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『破門 ふたりのヤクビョーガミ』佐々木蔵之介&横山裕インタビュー

演技を超えてお互いにイラッときた!?

『破門』

イケイケやくざの桑原とぐーたらビンボーな建設コンサルタント・二宮が、映画製作出資金を持ち逃げした映画プロデューサー・小清水を追って関西やマカオで大暴れ! そんな黒川博行の直木賞受賞作を映画化した『破門 ふたりのヤクビョーガミ』で、桑原と二宮の凸凹コンビを快演した佐々木蔵之介と関ジャニ∞の横山裕。ダブル主演の二人が、異色のバディムービーの撮影秘話と初めてタッグを組んだお互いの素顔を語った。

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■バディ感を出さない絶妙なコンビネーション

『破門』

Q:本作のオファーを最初に聞いたときはどう思いましたか?

佐々木蔵之介(以下、佐々木):ネイティブランゲージの関西弁が使えて、暴力的なイケイケやくざというこんな面白い役にはなかなか出会えないので、嬉しかったですね。

横山裕(以下、横山):僕は出演が決まってから原作を読ませていただいたんですけど、蔵之介さんとも「音読しちゃいますね」って話したぐらい会話が魅力的だったから、その世界観の中に自分が入れるのが素直に嬉しくて。桑原に蔵之介さんを重ねながら台本を読んだり、撮影前はいろいろとイメージしていました。

Q:バディ感が出ないようにしたそうですね。

佐々木:そうですね。ホン(台本)読みを最初にしたときに、小林聖太郎監督から「テンポが良過ぎる」「コンビっぽく見える」って指摘されて。桑原は二宮のことを実際「調子にのると口数が多いなあ」とか「蹴ったろか」と思っていて、金儲けに関する共通の利害だけで繋がっているので、関西弁のテンポや間で息が合った感じになるのはよくないなっていうことだったんですよね。

横山:二宮も桑原のことを絶対に嫌いでしょうしね。嫌いというか、すぐどつくから、ホンマうっとうしいと思っているんですよ。

佐々木:どつきたくなることを言うからや(笑)!

横山:そうなんですけどね(笑)。でも結局、二宮は桑原に頼らないといけないし、桑原は桑原でコイツは金になるから利用しようと思っている。その微妙な関係が面白いですよね。ただ、演じるときは狙い過ぎないようにしました。面白いやろっていう感じでやったら絶対に面白くないので。二人の関係がどんどんズレていって、うまく噛み合わない感じがリアルな面白さというか、クスッという笑いになるから、そこは意識しましたね。     

『破門』

Q:桑原が二宮をどつくことで生まれる笑いもありますよね。

佐々木:原作を読んだときに、桑原はムチャクチャしよるな、怖いなコイツって思いました。しかも、一発目はだいたい“金的”だし(笑)。でも、そこは桑原のキャラクター造形にも繋がるから、リハーサルのときに「“金的”は絶対に入れたい。目潰しや塩投げもやりたい」と言って作っていったんです。でも、初日からテーブルをひっくり返したり、菜箸を頬に突き刺すアクションシーンの撮影だったから、果たしてそれでいいのか悪いのかわからなくて。この作品らしいクランクインでしたけど(笑)。

横山:でも、ガッと本気で来てくださるから、こっちもリアクションしやすくて。テーブルをひっくり返した蔵之介さんにグワッとにらまれたときは、「うわっ、桑原や! いらんこと言ったら、この人ほんまやりよる。ほんま危ない人や」って思いましたし、小清水役の橋爪功さんが、蔵之介さんに「オマエ、痛いな~!」とか「ムチャクチャやりよるで、コイツ」とか文句をいっぱい言っていたのも印象的でした(笑)。

佐々木:ペンを太ももに突き刺すシーンがあって「痛いですか?」って聞いたら、「痛いに決まってるやろ!」って言われて(笑)。でも、嬉々として痛がっているし、むしろほしがっているじゃないですかって感じになってきたから、こっちもだんだん楽しくなっちゃってね(笑)。

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■演技を超えてイラッとした瞬間

『破門』

Q:横山さんは、撮影中に佐々木さんに本気で殴られていましたね。

横山:監禁していた小清水に逃げられ、「オマエ、なんで見張っとらんかったんや」って殴られた弟分の後に「オマエもじゃ!」ってどつかれたときはめちゃくちゃ痛かったから、「痛っ!」ってものすごくいいリアクションができたと思います。リアルに丸まっていたんですけど、弟分たちは桑原が怖いからたぶんそれすらできないんですよね。でも、そこが二宮のアホな部分で、平気で「痛っ!」って言えちゃう(笑)。あれはやっていて楽しかったです。

佐々木:そこは僕も覚えていますね。「なんで見張っとらんかったんや!」って怒鳴ったときに、言い訳をしよる。まあ、セリフなんですけど、ひと言多いから、「一生寝とけ!」って言いたくなるんですよ(笑)。

Q:佐々木さんが二宮に本気でイラッとした瞬間はなかったですか?

佐々木:これは結局カットされたんですけど、どついた後に車のキーを渡して「おい、行くぞ!」って言っているのに、まだ竹輪を食べているから、あれでイラッとして(笑)。

横山:たぶん、蔵之介さんが一番イラッとしたのは、銀行のシーンで僕が「ビビったんですか?」って言ったときじゃないですか? 蔵之介さんがマジでイラッとしていたから、僕は逆に気持ちよかったんですけど(笑)。

佐々木:あれ、ちっこい仕返しやもんな。あのちっこい仕返しがほんまイラッとする(笑)。

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■再共演したら今度は逆にどつきたい!?

『破門』

Q:お二人には、二宮のようなぐーたらな一面はありますか?

佐々木:それで思い出したけど、俺にバーンってしばかれた後、目を覚ましてすぐに魚肉ソーセージを食べてへんかった?

横山:ああ、食べました。

佐々木:あれは別に、監督に「食べろ」って言われたわけやないやろ?

横山:僕が現場でいきなりやりましたね。

佐々木:あれを見たときに、普通、目が覚めたときに魚肉ソーセージを食べるか? ほんまにぐーたらなヤツやなあと思ったよ。

横山:チョコレートを取るところもそうですけど、食べ物が置いてある位置を把握しておいて、そういうことで二宮らしさを出そうと思って。でも、質問はプライベートでぐうたらなところはあるのか? ってことですよね。

佐々木:そうやった、そうやった(笑)。

『破門』

横山:でも僕、ぐーたらやないと思うんですよね。嫌なんです。休んだらええのにって思っても、休んだら負けた気になるから。ジムに行っても最初に決めたメニューは絶対やるし、サウナに入ったら針が一周回るまでは出えへんと決めている。アホなんですよ(笑)。

佐々木:でも、それはぐーたらと違うもんな。

横山:だから僕、絶対に遅刻しないですよ。二度寝とかしないです。眠くても、目が覚めてから10秒以内に起きへんかったら死ぬっていうルールを作っているんで、絶対に起きる。そういう自分ルールがいっぱいあるんです。

佐々木:それはスゴいな。それに比べて僕は、休みが1日、2日あったらどうしてもダラダラしそうになりますね。でも、後からすごく後悔するので、とりあえず外に出て。性根は変えることはできないので、旅行に行ったりするかな。

Q:今回初めて共演されて、お互いに対してスゴいなと思ったところは?

横山:撮影中に何度か一緒にご飯を食べにいかせてもらったんですけど、蔵之介さんは日本酒を選ぶときのこだわりがスゴくて。普通は量が減っているお酒が、美味しいからたくさんの人に飲まれているって思うじゃないですか。でも、蔵之介さんは「開けたてが一番美味いんや」って言われて、トイレに立ったときに封が切られたばかりの日本酒をチェックして、それを頼まれていたんですよね。

佐々木:映画と関係ないやんけ(笑)!

横山:ほんまですね(笑)。

佐々木:裕は食事のことをすごく気を付けているなと思ったね。撮影中もタンパク質の鶏をよく食べていたし、コンビニごとの唐揚げの味の違いも教わって勉強になりました。……映画と関係ないやんけ(一同笑)。

Q:横山さんは今度また佐々木さんと共演するとしたら、どんな役がいいですか?

横山:とりあえず、僕は蔵之介さんを1回どつきたいですね(笑)。

佐々木:そうやろなあ(笑)。

横山:でも、どつけないでしょうね。どうしても桑原がちらつきますから(笑)。

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■取材後記

質問に答える際も、劇中の桑原と二宮の関係を彷彿(ほうふつ)させる熱くなり過ぎない大阪弁のユル~い掛け合いと絶妙な距離感でその場を笑いの絶えない和やかなムードにしていた二人。その空気は計算して作り出せるものではないし、撮影を通して強い信頼感で結ばれた彼らにしかもはや生み出せないもの。原作が人気の「疫病神」シリーズの一編だけに、早くも続編が観たくなったのは言うまでもない。(取材・文:イソガイマサト)

(C) 2017「破門 ふたりのヤクビョーガミ」製作委員会

映画『破門 ふたりのヤクビョーガミ』は1月28日より全国公開

映画『破門 ふたりのヤクビョーガミ』オフィシャルサイトはこちら

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