アメリカの「異人種間結婚禁止法」撤廃の立役者を描いた伝記映画。1958年、バージニア州で当時違法とされていた異人種間結婚をしたリチャードとミルドレッドのラヴィング夫妻の実話に基づいている。監督は『MUD マッド』『テイク・シェルター』 のジェフ・ニコルズ。ミルドレッドさんを演じたルース・ネッガの主演女優賞ノミネートも今のところ確実といえそう。

ダークホースとして押さえておきたい一作

『ムーンライト（原題） / Moonlight』

【監督】バリー・ジェンキンス【キャスト】ナオミ・ハリス、マハーシャラ・アリ 【日本公開日】未定

　マイアミの貧困地区で育った黒人少年が自分の居場所を見つけるためにもがきながら大人になっていくドラマ。麻薬常習者の母親を『007』シリーズのマネーペニー役でおなじみのナオミ・ハリス、主人公をかわいがる近所に住む麻薬ディーラーを人気ドラマ「ハウス・オブ・カード　野望の階段」などに出演するマハーシャラ・アリ が演じた。監督のバリー・ジェンキンスはこれまで短編映画を中心に手掛けてきた人物で、この中では一番地味な作品だが、批評家からの評判も良くダークホース的な存在として注目しておきたい。