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福士蒼汰&小松菜奈
『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』
悲しい時に笑っている方がもっと切ない
『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』福士蒼汰&小松菜奈 単独インタビュー

取材・文:高山亜紀 写真:奥山智明

青春恋愛映画を次々とヒットさせてきた三木孝浩監督の新作は「泣ける」「切なすぎる」と多くの読者の心を掴んだヒット小説の映画化『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』。通学電車で運命の相手に一目ぼれしてしまう美大生・高寿を福士蒼汰、彼と付き合うことになるものの実は大きな秘密を持つ、謎めいたヒロイン・愛美を小松菜奈が演じている。美しい景色のなかでみずみずしく描かれる初々しい恋物語。その意外な舞台裏とは?

■号泣必至のラブストーリー

Q:切ないお話ですね。試写室では号泣する人が続出でした。

福士蒼汰(以下、福士):本当ですか。うれしいです。仕事で観ている人が泣いていると聞くと、安心します。やったー。

小松菜奈(以下、小松):意外な人が泣いてくれたって聞いたりすると、やってよかったって思いますね。

Q:二人は完成した作品を観て、泣きませんでしたか。

福士:小説は号泣したのですが、映画は客観的には観られなくて。

小松:私は映像のきれいさに圧倒されました。すてきだなあって。話は切ないけど、デートだとかちょっとしたことが二人には幸せで、その瞬間がとてもキラキラとしていてぐっときました。愛美と高寿としてしっかり生きていたし、二人が支え合い成長していく姿がちゃんと描けていたので、なんか“頑張ったね、私たち”って思いました。

Q:小松さんが演じた愛美はある秘密を抱えるとても難しい役。役づくりはこれまでとは違う感覚でしたか。

小松:そうですね。難しかったです。役の上でも演技をしているというのは初めてのことだったので、どんな感覚なのかなと最初はちょっと不安もありました。しかも、愛美なりに自分の運命をたどっていかなければならない。涙のシーンも、いろんな涙の流し方があるんです。ちょっとうるっとなったり、すごく泣いたり。原作を知らない方は最初それがどういう意味かわからないと思うのですが、どんどん知っていくとその理由がわかって、彼女の気持ちが理解してもらえると思います。悲しい時に悲しいと涙を流すのではなく、悲しい時に涙をこらえて笑っている方がより切ない。そこを大切に演じていました。

■いつもとは一味違う福士蒼汰

Q:高寿は出会いの時からどんどんかっこよくなっていく。最初は「あれ?」と思うくらい野暮ったいですね(笑)。

福士:なよっとして、少し気弱な人間です。眼鏡をかけて、かつらで髪を長くして……ダサかったと思います(笑)。

小松:最初と最後とでは全然印象が違いますね。どんどん男らしくなっていく。

福士:それをグラデーションで出していきたいと監督と話し合っていたので、最初は逆にどれだけダサい、いつもと違う福士蒼汰になれるかが、勝負でもありました。そこからどんどん学んでいって、成長していく姿を描ければいいと思っていました。

Q:実際かっこいいのに、そう見せないのも大変な作業ですよね。

福士:そんなことないです。普段の自分は、かっこよくないですから(苦笑)。目線を合わせられなかったりとか、相手との距離感がわからなくて体の向きがちょっとななめになってしまうとか、高寿の身体的な動きは意識してやっていました。

Q:小松さんは恋してかっこよくなっていく高寿の変化をそばで見ていて、どう思いましたか。

小松:順撮りではなかったんです。成長後の姿を撮影した後にかつらをかぶって以前の姿で撮影とか、そういう繰り返しだったので映画を観て、ああ、なんか男らしくなっていったんだなと改めて感じました。あ、こういう風になっていたんだって。

Q:順撮りではなかったんですね。

福士:全然違いました。同じ場所でデートするシーンでも、高寿が秘密に気づく前、気づく後で意味が全く違うんです。でも場所が一緒だから同じ日に撮ることが多いんです。

Q:では、気持ちを作るのは大変でしたね。

福士:自分がいまどこにいるのかということを明確にする必要があると感じたので、そこは監督と「まだ何も知らないから、浮かれていられる」「いまは知った上で愛美と向き合ってるんだぞ」と細かく話し合いながら、撮影に臨んでいました。

小松:名前を言い合うだけで泣いてしまう場面とか、その都度監督がそばに来て、「今はこういう時だから」と説明してくれたので、「いまはここか。じゃあ、こういう気持ちか」と整理できました。毎日たくさんのシーンを撮影していったので、気持ち的には大変でしたね。デートのシーンの後に重いシーンがあったりして、感情を作るのがなかなか難しかったです。

■名前を呼び合うシーンにドキッ

Q:後半はデートのシーンが多いですが、二人で観ていて、キュンとする場面はどこですか。

福士:僕は名前を呼び合うシーンとか、ドキッとしました。改めて呼ぶと、恥ずかしくて。「呼んでいい?」とか。自分としては、「それ、聞くかなぁ」と思いながら(笑)。「純粋な二人だなぁ。かわいいなぁ」と思っていました。

小松:私はデートのシーンで、食べたいケーキを「せーの!」で一緒に選ぶところですね。

福士:あー、わかります!

小松:で、同じのを選んじゃって、「あっ!」ってなる。ありがちなんですけど、日常でも友だちや恋人とそうなったりして、盛り上がったりすることがありますよね。そういうところが切り取られていて、なんかいいなってキュンとする部分でした。

■福士が小松に見とれたのはズバリ、この場面!

Q:三木監督の青春映画、特に恋愛ものは定評がありますが、出演してみて「ここか!」と思うような演出などはありましたか。

小松:すごく画にこだわっているんだなと、毎回思っていましたね。もちろん、感情も大事にしてくれるのですが、画の美しさがどんなに大切かっていうのは現場でも感じていました。デートの部分とかはセリフもなく、「自分たちでやって」と言われて何も決められていなかったので、いろんな角度で撮られていても、二人でいろんな方法で楽しんでいられました。本当に自然でした。

福士:三木監督のおっしゃっていたことなのですが、「『この作品の小松菜奈が一番、かわいい』って言われるようにしたい」と。それだなと思いました。いままでの作品もそうなんですけど、女の子をいかに美しく撮るか、そこがポイントなのかなと思いました。それに対しての演出が細かいんです。「これがいいんだ」というようなことを監督は明確に持っていたと思います。

Q:福士さんより、小松さんへの演出の方が細かかったんでしょうか(笑)。

福士:そうだったと思います。

小松:確かにそれはあった気がします。監督が、一番乙女なんです。女の子に対しては「こうあってほしい」というのがあったみたいで、私も「なるほど! 勉強になります」って感じでした(笑)。例えば、声のトーンや語尾を上げたりする、いわゆる「女の子」みたいな話し方。そんな女の子らしさを集めてきたのが愛美なので、誰もが見たときにはっと思えるような感じになっていると思います。だから監督は行動一つ見逃さなかったです。たまに私の素が出ちゃったりすると、「いまのは小松菜奈だったね」って言われることもありました。

Q:福士さんが愛美に見とれたところを教えてください。

福士:椅子に話しかけるところです。「目線が合わない。ダメだよ、君」って椅子に怒るシーンがあるんですけど、小松さんがすごく困りながらやってるところも印象的でした。

小松:うそでしょ、やめて(苦笑)。あのシーンは本当にどうしていいかわからなくて、手探りでやっていたんですよ。

福士:愛美ちゃんにはそういうお茶目なところもあるんです。しっかりした部分とお茶目な部分のバランスがちょうどいいというか。それが監督の理想とする女の子なのかなと思ったりもしました。

カメラマンの「目線を合わせて」の指示に、恥ずかしがって照れ笑いしてしまうほど、実に仲の良い二人。小松一人を撮影する際は、福士がカメラマンの背後から笑わせようとするも、まったく気づいてもらえず、そっとフェイドアウトしていくという、かわいらしい一幕もあった。物語のなかにいた二人はまさに高寿と愛美。その切ない余韻がいつまでも胸に残っていただけに、実際の二人がニコニコしているだけで、幸せな気持ちになった。

『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』は12月17日公開

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